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Chet Bakerのスキャットソロの魅力
ジャズを歌う者です。ジャズボーカルかと言われれば、定義がわかりません汗。だって沖縄民謡も、手嶌葵さんの歌も好きです。
でも、ジャズ歌唱のスキャットは大好きです。スキャットは酒のあて。
2025の目標はそろそろスキャットの練習法を確立したいと思っています。
そんな私がわりと真面目にやっているのは「好きなソロ音源を真似る」です。特にチェットベイカー様はハズレなし!!!彼のスキャットもTpソロもどうしてこんなに魅かれるのか秘密が知りたく、ある楽譜集を手に入れました。
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Chet BakerのScat Solo集
なのです。し、信じられない!!!
そして翻訳してみてめちゃくちゃ嬉しくなったのが
4.5ページの"はじめに"コーナーです。
チェットのスキャットの特徴など記載してありました。
翻訳のみ掲載しますね。
以下翻訳"はじめに"
それまで私はスキャット・ソロを軽視していたのですが、聴いて驚いたのは、そのリズム、ハーモニー、音色、フレージングがトランペット・ソロと非常に似ていたことです。
彼にとって、表現したい何かが深く内にあり、それを伝える手段は二次的なものだったのではないか、と思い至りました。このことについて、チェット自身も「自分はトランペットを吹く歌手なのか、それとも歌うトランペット奏者なのか、自分でもわからない」と語っています。
チェットの息づかいを感じる独特なトランペットの音色が唯一無二であるように、彼のスキャット・シンギングにも彼ならではの言語があります。彼のスキャットでは、「D」で始まる音節が圧倒的に多く使われています。この本に収められたソロを分析した結果、「D」で始まる音節には24種類ものバリエーションがあることがわかりました。一方で、「B」「E」「Y」で始まる音節はほとんど使われていません。
なぜ「D」の音節にこだわったのか?それは彼がトランペット奏者であることと関係があるのでしょうか?いずれにせよ、チェットはキャリアを通じて一貫して同じスキャットの語彙を使い続けており、それは30年の時を隔てて録音された「Everything Happens To Me」のブリッジ部分を比較しても明らかです。
楽譜が読めず、練習を嫌ったチェットですが、彼は結果として極めて個性的なスキャットの語彙を生み出しました。それは、彼のトランペット・プレイにも通じる控えめでありながら人を惹きつけるスタイルを見事に体現しています。しかし、このスタイルはしばしば議論を呼びました。批評家やリスナーの間でも意見が分かれ、一部の人々は「チェットの歌い方には何もない」と酷評し、ある人は「虚無に甘い言葉を囁かれているようだ」と表現しました。
オーネット・コールマンは、チェットについて「歌えないはずなのに、なぜか心を動かされる歌手を聴いたことがあるかい?」と問いかけました。
技術的な観点からすれば、チェットが「歌える」かどうかは議論の余地があるでしょう。しかし、ウェストコースト・クール・ジャズの観点からすれば、技術よりも「フィール」が重視されるため、彼の抑制された、ほぼ無重力のような表現には強い感情的エネルギーが宿っていたのです。
チェットは、恋に破れた男の悲哀を歌うロマンティックなポップ・シンガーとして1950年代にアイコン的な存在となりましたが、彼はそれ以上の表現者でした。ジャズのもつ温かく、親密で、控えめな側面を見事に表現できる稀有な才能の持ち主でした。彼のスキャット・ソロには、そうした魅力が詰まっており、同時にビバップ・ラインを即興する成熟したコンセプトも感じられます。
以上
私なりのChet愛について
海の向こうのJimさんよ、彼の歌を「ほぼ無重力、しかし感情的エネルギーがやどっている」だなんて、Jimさんよ、なんてポエティックなんだろうかね、あなた素晴らしい😢チェットも素晴らしい、もちろん。
そう、思えば私はドーン!&バーン!的なDIVAみたいな人より、コソコソすんごい音質で歌っている人を覗き込む、聞き入るのが好きだった。だからか。
チェットのソロには手癖口癖ではない、即"作曲"しようとする心を感じるのです。あと手の内でずっとHoldしてるところも好き。
ずっとDでもそのDの具合と配置が素晴らしいんだよな〜🤤
最後に私の一番好きなChet's Solo🎵
読んでくれてありがとう🎵