【雑記】「レンタル〇〇」は、いくつもの”自分”を生きる現代社会のオアシスなのかもしれない
最近、「レンタル〇〇」が自分のなかで熱いです(唐突)。
本当につい先日、Twitterで「レンタルぶさいく」なるものをしている方を見つけ、「こんなサービス(?)あるんだ!」と驚きました。
上記のリンクから辿れるnoteをやっておられ、投稿記事をすべて読んだんですけどどれもおもしろかった。
そもそもこの「レンタルぶさいく」というサービス、提供者的には「合コンの負け役」や「イケメンだと緊張してしまう人向けのデートの相手役」といった用途を想定しているようですね。これが”ぶさいく”の市場価値なのか…。ちなみに今はまだ試行期間のようで代金はいただいていないということなんですが、今後有名になっていくにつれて料金体系がつくられるかもしれません。あと、noteやTwitterでの発信が主のようですが、今後漫画とかそういったコンテンツにも派生していきそう。地のコンテンツ力があるので、これからどのように活躍の幅を広げていくのか楽しみです。
「レンタルぶざいく」の話ばかりしましたが、そもそも「レンタル〇〇」というサービスは一般的にいろいろなものが存在しています。
恋人代行を行う「レンタル彼女/レンタル彼氏」から、パーティや合コンの盛り上げ役を務めたりなんかする「レンタル友達」まで…
会社が運営し、若年層を中心としたアルバイトが「1時間△円」みたいな形で派遣されています。存在を認知している方には結構使われてるみたいですね。
さて、そんな「レンタル〇〇」を僕が知ったきっかけは、『彼女、お借りします』(通称”かのかり”。週刊少年マガジンにて連載中)という漫画でした。
タイトルからもお分かりの通り、「レンタル彼女」を題材にした漫画です。「レンタル彼女」という設定を生かした熱いストーリー展開や、可愛くて個性豊かなヒロインたちが特徴で、アニメも大好評放送中です。この漫画、絵もきれいだしセリフにもパワーがあってすごく面白いのでめちゃくちゃおススメです。
…と、ここまでいくつか「レンタル〇〇」の存在を書いてきたわけなのですが。
それらが個人的になぜ「熱い」のかというと、この「レンタル〇〇」、どうやらサービス提供側が売り文句にしている用途以上に「深い」利用のされ方をしてることも多いみたいなんですね。
例えば、冒頭に紹介した「レンタルぶさいく」。
noteのレポを読んでいると、利用者は社交場にぶさいくを連れて行って引き立て役に使うという感じではなく、自分の寂しさを打ち明けたり、恋愛やセックスにまつわる悩みを打ち明けたりする、というケースが多いようです。
また、「レンタル彼女」についても、恋人として疑似デートを楽しむというだけでなく、自分の仕事や恋愛に関する相談が持ち込まれたりすることも多いとか。「かのかり」の中でも、主人公の和也がレンタル彼女の1人に自分の悩みや葛藤を話す(そのためにお金を払ってデートをする)というシーンが見られたりします。
そのことを知って、意外な使われ方をするんだな、と率直に思いました。
”レンタル”という契約関係であるならば、自分の内面を吐露するようなことを普通するのか?と感じたんです。というか、そういった話こそ「本当の友達」「本当の恋人」とかにするもんじゃないのか、と。
でもちょっと考えてみると、「本当の友達」「本当の恋人」だからこそ話せないことって無限にあるんですよね…。ネットも日々進化してスマホ一つでいろんな人と関係性を結んだりやり取りすることができるようになる中で、人はみんな、それぞれの場所で相応しい〈キャラ〉を演じて過ごしている。どんなに仲がいいと思っている友達でも、「この話では盛り上がれるけど、あの話をするのはちょっと無理かな…」というのがある。でも関係性は失いたくないから、時々ちょっと取り繕ったりなんかして、コミュニケーションを持続させていく。
けれど、「Aという〈キャラ〉としての自分の本音は話せても、Bという〈キャラ〉の自分の本音は話せない」という状態が続いてくると、”Bを分かってくれる他者”を欲してしまうのが現代人というもの。そんなとき、Bという〈キャラ〉を受容し、寄り添って話を聞いてくれる存在が、「レンタル〇〇」なのではないかなと、そう思うんです。
見た感じだと、「レンタル〇〇」を務めてらっしゃる方には顧客に誠実な方が多そうです。それもサービスゆえにだと思うんですが、おそらく顧客の話を聞くことを人生経験として好意的に解釈されてる方も多く、少なくともチャラチャラした遊び人がお金儲けのためにやっているだけ、とはいえなさそう。
縁の始まりはお金を対価としたサービスだけど、その先の関係性はとても温かく人間的。顧客も「サービス」だからこそ気兼ねなく話せるし、「レンタル〇〇」の方も「サービス」だからこそ尽くせる真心があったりするのかもしれません。
とにもかくにも、会社では仕事が出来て部下からも信頼されるビジネスパーソン、プライベートでは性にちょっとだらしなかったり、友達づくりや恋愛にコンプレックスを感じていたり、ネットのコミュニティ内でしか打ち明けられない趣味があったり……そんなたくさんの「自分(=〈キャラ〉)」を生きる現代人のオアシスとして、「レンタル〇〇」はあったりするんじゃないかと思ったりするわけです。
今回はこのへんで。