ASKA 「We Love Music」の歌詞を考える(アルバム Breath of Bless 14曲目)
こんにちは、ジニーです。
前回の更新からずいぶんと時間が空いてしまいました。
しかし、ようやくここまで来ました、アルバム「Breath of Bless」の14曲目。
歌ものとしてはラストの曲です。
早速、曲の背景から簡単に説明していきますね。
■リリース前にライブで披露されるほど、ASKAの想いがシンプルに組み込まれた曲
この「We Love Music」ですが、製作しているときからライブ映えする曲になると感じていたようで、製作中からライブで会場の全員で大合唱しているイメージが浮かんでいたとブログでも書いていたように思います。
そのためかCDでリリースされる前からライブツアー『billboard classics ASKA premium ensemble concert - higher ground -』の核を担う曲として披露されていました。
キャッチーで歌いやすい曲なので、ASKAがイメージした通りの大合唱が各会場では巻き起こっていたいたことと思います。
■なんだか、ASKAの考える「音楽」の概念が垣間見える歌詞だ
歌詞に目を向けてみましょう。
出だしからなんだか素敵な雰囲気をまとう言葉が歌詞として並べられています。
空から届く 贈り物だよ
みんなでそれを抱き合いたい
なんだかすんなり受け取ってしまう歌詞なんですけど、改めて目を向けると面白いことに気づきます。
「空から届く」という言葉。
この曲というか、全般的に音楽って「降り注ぐ」イメージが僕にはあります。
ここに綴られているように、「空から届く」というのがピッタリなんですよね。改めて考えると、これってなぜそういうイメージを持っているんでしょうか?
ふと、それを考えたのです。
昔、CHAGE and ASKAとSTARDUST REVIEWとが一緒に制作しリリースした楽曲「デェラ・シエラ・ム」という楽曲にも、空を伝わる表現がありました。
まるで空にスイッチを入れてるみたいだな
どこかの星に電話を掛けてるみたいだな
僕は窓の手すりに顎を乗せながら
君の声が空を突き抜けるのを見てた
「デェラ・シエラ・ム」
ただこれは電話の電波を例えている歌詞なので、厳密には「音楽」ということではありません。
ただ空気を伝わる振動や波、そこを同じも類としてくくるのであれば、そういったものが空を行き交うというイメージは共通事項として捉えることができるようにも感じます。
たぶん、挙げ連ねていけば、音楽が空から降りそぞぐというイメージを抱かせる歌詞は、他のアーティストの曲も含めて無数にあると思います(これはいつか別のテーマとして調べてみたい)。
自分で疑問提起しておきながら、そのルーツまではうまく見つけられない感じになってしまいましたが、一つ、回答のようなものはあります。
それはかつて、ASKAが「一つの音楽」という意味合いも込めて作った曲、「UNI-VEARSE」。
UNIVEARSEという言葉単体は、宇宙を意味しています。
そして宇宙は「そら」として表現されることもあります。
そう、僕なりにたどり着いた回答とは、音楽が「UNI-VEARSE」であるなら、宇宙が音楽であり、宇宙からこの星に音楽が降り注ぐということも、無意識的に、そして感覚的に受け止めているのではないかということです。
■いやちょっと待てよ、2番はどうなんだ?
ここまで歌詞を考えてきて、音楽が宇宙から降り注ぐようなイメージを持ち始めてきましたが、2番に入ってきて路線変更を余儀なくされました。
北と南を二つに分けた
赤道線に腰掛けて
浮かぶ星を掴んで 放り投げてみる
困った顔した「予言者」「科学者」ここにおいで
そこ(宇宙)に花をさして ハートになろう
明らかに大きな人がいますね。
地球に腰を掛けて、浮かぶ星に手をかけて放り投げてしまうくらい大きな人。
もちろん、こんな大きな人を僕は見たことがありません。
でもそういう「存在」があることは信じてもいいかななんて気も、どこかでしてる。
例えばこの大きな人を「神様」という風に捉えると、受け入れやすくなるし、ロマンも感じられる。
そう考えると、ここに「予言者」や「科学者」を持ってくるのも面白い。
世の中の理を把握しているような人が、捉えている「常識」の範囲を飛び越えている存在に戸惑う様子。
容易に想像できますね。
ASKAは以前にも、科学という言葉を固定概念の代名詞のような使い方をしています。
科学は正しいという迷信の風で育った
「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」
音楽は学問でもあり、そこには科学が息づいていることも確かです。
でも、音楽は頭だけではなく、体中で感覚のすべてで感じることが最初の入り口ではないか、とも感じます。
理論が先に立つ「予言者」「科学者」には、これまでの常識を覆すような衝撃を音楽は持ち合わせているのかもしれません。
そして、神様は、音楽は懐が広いです。
その他もとに彼らを呼び込みハートになろうと誘います。
ここで表現したかったのは、音楽はまず感じ合おうよということ。
一緒に楽しもうよということ。
ではないかと感じます。
そういう音楽をこれからも作っていくという気持ちの表現でもあったと思います。
■歌詞はシンプルに、でも一番言いたいことを伝えている
Oh! Oh! Oh! We Love Music. I know. You know. We know.
Oh! Oh! Oh! We Love Music. I love. You love. We love.
歌詞を考える、なんて言っているので小難しいことをあれやこれやと並べ立てていましたが、この歌詞の前に説明は不要ですね。
僕たちは音楽を愛している。周知の事実です。
そうでなければ、人類の長い歴史の何処かで音楽は潰えていたでしょう。
そして、当たり前のことだけど、とても大事なことなんだと思います。
音楽がFELLOWSとつながりを作ったという意味を考えてみても。
今回の「We Love Music」の制作過程で、ASKAが会場全体で一緒に歌っているイメージを浮かべたのは、そういう感じ合うことの大切さが、この曲の核としてあったからなのかもしれません。
「僕はMUSIC」
「歌になりたい」
歌・音楽と同化してきたASKA。
これは、遠回しに「僕を愛して」ということなのかな(笑)
いつぞやのコンサートのMCでも「愛して」なんて言ってたな。
安心してください。
今でも僕らは「僕たちの音楽を愛するあなた達」ですよ。