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歌詞を考える 『憲兵も王様も居ない城』 ASKA(note Ver.)
こんばんは、ジニーです。
まだnoteの使い方は勉強中なのですが、書くことで慣れていく事もあるかなという考えに基づいて、とりあえず投稿してみることにしました。
というものの、何を書こうかな、となかなかテーマが定まらず。。。
とりあえずまもなくリリースから1年を迎える名盤「Breath of Bless」から自分なりの歌詞の感想を書いてみようかと思います。
チョイスするのは1曲目の「憲兵も王様も居ない城」。
以前gooブログでも考えを書きました。
これはアルバムではなく、配信シングルとしてリリースした直後に書いた記事ですね。
この曲には、CHAGE&ASKAに対する当時のASKAの考えが込められていて、翌月リリースされる「星は何でも知っている」にもそのテーマはつながっています。
リリース当時はそういった想いを汲み取り切れていなかったこともあり、ASKAの音楽への信念と覚悟が歌詞に込められていると当時は解釈しています。
しかし、改めてこの歌詞を読むと、惹きつけられるものがありますね。
中でも心を離さないのが
ひまわりのような笑顔って お日様だけしかわからない
土の中 支えつづけるもの
遺書なら昔に書いてある 何枚書いても隠される
結局答えを「我慢」と言うんだろう
の部分です。
表立って言えなかった心の葛藤をメロディーに乗せてようやく吐露したかのようなパワーがあり、それだけにこの曲のハイライト的な役割も担っていると感じます。
特筆すべきは前の2行と後の2行のコントラスト。
明と暗のように対になったようにも感じる言葉のチョイス。
「ひまわり」「笑顔」「お日様」なんてポジティブな言葉が並ぶ一方で、後を受けるのは「遺書」「隠される」「我慢」などネガティブな要素を含む言葉たちです。
この対比こそが、アーティストであるASKAの表に向ける顔と、裏で悩み続けてきた顔を率直に表しているように感じます。
最近のASKAはこういうありのままの自分を見せる歌詞を書くようになったと感じています。
以前ファンクラブ(TUG of C&A)の会員のみに配られた「Be Free」のデモCDのころから感じていることです。
大げさに言うとASKAの音楽表現の新しい転換だと思いますし、なにか自身のなかでの制限が解除されたのかなと感じています。
Fellowsという存在も大きかったのではないかと感じています。
「分かり合えている者たち」はちゃんと受け止めてくれる、そういった安心感が、これまでとは違う形で自身の気持ちを割とストレートに歌詞に載せられるようになったのではないかと思うのです。
ASKAは時々軽快なメロディーに乗せて不安やプレッシャーを歌にすることがあります。
「ENERGY」や「I'm busy」などがその類だと勝手に考えているのですが、この「憲兵も王様もいない城」はそれに通づるものを感じます。
とても重たいテーマだからこそ、メロディーは軽くして音楽としてのバランスを保っているように感じるのです。
Aメロ、Bメロのポップさがあってこその、サビのシャウトがズシンと胸に響きます。
多くのリスナーを虜にしてきたASKAの音楽理論が満載に詰まった曲ともいえるかもしれません。
個人的に今のASKAを語る代表的な曲だと思います。
だからこそ、いろんな人に聴いてほしい。
今の音楽界にはなかなか無い、読み解くことで真意に気づく(近づく?)という一種の"ミステリーのような面白さ"と、自分自身の境遇に置き換えて共感をバシバシ感じる"疑似体験型の面白さ"のどちらともが混在した奥深さを楽しめるのではないでしょうか?
そして、こんな大曲がアルバムの1曲目なのです。
まだまだ入り口、名盤「Breath of Bless」の懐の広さは、この一歩より無尽蔵な広がりを見せていきます。
時間を見て、順を追ってそのあたりも記事にしていけたらと思います。
今日は、こんなところで、終わりとします。