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Interview by KUVIZM #5 MESS(映像クリエイター)

ビートメイカーのKUVIZMが、アーティスト、ビートメイカー、エンジニア、ライター、MV監督、カメラマン、デザイナー、レーベル関係者にインタビューをする"Interview by KUVIZM"。

第5回は、映像クリエイターとしてLEX氏やJP THE WAVY氏、WILYWNKA氏のMVを手掛けるMESS(メス)さんにお話をうかがいました。

インタビューはZoomにて実施

-出身

KUVIZM:
ご出身はどちらですか?

MESS:
埼玉県川口市生まれ、埼玉県川口市育ちですね

KUVIZM:
お父さんもアート系のお仕事をしているのですか?

MESS:
運送屋で。
HIP HOPはめちゃくちゃ好きで。
お父さんの地元が板橋なんですけど、若いころにラジカセを持って板橋を歩いてたとか言ってました。

KUVIZM:
子どものころから絵はうまかったりしたのですか?

MESS:
子どものころから、絵はうまいキャラでしたね。
3~4歳くらいから描き始めて、仮面ライダーが好きだったので、仮面ライダーの顔だけ描いたりしてましたね。

幼少期の作品

KUVIZM:
学校の美術の授業とかでも、「MESSくんうまいね」みたいなキャラだったんですか?

MESS:
そうでした。

-デザインと映像との出会い

KUVIZM:
映像の世界にはどのように入っていくのですか?

MESS:
映像に興味をもったのは最近の話で。
ちっちゃいときからずっと絵を描くのが好きで描いて。小学生の時に『NARUTO -ナルト-』にはまって。ナルトとか『ドラゴンボール』とかの漫画を描くようになって。
漫画家になろうと思ったんです。
ナルトの世界線の中の謎のオリジナルキャラみたいなのを勝手に考えて、1ページとかの漫画を作るようになったんです。

小学生時代『NARUTO -ナルト-』の単行本のオリジナルキャラクター募集の欄に載った絵

中学生になって割と本格的に道具とかを買って。中2くらいのときにちゃんと完成させて。持ち込みに行ったんです。集英社に。
そしたらジャンプの編集部って、若い子にめっちゃ優しくて。
中2とかだったので、すごい優しくしてくれて。
『バクマン。』の原稿を見せてもらったり。
バクマンの担当の人だったんです。たしか。(漫画の原稿を)見てくれた人が。

編集部の階とかまで行って。
漫画持ち込むときって集英社のビルの1階のエントラントかなんですけど、「来なよ」って言ってもらって。

「うぁーすげーがんばるぞ」って感じだったんですけど。

KUVIZM:
漫画家を本気で目指していた感じですよね。

MESS:
そうですね。中学校の時に職業体験みたいな授業があって。3日間くらい街の働ける場所で職業体験をするみたいのがあったんですけど。
そのときも漫画家になることしか考えていなかったんですけど。
漫画家の裏話みたいなのを見ると、コンビニのバイトをしながら漫画家を目指すみたいな、そういうのを観たことがあったんで、「じゃコンビニにするか」と、なぜかコンビニに職業体験に行って。
漫画家になる過程で苦労する場面の職業体験をしに行ったという。
同級生の中では消防士とか人気だったんですけど、そういう夢のある感じではなく、コンビニ。
中学終わるくらいまでは、漫画家になることしか考えてなかった。

高校生になってから、あんまこう、めっちゃそうやって、籠って漫画を描きまくるというよりは、中学校のときとかより友達と遊ぶようになって。
絵を描く時間より、遊ぶ時間とかが増えて。
高校生のときに仲良くなった5人、10人ぐらいのメンツが、「俺は地元でスケボーやってた」とか、ラッパーとかに憧れてるとか、HIP HOP系、そういう友達が増えて。

そのときに、"HIP HOPの方の絵を描く"というのに興味がわき始めて。
グラフィティアートの絵とか、アメリカンなかわいいキャラクターみたいなああいう絵とか描き始めて。
漫画とか描かずにそういう絵とかめっちゃ描くようになって。

高校生時代の作品

そしたら同年代くらいの友達から「自分でラップをやって、名刺代わりにデモCDを作りたいから、ジャケットの絵を描いてほしい」みたいに言われて。
で、ジャケットの絵を初めて描き。
そこから、ただ絵を描くんじゃなくて、デザインをやってみようってなったんですよね。
そっからジャケットのデザインとかを流れでやっていって。

ジャケットの絵を描くときとか、デザインを考えるときって、曲聴きながらいろいろ想像するんですけど。
その流れで曲を聴きながら想像することが、絵から映像に変わったというか。
曲に合わせて、「MVとか作るならこういう感じがいいな」とか想像するようになって
それで友達のPVを撮ったというのが映像のはじまりですね。

KUVZIM:
映像を始める前にデザインはどのくらい作ったのですか?

MESS:
どんぐらいだろう、、、結構、どんぐらいかわかんないくらいやったと思います。

めっちゃやってたのは。4年間とかですかね。高校2年生くらいのときですかね、最初は。

高校生時代の作品

KUVIZM:
ほとんどがデジタルリリースですか?

MESS:
そうですね。
なんか、その頃はデジタルになるとか、現物になるとか、あんま、どうなるかとか考えずにとりあえず描いてましたね。
曲を聴いて、イメージして描く、絵を描く。描き終わったら、相手にお任せというか。紙だけ渡して。
YouTubeの画像になってる場合もあれば、実際に印刷されてる場合もあれば、とかそういう感じでしたね。

KUVIZM:
当時は紙に描いていたのですか?

MESS:
そのときは、高校生の時は、パソコンとか持ってなかったんで、全部紙に描いて。色とかもコピックとかで自分で塗って。漫画家のノリでした。

クラブイベントでライブペイントをしていた時も

KUVIZM:
デザインはどういう風にインスピレーションがわくんですか?

MESS:
色んな要因から、細かく、別々にインスピレーションがわいて。合体してできるみたいな感じですね。
歌詞の内容的にこうだよねとか、ビートのちょっとした音が何かに聞こえるから、何々っぽいとか。色味的にあったかい曲だったら暖色系とか。

MESS氏の作品

KUVIZM:
僕はアートワークのデザインをやらないから思うけど、大変な作業だと思うんですよね。才能と言ってしまったらそれまでですが。

MESS:
たしかに。けど割とあんまり迷わない感じですね。

なんか多分自分の頭の中で割とそういう細かい順序とかあると思うんですけど。
自分でもそれを追いきれないまま創造しちゃってるみたいな感じがあります。

KUVIZM:
浮かんでくるんですか?

MESS:
そんな感じです。

KUVIZM:
その後、どのようにして映像の道に進むのですか?

MESS:

高校生の時に「ジャケットとか絵を描いて」って頼まれたときに、「絵じゃなくて写真とかでもいいんじゃないかみたいな」のを思って。
そういうの全般をやるデザインを学ぼうと思って、デザインの大学に行ったんですけど。
そのときにMacBookを買いまして。MacBookを買ったってことは映像の編集もできるんじゃないかみたいになって。
「じゃあ、やってみるか」ってなって、高校の時の同級生の友達の曲をiPhoneで撮って、iMovieで編集しました。最初。ロケ地とかも、「The 渋谷」みたいな。

KUVIZM:
その後、カメラとかグレードアップはどのように?

MESS:
iPhoneで撮ったのの次とかに。高校でスケートやってた友達がGoPro持ってて。GoProを借りてまずやってて。

中学校の時の同級生が読モとかをやってて。WEGOっていうお店の、あそこの大元の会社か何かに謎に就職して。チームを運営する側みたいになってて。
大学の2年生くらいの18歳、19歳くらいに、映像とかデザインを友達のとかでやってるときに中学の友達がそんな感じになってて。
その友達から、読モのチームのTシャツかなんかを作りたいから、そのロゴみたいなのを作って欲しいみたいなお願いがきて。
作った時に一応会社からお金が出て。それまでもらってたような額よりは結構多めにいただいて。でも5万くらいとか。
高校を卒業したての人からしたら5万円なんかもらえるんだみたいになってその5万円で一眼レフを買いました。

今思うと、映像とかで使ってる人誰もいないだろうなっていう映像とかに適してないような一眼レフを買いました。

撮影風景

-MV監督としての転機

KUVIZM:
その後、作品だったり、きっかけだったりといった転機はありますか?

WILYWNKA『油断大敵 / NO SLEEP TILL』

MESS:
大きくガラッと変わったのは、ちょうど1年前くらいなんですけど。

WILYWNKAの『油断大敵 / NO SLEEP TILL』ですね。

それまではガラっとじわじわ変わっていくような。ギャラの金額的にも。関わらせてもらうアーティストの規模感みたいなのもじわじわちょっとずつちょっとずつ変わる感じ。

(このMVは)2本立てみたいになってて。2曲分撮ってるんですけど。
予算感的にも自分があつかったことのない、「予算ってこういうことか」みたいな。
それまで、本当に自分たちに入ってくるお金だけもらってるみたいな感じだったので。
この金額を受けて、色々使えるのか、それが予算かみたいな、場所をおさえるとかそういうこともできるのかみたいな。

KUVIZM:
WILYWNKAさんとは個人的にも仲が良くて制作の話になったのですか?

MESS:
MVを作る1年前とか半年前とかに、RepYourSelfのクルーでイベントのときにみんなで仲良くなりました。
SNSとかを交換して、そっからずっと、俺がMV撮ったりしてるのを観ててくれて。「最近めっちゃクオリティ高いし、超かっこいいから、頼みたい」みたいな。出会ってから1年後くらいに直接連絡がきた感じですね。

KUVIZM:
それまで色んなディレクターにMVを撮ってもらっていたと思うんですけど、「あえてMESSさんに頼みたい」という感じですよね。

MESS:
WILYWNKAとしてストリートバイブスへ原点回帰したいタイミングだったみたいで「ゴリゴリすごいHIP HOPのMVにしたいってすごい思ってる」みたいに言ってて。
「そういうMVにしたいと思ったらMESSに頼みたいなって思ったんだよね」みたいな。

めちゃめちゃ初めての予算感とか、諸々ありましたけど。がんばってやって。本当、そこですね転機的には。

KUVIZM:
どのような点が転機だと思いますか?

MESS:
それまで、世間一般的な映像の作り方を知らないまま、街中でラッパーのMVを撮るということしかしていなかったんですけど。
制作会社がいて、プロデューサーがいてという、そういうのも知らないままずっとやってるまま。
自分といつもやってるクルーのカメラマンの2人でやってるまま。
制作会社とか軽めに入れても大丈夫なくらいなな予算をもらってるんだけど、制作会社に頼むみたいなこともそもそも知らないから、制作会社がやるべきところとかも全部自分がやんなきゃいけなもんだと思ってやってて。ロケ地を探してアポ連絡して、予算の割り振りだとか。
大阪行って撮ったり、東京で撮ったり、2日くらいだったんですけど、そいうのの段取りも全部考えなきゃって。
とりあえず、映像をちゃんと作るってこんなに大変なことなんだって痛感しましたね。

KUVIZM:
ビートメイカーでもあるあるなんですけど、ビッグネームと仕事をして、チャンスをものをできるかできないかという分岐点があるんですけど、MESSさんはひとつひとつのチャンスをものにしたわけですよね。
JP THE WAVYさんとの一緒にやるきっかけはどのタイミングですか?

MESS:
WAVYさんは、別の流れで知り合っていたんですけど、『WAVY TV』っていう(WAVYくんの)日常を出しちゃうよみたいなのをやりたいってなったときに、共通の友達経由で「MESS良いんじゃない?」ってなって。
WAVY TVをやりますってなったのが1年前くらいなんですかね、多分。

監督みたいなことはそんなしてないんですけど、WAVYくんちにいって、彼女のNIINAちゃんとか、共通の友達とか含めて、うわこれおもろいね、はっはっはーみたいな、オフショットをつないで作るみたいな。

そこでちょくちょくやってたんですけど、途中でやんなくなったんですけど。

WAVY TVをやってる期間に、「TOKYO DRIFT」のやつ。あれも「今日中に編集しないといけないんだけどできる?お願いできないかな?」っていうのでやりましたね。

JP THE WAVY TOKYO DRIFT FREESTYLE 🇯🇵🌊

KUVIZM:
あのビデオいいですよね。

MESS:
あれマジでいいですよね。
結構アレ、マジ、超リアルコロナMVって感じで。
WAVYくんたちがiPhoneの自撮りで録った映像が送られてきて、「いい感じに頼むわ」って(笑)リアルリモートMVですね。
元からあの曲を、本人も好きだったみたいで、相当気合入れてて。

その後、WAVY TVをやらなくってから関わりがなくなってたんですけど、LEXのMVを撮ってる流れから、『なんでも言っちゃって』を撮るときに久しぶりに会って。
で、なんか、「めっちゃええやん」みたいになってくれて、『WAVEBODY』のMVを頼んでくれた感じです。

LEX『なんでも言っちゃって (feat. JP THE WAVY)』

KUVIZM:
お世辞抜きに2021年にバズった日本のHIP HOPのMVにほとんどMESSさんが関わってる感じですよね。

MESS:
2021後半、ありがたいことに。
結局、自分的には曲のおかげだと思ってます。

KUVIZM:
謙虚ですね。でも、やっぱりビジュアルって大事ですよね。
MESSさんの存在がなければって思いますけどね。
シーンのど真ん中いる意識や、感じるものってありますか

MESS:
あんまり感じなかったんですけど、今まで。こないだLEXのワンマンに呼んでもらって。ライブ観たら急に感じちゃいました。
「すごい人のMV撮ってるんだ」って思っちゃいました。スター過ぎて。
最近コロナでこんなイベントとかもいかないですし。
普通によく会う友達、地元の友達とかとしか会ってなかったんで。
直接反響とかを観たり聞いたりする機会があんまなくて。再生回数とかすごいことになってるけど、「よかったね」くらいみたいな感じで。
なるべくそういうところはあんまり気にしないようにしてたり。
あくまで曲のことを考えて、曲を良いように楽しく聴ける映像を作れたかどうかだけを考えて。納品したら、「知らん」みたいな、「もうノータッチ」ってしてます。

自分としては、想像したことを企画書にまとめて、制作会社の人に投げれば、それに沿ったロケ地をみんなが探してくれて、スケジュールとかの段取りをしてくれて、いいカメラマンさんが想像を超える絵を撮ってくれて、楽しさしかないんで。

JP THE WAVY『WAVEBODY (Remix) feat. OZworld, LEX & ¥ellow Bucks』

KUVIZM:
WAVEBODYはLEDが印象的ですが、どのように作っていったのですか?

MESS:
WAVYくん側のアイデアと俺のアイデアが混ざってるっちゃ混ざってて。
俺的には「みんなキャラ濃いから、色分けしたいみたいな、これは絶対やりたいです」みたいのがあって。
WAVYくん側的には「子どもを出したい」みたいな。
その意見は別々であって。
最初のミーティングで「2000年代チックなギラついたイケイケな、こういう感じだよね、こうだったらこうだよね」みたいなお互いの同意の意見で話して作っていきましたね。

KUVIZM:
今の制作体制は、イメージ的にMESSというアーティストというか映像クリエイターがいて、カメラなどのそれぞれのプロフェッショナルが手となり足となり具現化していくみたいな感じなんですかね?

MESS:
そうですね。あと、ポッとそういう人から出るアイデアとかを取り入れるようにしてます。
制作会社の人は、映像を作るうえでの基礎とか経験とか、俺なんか足元に及ばないくらいあるんで頼ってます。

KUVIZM:
今も編集はMESSさんが?

MESS:
全然やってます。

KUVIZM:
監督と編集に専念できてる感じですか?

MESS:
完全にそうです。
何もストレスもない最高の環境です。

KUVIZM:
やはり最近は多忙ですか?

MESS:
いやそんなこともないと思いますね。
先月(2021年11月)結構忙しかったんですけど、それでも全然寝れないみたいのはないですし、普通に寝て、食事をしての上での忙しさだったんで。
全然ちょうどいい。精神がやんだりしないような忙しさだと思います。

KUVIZM:
MV制作はどのような流れで進めていくのですか?

MESS:
まず曲があって。クライアント側、相手とブレストみたいなのをして。
例えば『なんでも言っちゃって』とかだったら、LEX本人が「めちゃくちゃショッピングにハマってる」みたいな話があって、「そういうのMVに入れられたらいいかも」みたいなアイデアをむこうからもらったりとか。
逆に俺がその時点で軽く曲を聴いて、「こういうイメージでした」みたいのがあればその時点で言ったりして。
おおかたの方向性みたいな「こういう系でいこう」みたいなのをやんわり決めて、そこから1週間とかで企画書を俺が作って。なんかもっとより具体的にこういう場所で撮りたいとか、魚眼レンズとかめっちゃ使いたいですとかまとめたりして。
そこから1週間とかで制作会社の人かロケ地とか準備するものを準備してくれて。
撮影日に撮影して、そこから1、2週間くらいで編集と修正をして完成という感じですね。

KUVIZM:
やりとりはアーティストとダイレクトに?

MESS:
それも相手によるかもしれないですね。
あんまないんですけど、アーティストと直接全然連絡を取らないみたいな場合もなくはないですし。
ある程度、いろいろアーティストと直接連絡とっちゃう場合もありますし、業務連絡みたいなのはマネージャーさんとかと全部やって、顔合わせるタイミングとかミーティングのときだけアーティスト本人が出てくるみたいなパターンの、そういう感じが一番多いですかね。

KUVIZM:
打ち合わせはどのようにやるのですか?

MESS:
Zoom系が多いですね。

-MV制作で大事にしていること

KUVIZM:
MESSさんってお人柄が素敵だなと思うんですよ。話しやすかったり、適度な距離感づくりだったり、現場の空気感づくりだったり。映像クリエイターで重要な能力というか、素質だと思うんですけど。

MESS:
たしかに同じようなことを言ってもらえるようなことがあって、「たしかにな」と思ったことがありました。
日ごろから、「そういう人になろう」みたいな意識をしているわけではないんすけど、でも、シンプルにどんな仕事にしてもそうですけど、なんか、あんまいっしょに仕事をしたくないなって思われたくはないなって思ってます。

シンプルに、俺は今のところ、例えばめっちゃでかい映画を撮って、映画監督として大成するんだみたいなそういう目標をもってるわけではなく、スタート地点から今まで、かっこいいMVを撮りたいということだけ思って、”最初の1本目を撮った時点で夢はかなっている”というか。

ずっとhiphopが好きでやってるので、むこう(アーティスト側)からしても距離を感じないというか。仲間意識みたいなものを持ったうえで接っせられるのかなと思います。

KUVIZM:
制作に対して大事にしていることやこだわりはありますか?

MESS:
結構意識してるのは、”そのMVをひとことで言えるかどうか”というか。
なんか、友達とかと「昨日のあのMV観た?」という会話になった時に、「なんとかのやつね」とか、「なんとか」っていうひとことで超曖昧な言葉でもいいけど、言えるかどうかみたいのを考えるようにしています。

自分が普通に友達と話してるときに、「あのMV観た?」みたいに言われて話すときに、どれだって想像したときに全部同じようなMVで。「なんとかのやつね?」「えっあのなんとかのやつ?」ってひとことで言えない場面に遭遇して、すごいつらかった思い出があって。
そうならないように作ろうと思ってます。

-今後について

KUVIZM:
今後挑戦したいことや、やりたいことはありますか?

MESS:
最近までずっと無かったんですけど。というか、かなっちゃってたというか。
最近、木村太一さんの編集アシスタントみたいなことをちょくちょくやらせてもらってて、それが大体ドキュメンタリー映像だったんですけど、それがめちゃくちゃ面白くて。

1番最初、編集したときは、全然できなくて。本当に(それまで)HIP HOPのMVしか作ってなかったんで。映像を作ってるとは言っても。
そういう、他の映像の作り方を全然知らなかったんですけど。

自分が今までやってMVとかだと、曲というベースが、タイムラインがあって。
そこに何をのせていくかしか考えてなかったんですけど。
ベースを(自分が)作るっていうのをはじめてやって、ベースを作るっていうのが最初できなくて。やったことがなくて。

で、やってみたときに、「編集ってこういうことか」「映像を作るっていうのはこういうことだったのか」「こんなに広かったのか」みたいなのをすごい思って。そういうの面白いなと思ったのと。

ドキュメンタリーを編集してみたりとか、最近、だいぶメジャーなHIP HOPの人のMVとかを撮ってて思ったのは、(撮影現場に入る前に)いろいろ事前に決めておかなきゃいけなくて
。「こういうの撮りたいから、こういう動きをしてほしい」とか、作りこんで行くとかというのがあって。
それはそれで楽しいんですけど、元々こう街中で友達のラッパーのMVを撮ってた時は
もっとドキュメンタリーぽかったなと思って。
今思い返すと、(撮影現場で)そんときの自分が「こういうの撮りたい」「こういう場面が撮りたい」「こういうの撮れたらみんなでめっちゃ盛り上がった」とか、そういうの思い返すと基準がドキュメンタリーだったなと思って。

そのへんが繋がってって、次の目標的にはドキュメンタリー映像を作りたいって言うのがあります。たぶん自分的にはあんまりそういう(事前に)作りこむ系がめっちゃ得意ってわけじゃないんだと思うんですよね。

この先、もっと予算とか増えてやらせてもらえるにしても、「こういうセットで撮りたい」とかじゃなくて、密着した”距離感のない映像”というか、その場の空気感とかが伝わる映像を作りたいなと思って。今はとりあえず、10分15分とかの誰かのドキュメンタリー映像とかを作りたいですね。

KUVIZM:
木村太一さんとは今年出会ったのですか?

MESS:
出会い自体は結構前に、1回太一さんが監督してた映像のエキストラとして呼んでもらって会って。
仕事関係でちゃんと会ったのは、今年の日本にくるタイミングで。
太一さんが6本くらいドキュメンタリーを一気に作らなきゃいけない時期があって。
泊りはしなかったですけど、毎日言って合宿みたいにやってました。

KUVIZM:
HIP HOP以外のMVもやりたいとかはありますか?

MESS:
やりたいっちゃやりたいんですよね。
今月とか先月とかも(依頼が)きたっちゃきたんですけど、未開拓過ぎて。
HIP HOPのMVで忙しい時にできないなって思っちゃって。
自分的にも準備したいとか、心の準備みたいな。全然そういうMV知らないから、そういう勉強しつつ、来年はそういうのをやりたいという気持ちはありますね。

KUVIZM:
2022年こういう年にしたいとかありますか?

MESS:
友達の紹介みたいのが続いて(MV制作を)やってきたのがありましたけど、そういうのとは別のMVとか、ドキュメンタリー映像とかもやりたいですね。

KUVIZM:
普段からMVはたくさん見ますか?

MESS:
あんま観ないですね。
太一さんとか、好きな監督のは観ますけど。
普段から勉強みたいな感じで、幅広く見たりというのはあんまりしないですね。

KUVIZM:
気分転換はどのようにしていますか?

MESS:
休みの日とか寝ちゃうんですよね、ずっと。

KUVIZM:
疲れてる?

MESS:
なんなんですかね。あんまり疲れている感覚もないんですけど。
とりあえずめっちゃ寝ちゃうんですよね。
最近あんま遊んだりもしないし。

KUVIZM:
おいしいもの食べたりは?

MESS:
食ってますね。リフレッシュ方法として寝るか食べるかですね。
こだわっていくというよりはジャンクフード系のところを地元とかで。
地元のラーメン屋を制覇しようとか、そっち系ですかね。

あ、来年の抱負決めました今。
ちゃんと朝早く起きて、で、午前中からイケイケに仕事をして、夕方6時くらいにはしっかり仕事を終わらせて、その後に誰かと素敵なご飯を食べる。

KUVIZM:
結構最近夜型ですか?

MESS:
ぐちゃぐちゃですね。
作業集中する時間と。あと納期の余裕があるとかあると寝ちゃうっていう。
まぁぐちゃぐちゃな感じですね。

KUVIZM:
来年は規則正しく?

MESS:
規則正しくして。ちゃんと始業時間と退勤時間を決めたいですね。
昼間だらだらしちゃって、夜やんなくちゃってなって普通の会社勤めしてる友達と遊べないみたいなことになっちゃってるんで。
そこをちゃんと夜遊べるようにしたいです。それが目標、来年。

KUVIZM:
インタビューは以上となります。ありがとうございました。

MESS:
ありがとうございました。

記事チェック協力:奈良順太

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