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キャリコンとしての進路選択:やはり自己理解が大事!

前提:
「キャリアコンサルタントとは、職業能力開発促進法に基づき、労働者や求職者に対して職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門家」

厚生労働省HPより

この記事を開いて頂いた皆さんの中には、
「キャリアコンサルタントは食えない資格」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?私は、養成講座受講中に聞いてショックを受けました…(*_*)

令和6年7月時点のキャリアコンサルタント名簿登録済みの国家資格キャリアコンサルタントは、75,109名です。
10年前の平成28年度は25,518名のため、この10年で全国で5万人増えています。
(出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント登録者数(累計)」)

年々登録者数は増えていますが、令和4年度に独立行政法人労働政策研究・研修機構において実施された「キャリアコンサルタントの活動状況調査(第2回)」 によると、キャリアコンサルタントとして登録している者のうち、 活動していない者が 29.7%と3割近い数字になっています。

それでも、今の私はこの資格に出会って良かったと思っています。
自分の価値観に基づいた仕事に出会うことができ、生活習慣の改善からメンタルや体調が安定し、余暇時間が増えたことで副業にもチャレンジできているからです。
今回は、資格取得後の進路選択の方法・基準にフォーカスして考えをまとめます。


▪️キャリアコンサルタントの4つの活動フィールド

一般的にキャリアコンサルタントの活動領域としては、主に以下の4つが挙げられます。(活動している人の中での割合は、厚生労働省「キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会報告書」令和5年12月発信資料より)

①学校教育領域(活動している人の中で割合20.6%)

・キャリアセンター(大学・高校):学生の進路相談、就職支援、エントリーシート・履歴書添削、面接対策、インターンシップの支援・調整など
・職業訓練校・専門学校:受講生の就職相談・キャリア指導、社会人向けのリスキリング支援
・学校教員向けキャリア支援:高校・大学の先生向けのキャリア研修、生徒のキャリア教育カリキュラム作成

最近は、小学生・中学生に向けたキャリア教育も盛んで、一緒に養成講座に通っていた仲間の1人は、キャリアナビゲーターとして小学校でキャリア教育カリキュラムを担当しています。

②企業領域(活動している人の中で割合41.7%)

・企業内キャリアコンサルタント:社員のキャリア相談・キャリア開発支援、リスキリングや社内研修の企画・運営、メンタルヘルス支援や職場定着支援、管理職向けのキャリア支援・リーダー育成
・人材開発・研修業務:企業向けのキャリア研修やコーチング、若手社員のキャリア教育、キャリアデザイン研修、ダイバーシティ推進・女性活躍支援
・採用・人事労務業務:採用担当として適性検査や面接を実施、社員のキャリアチェンジ(異動・配置転換)のサポート

現在の仕事柄、企業の人事労務担当者にお会いすることが多いのですが、名刺に「国家資格キャリアコンサルタント」とあり、話が盛り上がることがあります。
私の副業はこの企業領域に近い仕事です。社外キャリアコンサルタントとして、企業に勤める方に対する面談をオンラインで行っています。また、ストレスチェック実施後の事務作業のお手伝いをしています。今後はこの領域での活動幅を広げていきたいと考えています!

③需給調整機関領域(活動している人の中で割合20.5%)

・ハローワーク・ジョブカフェ:失業者・転職希望者の就職相談、職業訓練の相談・マッチング支援
・転職エージェント:求職者と企業のマッチング(無料で転職相談に乗り、求人紹介)、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、転職活動の進捗管理、年収交渉の代行、企業の採用支援(求人広告作成・人材紹介)
・人材派遣会社:派遣社員のキャリア相談・仕事紹介、派遣スタッフの就業サポート・契約管理、スキルアップ研修やキャリア支援、派遣先企業との調整・フォローアップ

仕事柄、ハローワークの職員の皆様には大変お世話になっております!養成講座の同期でもハローワークで働いており、専門知識・技術を深めたいと資格取得をされた方がいらっしゃいました。

④地域/福祉領域(活動している人の中で割合10.7%)

・障害者・高齢者・女性の就労支援:障害者就労支援施設でのキャリア相談、シニア向けの再就職支援、シングルマザー・女性向けのキャリア支援
・生活困窮者・引きこもり支援:若者自立支援センターでのキャリア相談、生活困窮者向けの職業支援プログラム

私は現在、この福祉領域の中の障害者向け就労移行支援事業所で勤務しています。

その他

上記4領域に加え、養成講座の講師や、セミナー開催、受講生支援などフリーランスとして活動している人も多くいらっしゃいます。

▪️私の進路選択の方法・基準

私は上記の中で「地域/福祉」の分野を本業として選択し、障害者の方の自己理解や職業選択、病気や障害と仕事を両立するためのサポート、就労後の定着支援に携わっています。この選択をする際に以下の4点を軸に考え、取り組みました。

①Will (Be)/Can/Mustを整理する

養成講座の中では自分の過去を振り返り他人に話すことを繰り返し行いました。また、ジョブカードやライフラインチャート、比較評価表などを活用して自分の考えや気持ちを書き出しました。(ツールの紹介は別記事にまとめる予定)
そして以下のようにWill/Can/Mustとして整理しました。

Will:メンタルヘルスを未然に防ぎたい。個人支援だけでなく、企業・環境に働きかけることで健やかに働くことができる土台作りをしたい。個人が活き活きと働くことで企業の利益に繋げたい。

Can:マネジメント経験があり、人・時間・タスクの管理が得意。評価面談や社内研修、人材配置などを通して人材育成の経験がある。海外生活、転勤経験があり、環境適応力が高め。英語のリーディング、ライティングが得意。

Must:キャリアカウンセリングの経験ゼロ。BtoBの経験がない。前職以外の業界知識がない。マネジメント経験はあるが、一職種の専門性が乏しい。
(社会や会社から求められることを書くことが多いですが、この時はWill達成のために自分に足りない事という意味で書きました)

②誰に対して?どのように?

書き出したWill/Can/Mustを前提として以下について考えました。
・個人に対する支援なのか、企業など組織に対する支援なのか?
・長期的な関わりか、短期的な関わりか?
・カウンセリングを中心とした関わりか、研修など全体に向けた関わりか?
・メンタルヘルスを主軸とするのか、能力開発を主軸とするのか?

③経験者に聞く

②について考えているときに、養成講座で出会った仲間に相談する機会がありました。彼は、企業向けに能力開発や組織マネジメントの研修を行う企業で働いている方だったので、色々実情を教えてくれました。企業・組織向けであること、個人の長期的な変化を感じづらいことから、私の想いとは若干ズレがあるとアドバイスをくれました。このアドバイスは迷っていた中で、意思決定を進めてくれたものでした。

④選考の過程で現場見学を相談する

・個人を中心とした企業・組織支援
・長期的に「その人の働く」に関わることができること
・カウンセリングの経験とメンタルヘルスの知識を磨きたい
・キャリアコンサルタントとして専門性を身に付けたい
・少しずつBtoBの経験を積みたい

上記のように考え、障害者就労移行支援事業所に応募しました。ただ、全く未知の業界であるため、ネットから得られる情報だけでは不安で、仮で意思決定した内容を確認すべく、選考中に人事担当者へ現場見学の相談をしました。快く受け入れてくださり、働く人の想いや環境、業務内容について理解が深まったため、一歩踏み出すことを決めました。

まとめ

まとめてみると国家資格キャリアコンサルタント養成講座で学んだことを自分の進路選択に置き換えて色々試した結果、今があるのだなと思いました。この資格に出会えて本当に良かったです!とは言え、副業に関しては今も模索中ですし、キャリアは終わりのないものだな〜と常々思います。
今回は、資格取得後の進路に悩む方の参考になればと思いまとめてみました。
ツールや障害者雇用の実態などもっと深掘りしたいことがあるので、興味のある方は、引き続き読んでいただけると嬉しいです!
ここまで読んでくださりありがとうございました!


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