「彼女のこんだて帖」を読んで

映画の感想はTwitterに書くも意外と140文字以内に収めるのが難しい。
となれば下書きばかりで埋もれてしまっているブログ…noteってブログなのか曖昧だけど書いていく。

あらすじ
短編小説構成で前回の内容を少しずつ引用。
内容としては全部ご飯、食事とは。
生きていく上で必要な食事にスポットライトをあて各々の恋愛だったり母親の味とはを追求していく。

短編小説は小説復帰組には大変読みやすく楽しめた、というか涙ぐんだ。
小学生の頃から小説は好きで話題になったものは読んでいたけど、いつの間にか読まなくなった。

嗜好が映画やドラマに移ってしまったのかなぁ。
電車の中で読むことが減ったし電車通勤じゃなくなって機会が減ったことも大きい。

その中でも1番好きだった「11回目の献立」
亡くなった妻の味を探すべく料理教室に通うもなかなか思い出せず、ふとした瞬間に蘇った料理は妻いわく手抜き料理だった。
豚、卵、ごぼう、クレソンの煮た”何か”だった。作り終え、亡き妻とワンちゃんを思い出しお供えするという内容だった。

あとがきには著者自身の「母親の味」について書かれておりこれが身に染みた。

私の母は手料理が美味しく外食しても家の方が美味しいと思うほど。祖母も上手でお盆やお正月に食べるチラシ寿司やお漬物も林檎入りのポテトサラダも鱈の甘く煮たよく分からないアレも全部記憶に残っている。

祖母が亡くなったのは私が高校生の時だったが意外と食べ物の味の記憶は残っているものだ。

母は生前祖母にレシピを聞いたけど秘密だからということで何も受け継いでいないのが悲しかったみたいで、
今の私の為にレシピノートを暇があれば書いているそう。

なのに母の味が上手くできずレシピを聞こうものなら「適量」と返ってくる。
そのレシピノートって本当に分量書いてるの?

幸いに私も料理は好きなので作ることは苦痛と感じこともない。むしろ楽しいくらいだ。血を受け継いだのかな。

一人暮らしになり実家に帰ると当たり前のように私の好きな物で溢れた食卓の光景をあと何回見れるのか、母の美味しい手料理が何回食べられるのだろう?

そう考えさせられる小説だった。

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