地震時での床面内せん断の検討
1.床面内せん断力
下の図を参照下さい。X加力の地震時での検討です。RC架構の想定です。
EW(耐震壁)は大きな地震力を負担するので、床面を介してせん断力が移行してきます。これが床面内せん断力です。
2.床面内せん断力の力の流れの向き
力の流れとしては、2FはY1,Y3通りにEW(耐震壁)があるので、RF床面にEWに向かって赤矢印の方向に面内せん断力が生じます。
逆に1FはY2通りにEWがあるので、2F床面にRFとは逆向きに面内せん断力が生じます。
3.床面内せん断力Qの算定
床面内せん断力Qの算出方法です。
剛床で解析した応力解析結果での各通りせん断力Q(1)・・・(1)
当該階の各通りの重量×震度+その通りの上階のせん断力Q(2)・・・(2)
床面内せん断力Q=(1)-(2)
(2)で上階のせん断力を加えていますが、上階のせん断力は移動しないでそのまま下階におりてきます。
下の通りから順にΣQ(1)、ΣQ(2)を算定していき、その差分から、床面内せん断力の向きが決まってきます。
4.検定
床面内せん断力Q≦スラブのせん断耐力、を確認します。
注意点ですが、剛床が成り立つ場合でのスラブの耐力検討です。
体育館など大スパンの屋根ブレースの検討は、剛床が成り立たないので、検討方法が異なりますのでご注意ください。