「東山魁夷」 MARUZEN日本橋店 * 夢中で見ていて閉店時間
小学6年の時に、初めて知った東山魁夷。担任の選考が美術だったこともあり班に分かれて小さい美術館(展示ブース)を作ることに。その時母に、展示するといいよと差し出されたのが、東山魁夷の画集だった。
小学生の頃、すごく繊細だと思った
小さな村の公立小学校に通っていた私は、水彩絵の具以外の作品をよく知らなかった。日本画とか油彩画とか、手に触れたこともない。
絵画をみて、なんて繊細なタッチなんだろうと思った。優しい。非常に柔らかい。大きくなって画材の高価さに日本画を描くことは断念したが、本当に気持ちが落ち着く。
ちなみに当時の私の将来の夢は、
「アフリカの赤土と子供達の笑顔を絵に描くこと」だ。世界を飛び回るようなハツラツとした自分を想像していた。(赤土は当時の想像)
友達もいないような地味な小学生だったので、大人になった自分がそんなだったらいいなと思っていたのかもしれない。いまだにポジティブな人間にはなれていないし、絵を描くために世界も旅していない。
中学高校で、その夢は、動物のお医者さんにかわり、挫折もあって大学でデザインを選考することになった。
デジタルの世界ばかり...絵画はほっとする
大学では油彩画、映像やデザインを学んでいた。色々あってデザイナーをしている。画集のことはすっかり忘れていた。
なぜ母が東山魁夷の画集を持っていたのかと言うと、独身看護師時代に病院でたまたま勧められて、好きだから買ったと聞いた。やはり高価だったらしいが、しっかりした職についていてお金もあったのだろう。
私の絵を描く理由は、「自分の解放」だ。
私の性格は、わがままなくせに、人には言えず我慢する方なので、どこかでガス抜きをしなければ生きていけない。何も求められずに好きなものを描く。これによって自分の中に貯めた何かを解放できる気がしている。今は、人のためを思って描くことはしないので、仕事にはできなさそうだ。
今年は、創作活動を再開しようと思っていたので、とてもいい出会いができたと思う。