#216 VUCAの時代に必要なのは「全員リーダー」の組織(と言うけれど…)
VUCAの時代は正解がない、あってもすぐに変わるかもしれない、と言われます。そんな時代に必要な管理職、リーダーってどんなだろう?と考えていたら思わぬところでヒントを見つけたのでメモ。
1、Amazonの求める人物像
そうです。Amazonの求める人物像です。
Amazonでリーダーに関する本を探そうかな、と思って検索したら、以下のような検索結果が。
開いてみると、「Amazonでは、全員がリーダーです。」と。
どうやらAmazonの求人のページのようです。
以下そのまま引用します。
求める人物像
Amazonでは、全員がリーダーです。
Amazonには世界で共通の「Our Leadership Principles」という14項目からなる信条があります。 それは、チームを持つマネージャーであるかどうかにかかわらず、Amazonでは、全員がリーダーであるという考え方のもとで、社員一人ひとりが、全ての日々の活動において、常にこの「Our Leadership Principles」に従って行動するよう心がけています。
そして、「Our Leadership Principles」14項目が並んでいます。そのまま引用すると多いので、私が要約したものを添えさせていただきます。ご興味があればぜひリンク先でご確認ください。
Customer Obsession
リーダーはお客様を起点に考え行動します。
Ownership
リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。
Invent and Simplify
リーダーはチームに革新と創造を求め、同時に常にシンプルな方法を模索します。
Are Right, A Lot
リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。 Learn and Be Curious
リーダーは常に学び、自分自身を向上させ続けます。
Hire and Develop the Best
リーダーはすべての採用や昇進における、評価の基準を引き上げ、リーダー自身が他のリーダーを育成します。
Insist on the Highest Standards
リーダーは常に高い水準を追求することにこだわります。
Think Big
リーダーはお客様のために従来と異なる新しい視点を持ち、あらゆる可能性を模索します。
Bias for Action
大がかりな検討ではなく、計算した上でリスクを取ることに価値があります。 Frugality
私たちはより少ないリソースでより多くのことを実現します。
Earn Trust
リーダーは注意深く耳を傾け、率直に話し、相手に対し敬意をもって接します。
Dive Deep
リーダーは常にすべての業務に気を配り、詳細な点についても把握します。
Have Backbone; Disagree and Commit
リーダーは同意できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。
Deliver Results
リーダーはたとえ困難なことがあっても、立ち向かい、決して妥協しません。
2、「全員がリーダー」という組織
「全員がリーダー」ですから、「リーダーは」というところは、「全従業員は」ということになります。
VUCAの時代、「全員がリーダー」に似た話は多くの企業でも語られています。
☑️ 管理職は、自分が指示を出すのではなく、チームメンバーの力をいかに引き出し、それを支援するか、という役割を担うべし
☑️ 管理職でない人たちも、どんどんと意見を言い、提案を行う、そしてそれを主体性を持って実現していく、という役割を担うべし
年頭の挨拶で「全員がリーダーとなってこの厳しい時期を乗り越えましょう!」と経営者が述べた企業は多くあったことでしょう。
しかし、Amazonのように、「求める人物像」としてこれだけのものを外部に出すことまでやる、という覚悟の違いはものすごく大きいものがあると思います。
そこまでやって、初めて「全員リーダー」という企業文化が芽吹くのでしょう。
(まだ「芽吹く」だけです。継続し続けないと定着は無理です。)
3、まとめ
ほとんどAmazonのHPの転載になってしましましたが、いかがでしたでしょうか?
VUCAのような正解がない時代には、確かに「全員がリーダー」の組織が望ましいと思います。
一方で、それを唱えるだけでは、実現は難しいでしょう。
☑️ 評価はどうするのか?
☑️ 業務の割り振りはどうするのか?
☑️ 提案を行なっても決裁権を持つ人間からNoと言われたらどうするのか?
ちょっと考えただけでも、「全員がリーダー」という組織を実現するためには、解決しなければならない多くの課題があります。
でも、VUCAの時代には、「全員がリーダー」が可能となる組織、企業文化を本気で醸成しないと生き残っていけない、ということなのだと思います。
ジョブ型雇用もそうですが、パーツだけ取り入れても、全体を変えなければ、過去の多くのことと同様、「そういえばそんな話あったね」ということになるでしょう。
その時、まだ、振り返ることができれば、ですが…
最後までお読みいただきありがとうございました。
どこか参考になるところがあれば嬉しいです。