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#323 データで見る「働く」に対する日本人の価値観の「激変」
ワーカーホリックなんて呼ばれた日本人の「働く」に対する価値観がだいぶ変わってることが分かる調査結果を見て、メモ。
1、どんな調査?
電通総研が今年3月に公表した『第7回「世界価値観調査」レポート』という、電通総研と同志社大学とで行った調査の結果をまとめたレポートです。
世界価値観調査は、個人を対象に価値観を聞くもので、その設問の範囲は政治観、経済観、労働観、教育観、宗教観、家族観など290項目に及びます。同調査は1981年に開始され、電通総研は第2回調査(1990年)から参画しており、今回で7回目となりました。
さまざまな項目についてアンケートを行っていてそれぞれ興味深いのですが、今回は、「働く」に対する価値観についてご紹介します。
2、「働く」ことは大切ではない?
ちょっと設問自体が変わっている(個人の感想です)のですが、「働くことがあまり大切でなくなる」という質問がありまして、その回答の選択肢が「良いこと」「気にしない」「悪いこと」の3つです。
みなさまでしたら、どれを選びますか?
さて、この調査の結果では、以下の通り。
2010年まではそう大きな変化はなかったのですが、2019年は、「良いこと」「気にしない」がそれぞれほぼ倍に増えています。
なにがここまでの変化を起こしたのでしょう?
年代別に見ると、以下の通りで、特に39歳以下の層で「働くことが大切でなくなる」ことに「良いこと」「気にしない」の合計が半数を大きく超えています。
この世代が今後の日本の中心になりますから、新しい日本像が生まれそうです。
ちなみに、世界ではどうなのでしょうか?
同じ質問に「良いこと」と答えた割合で日本は、77ヵ国中74位とまだまだ低い、ですね。
もう1つ、「働く」に対する価値観で他の国々と比較で特徴的だったものをご紹介します。
それは、「たとえ余暇時間が減っても常に仕事を第一に考えるべきだ」に「強く反対」「反対」の合計で、日本が2位となっていることです。
年代別のデータはレポートにはないのですが、こういった質問で日本が2位、というのは個人的には驚きました。単に私の認識が古いだけで、今の世の中に追いついていないのでしょうけど…
すでにだいぶ日本の価値観って変わっているんですね。
3、まとめ(所感)
いかがでしたでしょうか?
この調査は他にも様々な項目がありますので一度見てみると面白いと思います。
「働く」ことが大切でなくなる、と、会社名から自己紹介が始まってしまうような、昭和な世代は、恐怖を覚えるかもしれませんね。
でも、最近の世の中の流れからすれば、会社も「昭和な世代」を抱えきれなくなって「溶けていく」時代ですから、それを、個々人のレベルで表現すると、「働くことが大切ではなくなる」時代なんでしょうね。
「働くことは大切ではない」
…なにが大切?
最後までお読みいただきありがとうございました。
調査レポートの紹介でしたが、何か参考になるところがあれば嬉しいです。
「会社が溶けていく」というのは以下で投稿しています。