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#455 Z世代が企業の生死を分ける? 〜「倍速ニッポン」を読んで〜

日経新聞に掲載された「倍速ニッポン」という特集記事を読んで思ったことを、メモ。


1、どんな記事?

9月13日、14日、16日の日経新聞朝刊1面に3回に渡って掲載された記事で、題名と概要はそれぞれ以下の通り。

☑️ 時間争奪戦、企業も揺らす 〜「ダイパ」重視、楽曲イントロ半減〜
 昭和・平成と比べると21年のヒット曲はイントロが半減していること、1曲あたりの長さも短くなっていること、ドラマも1.25倍速で見ることなどを紹介、「デジタル化でコンテンツ入手のコストや手間が急減し、その瞬間の興味でスイッチしている」。
 加えて、リアルでも店舗に出向く時間が勿体無い、家事の時間が勿体無い、と言うニーズに応えるため宅配や時短を謳った商品が売れている。

☑️ Z世代、最速で学びたい 〜情報の耐えられない薄さ〜
 大学のオンライン授業も1.5倍速で聞き、会社も成長を重視して転職。「60%の力で60歳まで働くより、100%の40歳まで仕事する方を選ぶ」というZ世代のコメントを紹介、「(若手社員は昇進待ちの)長い行列に並ぶことを”コスパが悪い”と考えている」ため、従来の企業ではタイパ、コスパを重視するZ世代を繋ぎ止められない。

☑️ 「自分のため」一点豪華に 〜「時は金なり」が生む価値〜
 リゾートやコンサートなど自分が気に入ったものにはお金も時間も投資を惜しまない「一点豪華主義」の消費スタイルが広がっていることを紹介。「まとまった時間を有意義につかえる創造的な時間価値が製品やサービスの競争力になる」「時間資本主義」の到来がくる。


2、私の「Z世代」への間違ったイメージ

これらの記事で印象的だったのは、特に2回目の企業とZ世代との関係です。該当部分を抜き出します。

「Z世代」が抱える将来への不安は切実だ。明治大学の藤田結子教授は「少しでも早く成長して安心したいとの意識が強い」と指摘する。
「最小の労力で最大の成果を取る」スキルを重視するZ世代。(中略)「最速世代」の登場は日本の企業、社会の停滞を打ち破る原動力にもなる。

残念ながら身近に新卒がいない(外資系でほとんど転職組です)ので実感がないのですが、私の勝手な「若者」のイメージとかなりズレがあることを実感しました。

それは「危機感」です。

今の日本は給与は上がらず、上場企業の時価総額のランキングはほぼ変わらず、管理職は年功序列が基本で40代50代で固められている…

誰が見ても閉塞感がありますが、一方で、今管理職となっている年代にそれだけの危機感があるか、というと、疑問です(あれば、企業の姿も変わっているはずです)。

そんな現状を、日本が低成長国であり続けた間に生まれ育ったZ世代から見ても、やはり、「危機感」があるのですね。

「草食系」というか、低成長に順応して無駄なものにお金をかけず、淡々と生きている、という勝手なイメージを持っていました。反省。


3、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

長く成長できなかった日本に順応していると思っていた世代でさえ、今の日本に危機感を持ち、「早く成長したい」という意識を持って行動している。

むしろ、20年、30年と会社に勤め、中途半端な成功体験を持っている40代50代の方が危機感が薄い、と感じます。逃げ切れる、というところでしょうか…

人口構成*から言って、今の20代は大変貴重な存在で、企業にとっても採用したい層です。そうした世代からそっぽを向かれたら、人材が不足し企業の存続が危うくなる。今は顕在化していませんが、やがて必ず顕在化するはずです。

その時にはZ世代やその後の世代からの選別は終わっているはずで、採用難で事業を縮小や売却するような企業が出てくる、そんな時代はほんの10数年の間に起こる、と個人的には恐ろしささえ感じる記事でした。

そんな大袈裟な、と思われた方は、以下の記事を見ていただくと私の危機感がご理解いただけるかと。*22歳人口は10年後に15%、15年後には2割減るんです…


最後までお読みいただきありがとうございました。

こんな世の中になるかも、ですね。


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