EC業界について知ろう!基礎編②
こんにちは! くぅ(@kuu520)です。
前回『EC業界について知ろう!基礎編①』を書いたところ、想像以上にたくさんの方に読んでいただきました!ありがとうございます。
『基礎編①』では、お店側視点でのECサイトの種類と特徴についてざっくりとお話しました。
今回は、お客さん視点でのECサイトの違いを交えて解説します。
私はこれまでEC業界に7年ほど携わり、注文を受けた商品の出荷作業、お客様対応、Webデザイン、サイトディレクションなど、幅広く様々な業務を行ってきました。その経験と調査をもとにnoteを書いていますが、見る人によっては意見も異なったり、間違った情報もあるかもしれません。ですので、あくまで私個人による見解になりますことをご留意ください。
こんな人におすすめのnoteになっています
・ネットショップを普段利用していない人
・ECサイト制作に興味がある人
・EC業界への転職に興味がある人
・ECサイトについてまだ何も調べていないという人
・ECサイトについて調べたけどイマイチわからなかった人
・『EC業界について知ろう!基礎編①』を読んだ人
1. なぜお客さん視点も知る必要があるの?
皆さん、普段ネットショップ(=ECサイト)でお買い物をしていますか?
既婚男性だと、買い物は奥さんにまかせきり。なんて人も多いかもしれませんね。
でも、もしこれから皆さんがECに関する仕事もしようと考えている場合は、依頼を受けたり作業をする前に、まずはお客さんとしてネットショップを利用してみてほしいなと思うのです。
・普段からよくネットショップを使用している人
・ネットショップはあまり利用しない人
例えばですが、上記どちらの担当者の方が、ECサイト制作や運営において成果をあげることができるでしょうか。
実は、EC関係の仕事をしているにもかかわらず、普段ネットでお買い物をしないなんて人も結構いるのです。
ECサイトを制作/運営するうえで、お客さん(ユーザー)目線で物事を考えられるのはとても重要で、普段ネットショップを利用する人としない人では、ものの見方に大きな差がでてきます。
ECサイト制作やEC業界の仕事に興味がある人は、ぜひお客さんとして色々なネットショップを利用してみることをおすすめしたいです。利用してみないとわからない事や、色々な発見も多いからです。
しかし、何度もネットショップを利用してみないとわからない部分もあります。なので今回は、ネットショップ慣れしていない方向けに、そのあたりの内容(お客さん視点)をざっくりと解説していきます。
2. お客さん側からみたネットショップの違い
『基礎編①』で、ネットショップには色々な種類があることをお話ししました。大きく分けると、<自社オリジナルサイト>と<モール>の2パターンがありましたね。
まずは、<自社オリジナルサイト>についてみていきましょう。
自社オリジナルサイト(=自社ECサイト)は、個別ネットショップ構築サービスというもので作られています。
個別ネットショップ構築サービス例
・Shopify
・BASE
・STORES.jp
・カラーミーショップ
・MakeShop
・ショップサーブ
・EC CUBE
など
このように個別ネットショップ構築サービスは色々とあるのですが、実はこれらのどのサービスを利用してネットショップを作っても、お客さんにはほとんど違いがわかりません。(サービス特有の見た目(※UI)の違いなどは多少あります。)
お客さんからすると、どこのモールにも属していない、そのお店のオリジナルサイト(公式サイト/自社サイト)なんだな… という事がわかる程度です。(※それもわからない人もいます)
UI=User Interface(ユーザーインターフェイス)
サイトのデザインやフォントなど、目でわかる外観のこと
では次に、<モール>についてみていきましょう。
モールにもたくさん種類がありましたが、いくつか代表的なものを挙げます。
・Amazon
・楽天市場
・ヤフーショッピング
お客さんからすると、どこのモールでお買い物をしているのかが明確にわかります。リアルショップで例えるなら、AEONなのか、松坂屋なのか、LOFTなのか、みたいな違いです。今日はここへ行こう、と決めて行くことも多く、ネットショップのモールでもそういう部分では同じと言えます。
ただひとつ注意点が…
お客さんの認識として、「〇〇という店で子供服を買った」というよりも、「楽天で子供服を買った」と認識していることが多いです。
つまり、”お店の名前を覚えてもらいづらい”ということです。
もちろん、「楽天の〇〇という店で子供服を買った」と認識してくれる、”モールでのお買い物に慣れているお客さん” もいますが、そうでないお客さんも多いのが実情です。
Amazonだとなおさら
「Amazonで〇〇というお店から子供服を買った」ではなく
「Amazonで子供服買った(出品していたお店は覚えてない)」
となるのではないでしょうか。
3. ネットショップの集客の仕組み
集客の仕組みについても、<自社オリジナルサイト>と<モール>では大きく違ってきます。
まずは、<自社オリジナルサイト>についてみていきましょう。
『基礎編①』の図で、自社オリジナルサイト(=自社ECサイト)は”どこにあるか不明な路面店”と表現しました。どういうことかわかりやすく解説するために例を出します。
子供服を販売したい会社が、Shopifyで自社ECサイトを作り、インターネット上に開店しました。お店の名前は「ABC子供服」です。新規ブランドなので、知名度はまだありません。
さて、お客さんはどうやってこのお店を知り、行き着くことができるでしょうか…
知名度がない場合、自社ECサイトは、出店しただけではお客さんが来ることはほとんどありません。
お客さんを呼ぶためには、そのブランドやサイトの知名度をあげたり、注目を浴びることを自ら行わなければなりません。その方法は様々ですが、インターネット上にも広告が出せるので、そういったものを利用します。
では次に、<モール>についてみていきましょう。
モールはイメージしやすいと思います。
Amazon、楽天市場、ヤフーショッピングなど… モール自体が知名度が高いので、お客さんがモールに直接足を運んでくれます。
さらには、各モールで定期的にSALEを行っていたり、お得な会員制度やポイントシステムもあります。
お客さんの思考
・「楽天スーパーSALEをやっているから楽天市場で買い物をしよう」
・「明日までに〇〇が欲しいから、配送が早いAmazonで注文しよう」
・「Tポイントがたまっているからヤフーショッピングで使おう」
リアルモールのAEONでも、「20日、30日、5%OFF〜♪」ってTVCMやってますよね。ネットのモールでも、そのモールがお金をかけて世の中にイベントをアピールしてくれています。
そういったお得なイベントが多く用意されているし、各モールのポイントもたまるので、お客さんとしてはモールでお買い物したくなります。
このようなことから、集客性においてはモールが強いといえます。
小規模の会社や知名度のないお店が、まずECサイトをモールに出店したがるのは、このような理由があるからです。
4. お客さんはモールを使い分ける
ネットショップでお買い物慣れをしている人はわかるかもしれませんが、ひとつのモールだけでお買い物をする、という人は意外に少なく、大抵の人が複数のモールを併用しています。楽天市場でお買い物をする人はAmazonでもお買い物をしている、ということです。
どうしてそんなことをするのか…
それは、モールによって同じ商品でも価格や納期が異なったり、特色も違うからです。
例えば、
・Amazonプライム会員なら、プライムマークの商品は送料無料で翌日届く
・楽天でイベント中にまとめて買うと、ポイントが10倍になる
・ソフトバンクユーザーだから、普段はヤフーショッピングで買うのがお得
他にも色々ありますが、モールでのお買い物に慣れている人は、こういったことを把握していて、その時々の状況に合わせてモールを選定して買い物をしています。
企業が複数のモールに出店したがるのは、そのような理由があるからです。一つのモールだけに出店するよりも、複数のモールに出店・出品することで、お客さんの来店(アクセス数)は増えます。
5. お客さんが利用しやすいECサイトにするには
集客の面ではモールが有利でしたね。
しかしモールは、ネットショップ構築の骨組みや、お買い物の決済画面などのデザイン(UI)がほとんどモール側で決められており、あまりデザインの調整(カスタマイズ)をすることができません。そしてそれぞれのモールでそのルールは違います。
モールでイベントが行われていてお得だとしても、
・商品の画像の読み込みが遅くてなかなか閲覧できない
・送料や獲得できるポイントが分かりにくい
・うまくお買い物カゴに反映されない
・住所などの情報を入力する画面が分かりづらい
など、利用しにくければ購入する気が失せてしまいますよね。そのモールに慣れていない人ならば、なおさらです。
モール自体もその都度少しずつ改善はされていったりしているのですが、サイトを運営するお店側も、その決められたルールの範囲内でいかに利用しやすく店舗改善をしていくのかが重要になります。
そのためにも、ECサイトの制作/運営担当者はモールの仕組みをしっかりと把握しておく必要があると感じます。
一方で、集客性の低い自社ECサイトですが、実は良い点もたくさんあります。
自社ECサイトの良い点
・自由にお店のデザインを調整できる
・利益率が高い(モールよりも販売手数料がかなり少ない)
・データが活用しやすい(細かい分析や、顧客データの管理ができる)
など
一番の違いは、モールと違ってサイトのデザインをかなり自由に調整できるところです。自社ECサイトでは大金をかけてインターネット広告を出して集客を図る前に、そのショップを利用するお客さんの目線で考えた、わかりやすくて利用しやすいお店づくりをすることが重要だと思います。
いかがでしたか。
今回もかなり初歩的な内容になってしまいましたが、ECサイトを運営していくうちに、つい ”お客さんの目線や気持ちのことは忘れがち” になる場合があるので、念頭においてほしいなと思います。
普段ネットショップでお買い物をしないという人も、ちょっとお買い物してみようかな? と思っていただけましたか?
ぜひお客さんとしてもネットショップを利用してみてくださいね♪
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
おまけ(Special thanks:母)
仰るとおりで…