見出し画像

EC市場について知ろう! 【2020年】

※この記事は市場の変化により更新する場合があります。(最終更新:2020/07/26)


こんにちは。くぅ(@kuu520)です。

今回は、プログラミングやWeb制作を学習している皆さんに、EC市場について知っておくとよい基礎知識をざっくりとまとめてみました。

▼お読みいただく前に
私はこれまでEC業界に7年ほど携わり、注文を受けた商品の出荷作業、お客様対応、Webデザイン、サイトディレクションなど、幅広く様々な業務を行ってきました。その経験と調査をもとにnoteを書いていますが、見る人によっては意見も異なったり、間違った情報もあるかもしれません。ですので、あくまで私個人による見解になりますことをご留意ください。


基礎編①②では、お店側とお客さん側におけるECについての基礎知識と、ネットショップを制作&出店の仕方に、たくさんの種類や方法があることを書きました。


皆さんが、『ECサイト制作をしよう!』と思った時に、たくさんの構築サービスがある中で、まず何を学習したらよいと考えるでしょうか。それを選ぶ基準はなんでしょうか。
この記事では、ネットショップ構築サービスの選定において知っておくと良い、”EC流通市場”についてお話します。


この記事はこんな人に向けて書いています

・EC業界の知識や仕事に興味がある人
・ECサイト制作に興味がある/学習予定の人
・ECサイト制作でどの構築サービスを選べばいいかわからない人
・EC市場についてよくわからない人
・ShopifyでECサイト制作を考えている人


1. なぜ市場を知る必要があるの?

最近、特にTwitter界隈でECはShopify(ショッピファイ)が話題になっていますね。Web制作の学習手順(ロードマップ)として、

HTML → CSS →(Sass/jQuery)→ WordPress(PHP) → Shopify

このように言われていたりするほどです。

ですが、いざECサイト制作の案件を取るとなったとき、実際の案件状況はどうなのか考えたり、調べたりしたことはあるでしょうか? 本当にShopifyだけを学習していればそれでいいのでしょうか?


ここで私が言いたいのは、Shopifyの案件ってホントに沢山あるの?ということです。

例えば、せっかくECサイト制作の依頼が来たのにShopify以外の案件だったためにそれを断るなんてことはとても勿体ないですよね。

Shopifyだけを学習してShopifyの案件しか取らないよ! という方は別にそれでもいいと思いますが、基礎編①でも解説したように、ECサイト制作は複数案件依頼がくる場合も多いです。そして実際にShopifyだけで仕事をしていけるのかというと、それはその人の実績や営業力にかなり左右されるのではないかと思います。

ECに限らずどの業界でもいえることですが、その市場規模を理解しているのとしていないのでは、仕事をする上で大きな差がうまれると思います。

ということで、今回はEC市場についてみていきましょう。


2. 世界のショッピングカート流通総額(2019年集計)

画像1

※ショッピングカートの流通総額ランキング(モール・アプリは除く)


Shopify 流通総額:6兆6,060億円(前年比48.7%増)

『ほら、やっぱりShopifyでしょ!』
そうです。世界のECショッピングカート市場(※1)ではShopifyがダントツで1位となっていますので、世界規模ではShopifyを学習していれば困ることはなさそうです。

(※1)カート以外も含めた全世界のEC流通は記事最後のおまけを参照してください。



しかしここで注意してほしいのは、これは世界の数字であり、日本はまた別だということです。
では、日本ではどうなのかというと・・・


3. 国内でのEC流通総額(2019年集計分)

画像2

※国内 ECモール・カート・アプリの流通総額ランキング

1位: 楽天市場 
   総額:3兆8,595億円(※2)(前年比13.4%増)

2位: Amazon 
   総額:3兆4,238億円(前年比24.4%増)

3位: Yahoo!ショッピング 
   総額:8,519億円(前年比16.5%増)

(※2)楽天は楽天市場だけでなく、トラベルなどの宿泊流通、GORAによるゴルフ流通、ビジネス、楽天Direct、楽天デリバリー、ラクマ、クーポンなどの値を含む。
このことから、実質的にはAmazonが1位だと言える。


このような結果になっています。
日本国内では、モール(楽天・Amazonの2強)が流通のほとんどを占めていることがわかります。モールの流通には大分劣るものの、自社オリジナルECサイトで強いのは、EC CUBE、MakeShop、カラーミーショップあたりですね。

このことから言えるのは、流通額が多い媒体であるほど、ECサイト出店数もそれなりに多いということです。つまり、現在国内ではこれらの案件が多いということになります。


あれ・・・ちょっと待ってください。
Shopifyが、見当たりませんね・・・(つд⊂)ゴシゴシ…


2017年末に日本市場へ参入して急成長を遂げているShopifyさんですが、残念ながら国内のグラフにはまだ入ることができていないようでした。とはいえ、2018年→2019年で国内のShopifyにおける流通総額も2倍になっているということなので、今後大いに期待できるサービスであると言えます。


4.  <現在>自社ECサイト制作案件

・EC CUBE
・MakeShop
・COLOR ME(カラーミーショップ)
・futureshop
・shopserve
・BASE
※自社ECサイト制作なのでモールは除外


現在は様々な案件がある!

現状ではこのあたりで、さほど大差なく案件があると思います。
一部でShopifyも参入しつつはあるのですが、まだまだ学習するにあたって日本語対応をしていない部分も多く、認知されて広まるまでにもう少し時間がかかりそうな印象です。

先週、友人のWebデザイナーさんに来た案件もカラーミーショップでした。(ちなみにそのクライアントさんは自社ECサイト制作後、ヤフーショッピングや他モールにも出店を考えているそうです。)このように、一つの会社さんから複数の制作依頼が舞い込んでくることも多いです。


5. <数年後>自社ECサイト制作案件(予想)

・Shopify
・他、国内ショッピングカート
※自社ECサイト制作なのでモールは除外


数年後をみて学習するなら、Shopify!


現状ではまだ少ないと言っていたShopifyですが、世界の流通規模からすると、数年後にはかなり伸びてくると感じています。それに加えて真似が上手な日本ですから、類似サービスを国内カートでも展開してくるだろうと予想しています。現状の国内のカートサービスはどれかが突出せず肩を並べている状態なので、はっきり言ってどこが伸びるのかというのは現時点では予想がつきません。EC業界は本当に状況がコロコロ変わるからです…
仕事ができるようになっても、常にアンテナを張って状況を見極める必要があります。


6. まとめ

・国内の流通だとモールがダントツで強い!
・今案件をとるならShopify以外のサービスも学ぼう!
・数年後に案件をとるなら、Shopifyを学んでおくのがおすすめ!
・調べる力を身につけて柔軟に対応できるようにしよう!

ただEC業界の特性上、これだけを学んでおけばOK!ということはまずありません。状況に応じて柔軟に対応できるように、調べる力や、幅広い知識を身につけておくと良いです。”広く浅く”も結構大事なのではないかなと思っています。

このように、EC市場について把握しておくことで、ECサイト制作においてだけでなく様々なビジネスでも活用できることがあると思います。

これまでのEC基礎編①〜③は、実際の業務とは関係ないところではあるのですが、今後皆さんが学習者の立場やただのEC担当者から少しステップアップしたいと感じた時に、必要になる基礎知識だと思っています。


7. おまけ:全世界のEC流通総額

画像3

※全世界 ECモール・カート・アプリの流通総額ランキング

1位: Taobao(淘宝网/タオバオ) 
   総額:52兆4,308億円(前年比8.7%増)

2位: Tmall(天猫) 
   総額:49兆5,670億円(前年比22.6%増)

3位: Amazonグローバル 
   総額:37兆6,782億円(前年比35.2%増)

4位: JD.com(京東商城/ジンドン) 
   総額:32兆2,820億円(前年比24.4%増)

<補足情報>
・2位の天猫はタオバオと同じ拠点だが、タオバオのCtoCに対して天猫はBtoCであり、タオバオよりも良質(高額)な商品を取り扱っている印象。模倣品の多い中国で、信頼できる買い物ができるシステムを作ったとして、天猫がシェア率を伸ばしている。

・Amazon流通のうち、日本は世界で4番目の売上高(160億200万ドル)



自社EC、モール、アプリすべてひっくるめると、全世界ではこのようになっています。世界のAmazonと、中国が強すぎますね(笑)



それではまた次回!
最後までお読みいただきありがとうございました。


このnoteが少しでも参考になった、また続きが読みたい、という方がいらっしゃいましたら、スキ❤️を押していただけると私が大変喜びます!☺️💕
Special thanks
エンパワーショップ株式会社様、田淵様
画像引用元:eccLab
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/65543


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?