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既成概念を壊せ
みなさんこんにちは。独身過ぎて1人でパンケーキを食べに行った漢、富永幹土です。
9月末に行われたリーグ入れ替え戦を以て4回生の先輩方が引退され、本格的な代替わりとなり、京大テニス部の闘いの1年が再び開幕しました。これは同時に10年近くに及ぶ自分のテニス競技生活が最後の1年に突入したことも意味しており、残された時間の重要性を意識すると大変身の引き締まる思いです。そんな大きな節目での執筆となる今回のnoteでは来年度の三大目標の達成に向け始動した京大テニス部のチームメート達に伝えたい想い、そして何より限られた時間で「レギュラー奪取」という目標に最後の挑戦をする自分の決意を記そうと思います。
テーマはタイトルにある通り「既成概念の破壊」です。以下の文脈においてより分かりやすく言い換えるなら「思い込みからの脱却」とも言えます。私たちがテニスに打ち込む日常には当然のことながら無数の既成概念(=思い込み)が存在します。そして多くの場合、それらの既成概念は我々の成長の妨げとなっているのではないでしょうか。
例えば、部内でしばしば聞かれる言葉として「1回生の1年間が1番成長する」というものがあります。この言葉自体は決して悪いものではありませんが、裏を返すと「2回生以降は決定的な成長をしにくい」という意味にもとることが出来ます。果たしてこの言葉は真実なのでしょうか。私はそうは思いません。確かに受験勉強のブランクから脱却し、心技体を大学レベルまで向上させた今年の1回生たちの夏以降の成長を見ると、1回生の期間の成長が大学テニスにおいて非常に重要なものであることは疑いようがありません。しかしながら、努力と成長が全く比例しないスポーツにおいてbreakthroughは人それぞれのタイミングで訪れるはずですし、浪人の多い今年の1回生と全員が現役合格の3回生とでは誕生日が10日程しか変わらないメンバーもおり、身体能力や体の発達に差異はなく、生物学的にもスポーツの成長に開きがあるとは思えません。実際、1回生には一見28歳に見える部員、3児の父のような包容力を感じさせる部員、あまりの落ち着きぶりに1浪ではなく本当は4浪以上していると囁かれる部員等がいる一方で、3回生には少しでも思い通りにいかないことがあるとすぐに泣いてしまう部員、カッとするとすぐに手を出してしまう部員、何度注意されても咄嗟に「ごめんなさい」の言葉が言えない部員がいるように精神面では特に今年の1、2、3回生間に何ら差はないように感じます。従って肉体的にも精神的にも技術の向上に回生やテニス歴による決定的な違いは生じないはずです。
それでも実情としては自分たちの代や先輩、後輩たち各学年内の順位争いを鑑みると1年生の冬ごろまでに大まかな変動が終了し、それ以降は引退、あるいは今日に至るまで大きな逆転は生じていないように見えます。
このような状態に陥る原因として私は大きく2点挙げられると考えています。1点目は1回生の期間は上回生に比べ、単純に練習量を確保しやすいということです。上回生になると就活、実習、会計士資格勉強等の避けて通れない障害のために練習量が低下してしまいます。ただ、日常の無駄を徹底的に排除することが出来れば一定の練習時間の確保は可能なはずで、これは決定的な原因ではないのではと感じます。では、2点目にして1回生以降の伸び悩みの最大の原因となるのは自分の競技力向上や目標達成に対する確信の喪失です。思えば1回生の頃は自分が京大テニス部のレギュラーとして活躍する未来を疑わず、テニスに没頭し、日々の成長を噛み締めていました。しかし、時の流れと共にその確信は揺らぎ、1回生のときのように無邪気にテニスに打ち込むことが難しくなりました。私以外にもこのような心境を経験された方がいると思います。ただ、このような精神状態で練習を重ねても、1回生当初の頃以上の効果を得ることは厳しいでしょう。当然ながら時の経過と共に目標の実現可能性は低下していきますが、それが0になることは決してありません。にも関わらず、自分で自分の限界を決めて目標実現から遠ざかってしまうのはあまりにももったいないことであり、伸び悩みの原因として極めて大きな要素であると思います。故に「1回生の1年間が1番成長する」
という思い込みの本質は練習量の低下と2回生以降の自身の成長に対する不信であると私は結論づけました。
であるとするならば、可能な限りの練習時間を捻出し、自分の可能性を信じ切って努力を続ければどんな立場の人間でも1回生の最初の頃のように飛躍的に進歩出来るものと言い切ることが出来ます。実現することが出来ればこれは「2回生以降は決定的な成長をしにくい」という既成概念の破壊に他なりません。
例え話が長くなりましたが、私たちの競技生活の中にはこのように成長を阻害しかねない既成概念が蔓延しています。先述の例以外にも「高校始めではJr上がりの選手には勝てない」、「私大の推薦選手には敵わない」、「O脚ではレギュラーに入れない」といったものが挙げられます。
しかし、これらの既成概念は全て過去の自分と周囲の人間によって形作られたものであり、絶対的なものではありません。
長々と自分の考えを記しましたが、現段階で自分が何ら既成概念の破壊を成し遂げていない時点でここまでの内容は所詮、妄想にしか過ぎません。今回のnoteが決して机上の空論でなかったことを証明するためにも、わずかに残されたテニス人生をトップスピードで駆け抜け、京大テニス部の勝利に貢献できるプレイヤーに成長してみせます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。