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お前はテニスが下手くそだ❗️

今これを読んでいるあなたが現役部員なのか新入生なのかはたまた他大の方なのかは存じませんが、私から一言、言っておきたいことがあります。

あなたはテニスが下手くそです。

あなたのショットは、身体の何倍もある広大なコートの中にすら、ゴミ箱にティッシュを投げ入れる程度の精度でしか入りません。 それこそゴミのようなミスを連発します。1セット試合をすれば平均して20回くらいはミスをすることでしょう。ラリーはおろか球出しのボールですら平気でミスをします。顔より何回りも大きいラケット面にきちんと当てることさえおぼつかないので、フレームショットやガシャりも珍しくありません。あまつさえ、ミスをするたびに、風が強いだの新球でタイミングが合わないだのとバラエティに富んだ言い訳を並べ立てます。ダサい。
そしてなんとも烏滸がましいことに、あなたは自分のテニスが上手いと思っている、あるいはそう思いたいと考えています。そのためラリー中にミスをするとしばしば苛立ちを見せます。「自分はこんなミスをしないはずなのに」などとでも思っているのでしょうか。思い違いもここまでくると滑稽です。
得点した時のプレーが上手かというと、別にそういうわけではありません。テニスの試合においてはポイントの80%がミスで決まっているわけですから、大抵の得点は相手が下手なだけです。にも関わらずポイントごとに一喜一憂して吠えたり叫んだりラジバンダリ。元気なことで大変よろしゅうございますね。

何度でも言いましょう。あなたはテニスが下手くそです。ド下手くそです。



さて、貶し散らかして満足した(※1)ので、そろそろ本題に入ります。申し遅れました、四回生の中川です。
ここまでの文章をまともに読んでくださったなら、あなたのテニスが下手くそであることには深くご納得いただけたことでしょう。(貶すだけ貶して終わりでもいいのですが) ここで私が提案したいのは、「下手くそさを受け入れる」ということです。

上手ぶっていると、思い通りにショットが打てないことに対して怒りややるせなさを感じてしまうものです。しかし、己の下手くそさを自覚すれば、思い通りにいかなかったとしても随分と気が楽になります。「無知の知」という概念がありますが、まさにそれです。知らんけど。

強打しすぎるあなた。そんなに打って入るほどあなたは上手くありません。
ミスを怖がって出力を下げすぎてしまうあなた。それでミスがなくなるほどあなたは上手くありません。
良いショットを打つのも、良いコースに打つのも、確実に入るショットを打つのも、非常に難しいことです。だってあなたは下手くそなのだから。むしろ入らないのが当たり前です。

普通のショットを、普通のコースに打つ。入ったらドーパミンドバドバ。
それくらいの気楽さでいた方が、結果的にいいプレーにつながるのではないでしょうか。不必要なこだわりを捨てることも、ときには大切なのかもしれません。
(「普通」のレベルを高く保つのはパワーの見せ所、といったところでしょうか。)



ここで、高名なテニスプレイヤー、R•O氏の格言をご紹介します。

「ラケットを振らねば、ショットは入らない。」

この言葉は、そもそもショットは入らないのが当たり前なのだ、ということを裏付けるものだといえるでしょう。
ボールが勝手に入ってくれるわけではない。ラケットを振って、自らのスイングでコートに入れる、ねじこむ必要があるのです。



「下手くそさを受け入れる」。この考えは一見、現実を見た諦念に思えるかもしれません。しかし、これは決していいプレーや勝利を諦めることを勧めるものではなく、難しいことを考えず自分にできることに焦点を当てて努力しようぜ、という提案です。(中途半端に大人になりきれていない思考だ、という指摘には反論しません。)
ここまでの議論を踏まえれば、「下手くそさを受け入れる」ということがむしろ現状肯定に基づく未来志向のマインドだとすらいえることがしかと伝わったかと思います。
見栄や意地を張らず、自分の実力を受け止める。その方がきっとテニスは楽しいし、パフォーマンスも上がってくるのではないでしょうか。
あなたのテニスは下手くそだし、私のテニスも下手くそです。もっと伸びしろに目を向けて、肩肘張らずに上達を楽しんでいきたいものですね。



俺の単位数にも伸びしろしかないぜ(※2)!!うおおおおおおお!!!




※1 嘘
※2 本当


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