学生時に社会起業を目指して14年、たどり着いた「担い手不足の町工場」事業承継
応援購入サイトのマクアケで2201本のご用意があった奇跡の口溶け「とろ生ガトーショコラ」が現在残り12本を切りました。
ほぼ広告を使わず、「販売実績もない」無名のブランドがここまで購入いただけた事例は過去なかなかありませんでした。
(ほぼ広告を使わず、については、6万円ほどテストで広告を出してみましたが、広告は使わずに商品を自分たちの言葉でとろ生ガトーショコラを伝えていこうと判断し、その後は使用しませんでした。)
これもコロナ廃業、事業承継、継続雇用、持続可能な社会、人生100年時代に活躍するシニア人材、サステナブル経営、インフルエンサー、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、
社会的なキーワードが「とろ生ガトーショコラ 」の背景に重なったことが大いに影響していると思います。
社会起業を目指したきっかけは大学生の閃き
専修大学の経営学部で大学生をしながらこの仕事を起業しているのですが、私の研究対象は『社会的経営(CSR)』でした。
私の専攻した企業のグローバリズムは資本主義において私たちは豊かさの恩恵を受けられました。一方で様々な反動が地球環境や社会問題を作りました。グローバリズムは資本主義においては良いが、社会主義においては悪いのです。
企業が社会貢献活動に取り組んでいることに関心をもちました。「企業が社会貢献したら全部解決するじゃん」と閃いて、私の研究はスタートしました。
自分もいつか実践したい、と思いながら。
自分も食えないのに社会貢献は無理
卒論を書いてる間に起業してるので、実践フェーズになりました。いざ起業すると自分も食えないのに社会貢献なんて無理です。
卒業までに食いぶち稼げるように一心不乱に頑張った結果卒論は大変なことになりました。笑
なんとか卒業させてもらえたものの「企業が社会貢献することは企業利益に繋がる」という仮説の証明は机上の空論のまま未完に終わりました。
遠回りしたけど、力をつけて実現した
14年前になんのコネも実績もなく料理研究家で食いぶちを稼ぐってホント並大抵のことじゃないのですが、修行のように社会性を身につけて社会人として力をつけて、雇用を増やして、社会的信用を得て、工場をM&Aで事業承継し、やっとこ社会的経営へのトライに立つことができました。
今回のとろ生ガトーショコラは「企業が社会貢献することは企業利益に繋がる」という14年前に立てた仮説を証明できました。未完のままだった卒論がようやく終わった。そしてまた新しい始まりです。
お客様と一緒に社会問題を解決するチーム
テーマが「社会貢献だけ」では無理ゲーでした。だから安直に「社会貢献するといいよ!」とは言えません。
大変だけど社会問題化している困ったことを事業で解決するってことはお客様と一緒に社会問題を解決する「チーム作り」ができると思ってます。
難しいところは押し付けではうまくいきません。価値あるプロダクトを生み出して、他の代替品よりも価値が優れていることが大前提で、お客様には社会貢献抜きにしても欲しいと思っていただけるだけのバリューを出していることが大切だと思います。
私たちが事業承継した廣瀬食品は、コロナ禍の影響を受けて顧客の飲食店の営業が困難で、限界待ったなしの状態でした。私たちが事業承継しなければ事業を畳む予算も捻出できず、という状況でした。
事業を引き継いだ私たちが今後取り組むべき課題は…
「アナログ手作業な製造業の身体的負荷が強すぎ問題」
仕込む量が増えると重量負荷、作業負荷が大きくなります。腰が悪くなります。
しゃがまない、疲れない、製造現場を目指して機械も取り入れていきます。
「熟練工の目利き継承問題」
熟練した料理人のセンスに依存していました。
湯煎のお湯の温度測るのに廣瀬さんは手を入れてました(驚)
経験を科学して数値化し、デジタルに継承することが大切です。チョコレートは高温になると劣化するため温度管理が重要です。
将来的には数値管理もデバイスで一括管理できるようにIot化したいです!夢です!
「少子高齢化・過疎による地方製造業の人材雇用問題」
地方には働ける人が少ない、人材雇用が難しいため、都市部に負けない魅力的な職場環境を整える必要があります。
私たちも技術を継承するマニュアルを整えて、機械とデジタルを活用して無駄を省き、少数で運営できる母体を作ることが生き残るために大切です。
「災害対策」
コロナ、不景気など外部環境の大きな変化に対応するためには少数組織運営であること。今後、人海戦術に頼る事業はもろく危ういと思います。
働き方改革、熟練技術者の技術継承、地方の働き人口現象、担い手不足、未曾有の災害対応、など新たなキーワードが課題に増えました。
補助金を活用した機械導入をしようと思って、補助金申請をしてます。補助金活用の好例となるように、社会の変化に対応できる町工場にするぞ。
マクアケで先行販売の奇跡の口溶け「とろ生ガトーショコラ 」
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