残業100時間超。くつろげない日々を生きてきた私が辿り着いた「とろ生ガトーショコラ」
管理栄養士・料理家の五十嵐ゆかりです。
Twitterでは#ラク速レシピのゆかりとして、ラクに、速く、おいしく作れる簡単レシピをご紹介しています。
Twitterでいつもレシピを呟いている人と思っている方も多いかもですが、実はこの一年、「とろ生ガトーショコラ」という商品の開発をしていました。
このショコラ、あまりに口溶けがいいため、奇跡の口溶け「とろ生ガトーショコラ」なんて呼んでいます。
奇跡ってそんな簡単なもんじゃないでしょっ、って自分でも思いますが、この口溶けならそう言ってもいいよねってぐらい口溶けがすごいです。
このとろ生ガトーショコラ、レシピ開発者の自分が言うのも何なのですが、ものすごく美味しいです。ものすっっっごいです。
美味しいのはもちろんのことなのですが、実は、この商品が届けたいのは「くつろぎの時間」。
とびっきり美味しいスイーツを食べる時間を通して「忙しい日々の中でもほっと一息つけて、暮らしのリズムを整えるきっかけをつくりたい」という思いを込めて作りました。ついがんばりすぎて力の抜きどころがわからなくなっている方にほど味わっていただきたいショコラです。
今日は、この商品を開発したきっかけと商品について書きたいと思います。
※長いです。
特に前半は「とろ生ガトーショコラ」が生まれたきっかけを書いているので、長くて読むのキツって思ったらわーっと飛ばしてください。
社会に出て「くつろぎの時間」の大事さに気づいた
生きていく上で、ほっと一息つける「くつろぎの時間」って大事。
いや、大事どころかその時間がないと正直やってらんない。そう私は思ってます。
学生時代はそんなふうに思ったことがなかったけど、社会人になって心底そう思うようになりました。
新卒時代の話に遡ります。
残業時間100時間が当たり前だった新卒時代
私は料理家のアシスタントとして、新卒でどベンチャーのレシピ制作会社に入社しました。今でこそ9時-18時で働く生活をしているけど、当時はそんなもんじゃなかった。入社当初は休日は日曜のみで夜は0時を超えるのが当たり前。タイトルには残業100時間超って書いてますがだいぶマイルドめに書いてます。
朝8時からスタートの撮影のために朝5時から準備をして撮影が終わったのは翌朝の5時という日があったり、朝〜夜0時まで働いて、そのままテレビ局へ向かい4時台の生放送のアシスタントをして一旦帰宅してから8時半に出勤したり。夜は会社で料理を振る舞う飲み会が時々(いや、結構)あって、1人で料理の準備を。30名を越えるお酒を楽しむ皆さんのおつまみを作ったり、ある時は100個以上の殻付きの生牡蠣を仕入れに行ってから永遠に一人でむいておもてなしするなどなど。おかげで牡蠣むきは結構得意です。とりあえず十分な睡眠はほぼとれていなかったです。
(当時の状況をそのままストレートに書いた方が伝わると思ったので書いてますが、会社のグチを言いたいわけでも、忙しかった自慢をしたいわけでもないです。自分で選んだことなので納得してやっていましたしブラック企業だ!みたいな話になるのは本望ではないです。私が入社した会社に限らず、当時の制作会社は今と比べてそういうところが多かった印象です。)
お風呂に入ると溺れそうになるからお風呂禁止
料理家としてレシピ開発の仕事がしたくて入社したけど、家に帰るとフラフラで記憶を失うように眠り、朝はぼーっとしたまま会社へ。年間2,000を超えるレシピの制作に携わった年もある位、仕事では料理をたくさん作ったけど、家に買ったら料理を作る体力も気力もなく、結婚するまでの一人暮らしでは自炊したことが1回もなかったです。とにかく睡眠を確保。
夜はお風呂に入ったら眠って溺れそうになるから早々にお風呂禁止令を自分に課してシャワーのみにしてたし、手洗いうがいを別々でやる時間がもったいないから同時にやってました。家に帰っても寝るだけだから、部屋にあるのはテレビ、テーブル、布団のみ。テレビがあっても見る時間なんてなくて、年末の紅白で初めてその年に流行した歌を知った。勉強のために買う本は壁に沿わせて並べて、並べきれない分は上にどんどん重ねて置いて、見たい本はジェンガみたいにシュッて取ってた(雪崩必須)。本棚は買っておけばよかったと思うけど、働き始めてからはそんなこと考える余裕はなかった。一人暮らしのインテリアを素敵にするような余裕はなかったし、自炊で使おうと思ってこだわって買った白い高級鍋はいつまでもピッカピカなまま。
週に1回の帰省でギリギリ心を保ててた…
いつも仕事のことが頭から抜けなくて、唯一のくつろげる時間は、日曜日に千葉の実家に帰って過ごす時間でした。田舎の自然の中に身をおいてただただぼーっとしたり、美味しいご飯を食べたりケーキを食べたり。私があまりにもいつも疲れた顔をしていたせいか、母にはよくマッサージ屋さんに連れて行ってもらっていました(母、ありがとう…)。
私にとっては、1週間に1回の地元でのくつろぎの時間があったから自分を整えられて、また明日からがんばろう!という気持ちになれていたのだと思います。
レシピ開発の仕事がしたい、レシピ本を出版したいという思いで入社したけど、もしこのくつろぎの時間が一切なかったら、気持ちの余裕が本当になくなってしまって、もしかするとこの仕事を続けられていなかったんじゃないかな、とも思います。
こんな経験から、「くつろぎの時間」の大切さを心底感じるようになりました。
「大切な人にくつろぎの時間をプレゼントしたい」
友人とお茶をすると、くつろぎの時間ってほんっと大事だよねー。なんて会話をよくするのですが、そういう時間を必要としている人って、結構多いなあと感じています。
子育てをしながら働くお母さんやお父さん、ワンオペの親御さん、共働きの人、教員の友人、理不尽に耐えながらも仕事を頑張る友人、深夜にメールがくるお仕事の関係者、三徹の編集者さんなどなど。
いや、もう、みんながんばりすぎじゃないですか…
社会人として社会に出てからは、お疲れさまです。とあたかいお茶を差し出したくなる場面に遭遇することが多々ありました。
社会に出てから忙しい日々を過ごしてきたことで、「くつろぎの時間」を”意図的に”過ごすことの大切さをひしひしと感じました。くつろぎの時間って、誰かに与えてもらえるものではなく、自分で意図的に作らないと持てないものだと思っています。
当時は何か行動を移す余裕なんてなかったから何もできなかったんだけど、この数年はだんだんと少し自分の中にスペースができてきて、何かをやりたいと思うことに時間を注げるようになってきたので、Twitterで忙しい方でも簡単時短で作れるラク速レシピをツイートしたり、「大切な人にくつろぎの時間をプレゼントするお店を作りたい」と思うようになりました。
くつろぎの時間を持つことの大切さについて、2017年のブログでもそんなことを書いていました。新卒の頃からずっと持ち続けてきた思いです。
https://lineblog.me/igarashiyukari/archives/8358801.html
完全に私の偏愛ですが、癒しには「チョコレート」
今回開発したとろ生ガトーショコラは、「大切な人にくつろぎの時間をプレゼントする」ことができるサービスを作りたいという思いから生まれた商品です。商品の箱の裏にはこのメッセージを入れています。
なぜ生ガトーショコラにしたかと言うと、私はくつろぎたい時はよくチョコレートを食べるのですが、チョコレートは一口食べると癒しを与えてくれる魔法のようなスイーツであると思っていて、極上にくつろげる商品を作るならチョコレートを使ったスイーツがいいと思ったからです。
極上にくつろげるスイーツ「とろ生ガトーショコラ」の発案
ここからは商品のこだわりをお伝えできたらと思うのですが、とろ生がトーショコラを作るにあたり、それはもう、ものすごくこだわりました。
とろ生ガトーショコラの5つのこだわり
使用する素材、製造工程、デザイン、保存管理まで徹底的にこだわりました。キャラメルソースの焦がし具合の見極めなど、作るのがなかなか難しくて本当にこだわりの強い商品なので、外注するとこだわり抜くことができない点が多々あり、こだわり抜いた商品をお届けできるよう工場も買いました。
とろ生ガトーショコラはこだわりが強くて作るのがなかなか難しい商品ですが、縁あってミシュラン三つ星の三大料亭の一角で米飯を製造し卸していた創業40年の町工場「廣瀬食品」の料理人 廣瀬さんとの出逢いがあり製造開発を担っていただけたので、安心して高いクオリティの商品をお届けできます。
このとろ生ガトーショコラは5つのこだわりがあります。細かく言うと本当はもっともっとありますが、その中でも特にこだわった点です。
1.厳選したチョコレートと発酵バターをたっぷり使用
生ガトーショコラを美味しく作るには、美味しいチョコレートとバターが必須です。あらゆるものを試食してベストと思う素材を選びました。
原価を抑えるには卵の量を増やすなどの方法もあるのですが、極上にとろける口溶けでもう何も考えられなくなる位にくつろげる時間を過ごして欲しいと思ったのでチョコレートと発酵バターをたっぷり使用しました。
2.「4種のチョコレート」をブレンドして酸味、風味、コクを絶妙なバランスに
チョコレートは絶対にブレンドしたい!と開発することが決まった時に言いました。
チョコレートはブレンドすることでそれぞれがもつ味わいが重なり合い、誰も体験したことのない極上の味わいを生み出せると思ったからです。いろいろなチョコレートを試食し、「カオカ社」のチョコレートに辿り着き、酸味、風味、コクを絶妙なバランスに。
3.発酵バターで風味よくコク深い味わいに
バターもいろいろと試食し、北海道産発酵バターを使用することに。発酵バターで作るとこれがもう、香りがいいんです。
生乳のクリームに乳酸菌を加えて発酵させた発酵バターは大変風味が良く、とろ生ガトーショコラをコク深い味わいに仕上げてくれます。
4.自家製の焦がしキャラメルソースを配合
キャラメルソースも絶対入れたい!と開発が決まった時から言っていました。このキャラメルソースがあるとないとでは全然違う。
とろ生ガトーショコラを作るとき、甘みを加えるために砂糖を入れるのですが、砂糖だけではなくこの焦がしキャラメルソースも入れると複雑な甘みが加わり、「ハッ」とする深みとコク、口溶けが生まれます。
「自家製の焦がしキャラメルソース」は焦がしが甘いとあまったるい味に、焦がし過ぎると苦味がキツいとろ生ガトーショコラになってしまいますので絶妙な見極めが重要です。自分でベストな焦がしキャラメルソースが作れても、工場で作るのはなかなか難しく試作を繰り返しました。
5.「奇跡の口溶け」を生み出す焼き時間・温度
この焼き時間・温度を決めるのが商品開発で一番時間がかかりました。
焼き時間が短いとテリーヌのようになってガトーショコラならではの香ばしさがなく、焼き過ぎると口溶けが悪くなり、チョコレートの風味が落ちてしまいます。
12ヶ月作り続けても、レシピにOKが出せなかった
昨年の12月から開発がスタートしたとろガトーショコラですが、最終的な焼き時間と温度が決まったのは、実はこの一ヶ月以内。
少し前に、「これは…最高のとろ生ガトーショコラができた…!」と思うものが完成したのですが、気になるところがあったので、改めて試食をした時に「もしかして、焼き温度と時間の調整でさらに美味しくなるのでは…?」と気づく機会があり、焼き時間と温度を変えてさらなる試作をしました。
正直、再試作をする前でもすでにすごく美味しくて、食べ比べていない方には気づかないぐらいの違いではあるのですが、そこはこだわり抜いてベストな「焼き時間・温度」を見つけました。
12月11日14時からMakuakeで先行販売します
とろ生ガトーショコラは明日12/11 14:00からMakuakeで先行販売します。
当初はこちらのみを販売する予定だったのですが、せっかくなのでMakuake限定商品を作りたい!ということで、「とろ生ガトーショコラ<特濃いちご>」も開発しました。
ベーシックなとろ生ガトーショコラはカカオの%が高めですが、こちらはいちごと相性がいいようカカオの%を抑えめにしています。甘党さんにはこちらがとても好評です。
ここまでだいぶ長くなってしまいました。
長い文章を読んでいただきありがとうございます…!
「大切な人にくつろぎの時間をプレゼントするお店を作りたい」そんな思いから生まれたこのプロジェクト。
とびっきり美味しいスイーツを通して「くつろぎの時間をお届けしたい」「忙しい日々の中でもほっと一息つけて、暮らしのリズムを整えるきっかけをつくりたい」という思いを込めて開発をしましたので、とろ生ガトーショコラがたくさんの方に届いて、くつろぎの時間を過ごしていただけたらうれしいです。
日々がんばる自分に、大切な人に「くつろぎの時間」をプレゼントしたいな、という時に、このとろ生ガトーショコラがとびっきりのくつろぎの時間をお届けできましたらうれしいです。
実は、開発者特権として(?)完成後真っ先に両親や姉、友人にプレゼントをしたのですが、すごく喜んでくれてこの商品を開発してよかったなあとしみじみ思いました。
くつろぎ屋が販売するオリジナル商品の第一弾は生ガトーショコラ ですが、今後も「大切な人にくつろぎの時間をプレゼントする」商品作りをしていきます。
商品の詳細は明日の12/11 14:00からMakuakeでご覧いただけるので、ぜひご覧ください!
https://www.makuake.com/project/toroa/
とろ生ガトーショコラのサイトができました!
http://kutsurogi-ya.com/
Twitter・Instagramでとろ生ガトーショコラの情報やアレンジレシピ、プレゼント企画など発信しています!
Twitter:@toroa_kutsurogi
Instagram:toroa_kutsurogiya
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