他領域を学ぶときには

歯科の先生方のグループに入れていただいて、「咬合調整」について学んでいたことがあります。
もちろん私は歯が診れませんし、専門用語をはじめ、すぐに理解できないことも多いのですが、 歯科の先生方の考え方を学ぶつもりで参加させていただいていました。

領域は異なっても、力の逃げ道をつくるようにすることなど、大切な考え方は共通していることが少なくありません。
考え方や発想法を学ぶことは、自分の仕事にもすぐに活かせるので、とても勉強になります。

これは他のどの分野を学ぶときにも言えることだと思います。
それによって、さまざまなことに共通する基本というものが、おぼろげながらも見えてくるようになります。

そしてもうひとつ。
たとえば歯を合わせても、前歯が上下に空いていたら、顎の筋肉の緊張が強まりやすいとされています。
そのため、顎をはじめとした頭部・顔面・頸肩部などの症状が、口腔内の問題によって引き起こされていた場合、いくら私たちが姿勢バランスを良くしても、症状はなかなか改善しないか、再発をくり返すということになってしまう。

このような状態なら、しかるべきところに紹介するという判断ができるようになっておかなければいけないため、たとえ浅くとも構わないので、さまざまな領域のことを学んでおくことは大切だと思います。
臨床でまず必要なのは、自分の手に負えるかどうかを見分けるということですから。

何か新しいことを学ぶときには、先入観を持たず、いったん頭を白紙にし、どっぷりつかって学ぶということが理想なのかもしれません。
一方で今回のように、自分の専門を持った上で他領域を学ぶときは、その考え方や発想を学ぶ。
あるいは、自分の専門に役立てるにはどうすればいいか?何が必要か?という意識を持ちながら学ぶという方法も、より効率的に実践的な情報を吸収しやすくなると思います。

そうなると、自分の頭をどのように使うのか?というのはとても大切なテーマになりますね。
身体はいろいろな使い方ができたほうが良いように、頭も同じなのだろうと思います。

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