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過ぎたるはなお・・・

ときどき見える女性が、右背部の痛みの相談で来院されました👩
朝は楽だけど、デスクワークを続けて昼から夕方くらいになると、右の背中全体が重苦しくなるとのこと。

趣味のダンスもできてはいたのですが、数日前から動きによって右腰辺りにピリッと痛みが走るようになったそうです。
「何か理由に心当たりはありますか?」と伺うと、特にないとのこと。
拝見すると背中一面が緊張しており、何と言うか、その方らしからぬ状態でした。

うつ伏せになって、首を動かしたり、左腕や左脚を上げると右腰(右腸肋筋停止部:第9・10肋骨)に痛みが走ります。
その部分を手技で緩めると、首や手足を動かしたときに痛みはなくなりました。
どうやら部分的に筋肉が軽い痙攣を起こしていたようです。

とはいえ、私はやはり腑に落ちませんでした。
脊柱起立筋だけが特に緊張して、他への連続性が乏しいのです。
通常だったら、もう少し広がりをもって機能障害が続いていることが多いですから🤔

もう一度、異動したとか、イスや机が変わったなど、特に仕事中に何か変わったことがないか尋ねました。すると、
「イスの座面にバランスディスクを敷いて座っています」
ダイエットと体幹の強化のために、しばらく前から使うようになったそうです。
それも、仕事の最初から最後までずっと😳

お話しを伺って納得しました。
長時間バランスディスクに座って作業をしていたら、そりゃムリもかかります。
だってトレーニングになっていますから。
右腰に痛みが出ていたのも、ディスクの上で左重心になり、右腰の筋肉で骨盤を持ち上げるような状態が続いたために起こったようでした。

私はお話ししました。
「トレーニングは負荷をかけて筋肉を疲労させますから、その疲労をちゃんと回復させるようにしないと、鍛えるどころか傷めてしまうことになるので、せっかくの努力がもったいないですよ。
 バランスディスクの上に座ったまま前傾姿勢を取っていると、負荷が少ないので疲労に気づかず、気がついたら奥までしっかり固まっていることがあります。
 低温火傷みたいな感じでしょうか😅」

「そーでしたか。
 ついついやり過ぎてしまうところがあるので💦」

結局、ディスクの上で固定した姿勢を長時間取らずマメに動かす。
時々はディスクを外して休ませてみるということになりました。

昔から『過ぎたるは猶及ばざるが如し』と言いますが、セルフケアやトレーニングに熱心な方ほど注意をする必要がありますね。

そして、何か腑に落ちないことがあったら、よく聞くことがやはり大切だと感じた今回のケースでした。

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