技術以前の触れ合い
定期利用されている男性が、小学生の息子さんと一緒にみえました。
施術中、息子さんがまじまじとこちらを見ているので、
「教えてあげるからやってみる?」と声を掛けたら、
近づいてきて私の話を真剣に聞いています。
お父さんの身体に触れて、気になったところを押さえたらジャストミート!
お父さんも嬉しそう。
子どもの方が余計なことを考えず、素直に感覚に従うから上手だったりします。
後日、男性が見えた時
「あれから息子が、家でもやってくれるようになったんですよ」と、
嬉しそうにおっしゃいました。
その姿を見て
「あぁ、やっぱりそういうことなんだ」
改めてそう思いました。
金八先生に「人と人が支え合って『人』という字になる」というような話がありましたが、手技療法は人と人の支え合いを体現しているものであり、スキンシップというもっとも原始的なコミュニケーションの姿でもある。
人間関係の基本、人間が社会的生物であるということを直接的に示すものでもあります。
仕事として使っていると、運動機能障害に対する効果ばかりを話題にしがちですが、それ以前の根っこの部分、意識下にあるような命と命の直接的な触れ合いによる双方向性の安心感。
それが、手技療法のいちばん大切なところ。
直接触れ合うことが憚られるようになった現代社会において、人間が動物として必要とされることではないかと思っています。
ちなみに、「人」という字のホントの成り立ちは人が横向きで立っている姿を現した象形文字。
「仁」が人と人が親密に接する姿を現しているので、そちらの方が支え合いに近いかもしれません。
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