【師匠からの教え】その1
僕は大学入学と同時にベースを始め、卒業後に神戸にある音楽専門学校に入学しました。専門時代の話はまた別の機会に。そこで出会ったベースの師匠からの教えを紹介していきたいと思います。
ベーシストからミュージシャンへ
当時の僕はそこそこ弾けると自分では思っていましたが、今考えると何にもわかっていませんでした。音楽を「ベーシスト」としてしか捉えられていませんでした。
師匠はいわゆるスタジオ系の仕事やプロデューサー、音響の仕事などもしていたので音楽に対しての幅広い知識がありました。
「今日からコピーバンドはやめて下さい。」
「カバーなら構わない。でもコピーバンドはやめてください。」
個人的な練習においてのコピーは意味があります。ただ、どれだけ忠実にコピーできたかを追求するコピーバンドはやるなよ、ということです。クリエィティブさを求められる仕事を長く続けてきたからこその教えです。
実際、バンドで演奏する際に原曲と同じか違うかは大した問題ではありません。その曲から何を感じ、自分ならどう評価するか?ということを考える方がミュージシャンとしては大切なことだと思います。
「ベースは1番最後に聞け。」
音楽を聞いているとつい自分の楽器の音に耳がいってしまいますよね。僕もそうでした。中には「ベースラインは歌えるけどどんなメロディーやっけ?」というものもありました。
ベースは単体で存在するものではないし、そのベースラインはその曲にマッチするように考えられたものです。何故そう弾いたか?という理由があるはずなんです。
それを理解するためには他のパートのアプローチを知らなければいけません。
どんなメロディー?
どんなリズム?
ギターはどんなプレイをしてる?
ピアノ(鍵盤)は?
それらを聞いた1番最後に「それならベースはこう弾こう!」となるわけです。
優先すべきは曲。ルート弾きのみがマッチする曲ならシンプルに徹する。空きスペースがあって何か入れた方がカッコよくなると思うなら、高音域でのフレーズを入れてみるのもいいでしょう。
自分が何を弾きたいかという意思は必要ですが、最終的には曲にマッチするかどうかです。
** おわりに**
今回は僕が師匠と出会って最初に教えていただいた2つについて紹介しました。まだまだ勉強中の身ではありますが、少しはミュージシャンらしい思考ができるようになってきたかな?と思います。
楽器問わず専門時代の先生方は全員ミュージシャンでした。他の楽器の先生であってもアプローチの仕方やアドバイスくださりました。
ミュージシャンとして成長するには音楽を理解する必要があります。音楽を理解すると、自分がやるべきことがわかります。あの時にベーシストから抜け出せたことに感謝します。