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#10 姉妹間の出来不出来に親はどういう感情を抱けばいいのかというはなし

私は2歳差の姉弟という2人兄弟の姉、夫は2歳差の兄弟の弟という兄弟構成で育って来た。そしてそこに生まれた我が子は2歳差の姉妹である。

兄弟で一番多いのが「2歳差」か「3歳差」の兄弟だと思う。だが2歳差と3歳差というのは育てる上ではとても大きな違いがある。親も子ども本人も無意識だがその役割は全然違うのだ。2歳差の兄姉は”超えられる”存在だが、3歳差は”超えられない”存在だ。


※一口に2歳差(2学年差)と言っても、1年1ヶ月差なのか2年11ヶ月差なのかでも全然違うけれど。2歳差:1歳後半〜2歳前半、 3歳差:2歳後半〜3歳以降という感覚で読んでいただければと思います。


下の子が生まれて少しした頃、2歳上の兄姉は2文語を話し出した頃。自分も喃語でそれに対抗することができるし、兄姉は喃語の弟妹と会話することができる。つまり対等な遊び相手になっている。下の子の離乳食の頃、兄姉もまだ一緒に「あかちゃん用せんべい」を食べて喜んでくれる。最近まで自分のものだった抱っこ紐が弟妹のものになってしまっても、本気でグズれば2歳は入ることができる。ベビーカーはまだ自分のもので、親は「上の子はベビーカー・下の子は抱っこ紐移動」で公園に出かける。まだ「二人の赤ちゃん」を連れている状態である。そして本人たちにもその意識がある。兄弟は対等なライバルなのである。

だが、3歳差になると変わってくる。3歳は今日あったことをペラペラと文章で話し、親の言うことに対する理解力もついてくる。赤ちゃん用のせんべいでは満足してくれないから、兄弟間で食べるものを分けなければならなくなる。抱っこ紐には入らないサイズになり、ベビーカーも子供によっては不要になってくる。親も「赤ちゃんと幼児」を連れている状態だ。親も上の子を育児の一戦力として頼ることができる。下の子から見ると、兄姉は敵わない相手である。そして上の子にとって3歳下の弟妹は「守って」あげるべき存在になる。

たった1年前後、下の子が生まれるタイミングが違うだけで兄弟間の関係は大きく変わる。



さて、冒頭でも話した通り、私も夫も娘も2歳差である。
2歳差を育てるということについて、下の子が生まれるときに夫婦で話し合いをした。2歳差で自分がされて嫌だったことは娘にしないというもの。
私(姉側)は「お姉ちゃんだから我慢しなさい」と言われるのが嫌だった。夫(弟側)は「身の回りのもの全てが兄のお下がりで、持ち物は兄の名前を消して自分の名前を書かれているのが嫌だった」ということ。そのことから、我が家では「姉妹を対等に扱う」というポリシーを決めた。

上の子のことを「お姉ちゃん」とは呼ばせなかった。(うまく喋れない1歳のころは「ねーね」と読んでいたが2歳過ぎにはねーねを卒業した)今でもだが、お互いが名前で呼び合っている。
服や身の回りのものを買いに行けば、2人同じ数だけ買った。好みが似ているのかお揃いが多かった。次女が強く希望した場合以外はおさがりの服は着せなかった。


まるで双子のように扱われていた2人は自宅学習でも同様だった。
「姉と妹は同じように勉強する(机に向かう)ことが当然」「同じ量のプリントをするべき」という認識があった。長女”だけ”にプリントや課題をやらせると、それは不公平だ、次女はズルいというようなことを言われた。長女を2歳下の子のレベルに下げるわけにいかないので、次女に2歳上の子と同じようなことをさせるしかなかった。
ひらがなの勉強をする4歳児の横に2歳児を座らせて一緒にひらがならしきものを書かせる。繰り上がりの足し算をする5歳児の横で、1桁同士の足し算をする3歳。長女が1年生ではじめたSAPIXの「きらめき算数脳シリーズ」を、対象学年が違うものの次女は年中からスタートさせた。

そのまま年月が経ち、幼少の頃から2歳上の姉と同じようなスタイルの勉強をした次女はとても優秀になった。。。
幼児教室のIQテストも、全国統一小学生テストも、次女の素晴らしい結果には驚かされた。(まぁ、まだ低年齢だからこれからどうなるかはわからないけれど)


同じように育てているうちに、はじめは「赤ちゃんが2人」だったはずが、いつの間にか「長女の年齢の子供が2人」とになってしまい、下の子にすごく背伸びをさせていた。


一番難しいのが親としての感情だ。その子の学年の中で、長女より次女の方が優れているということが増える。
長女が1年生で模試を受けた時は、返ってきた結果を家族で「すごいね、がんばったね、受けただけでも100点満点だねー」と褒めてあげられた。だがその2年後の次女の模試は、どうしても姉妹間で「比較」が発生してしまう(親がそうしなくても自分たちで気づいてしまう)ため、長女のときのようにはいかない。次女の結果は伝えていない。次女にも申し訳ない気持ちもあるし、同じように勉強しているのに結果が芳しくない長女の気持ちを考えて苦しくなる時もある。

幼児教室の先生や塾の先生との、テスト結果のフィードバック面談で、「次女ちゃんはすごいですね!!!!(キラキラ)… …長女ちゃんも、まあ、すごいですよ、うん、これだけ取れていれば十分ですよ」という含みを持たせた言い方に、必要以上に長女のことを貶されたような気分になってすごく落ち込む。


本音を言えば、2人とも同じIQ・同じ偏差値を取ってくれたらいいのに…と強く思う。親として比較したくない。
ずっと同じ偏差値で、同じ私立中学に合格して、同じ大学の同じ学部に行って、同じ会社に就職して、同じ評価を受けて同じ金額のボーナスをもらって、、、、なんて無理な話だ。自分で書いていて吐き気がする。

親が子どもを比較することはしたくない。でも、彼女たちにも個性がある。勉強も偏差値もひとつの個性だと考えるべきなのだろうか。どこまでを個性として比較して良いだろうか。
いや、比較が悪いのではなく、比較することで彼女たちの中にコンプレックスが生まれたり、姉妹間が不仲になってしまうことが悪いのだ。親として、姉妹仲良くして欲しいという感情が、姉妹に比較してしまわないことに直結してしまっていたのかもしれない。

同じ親から生まれて、同じ親が育てたのに、全然違う個性を持つ姉妹や兄弟。人と比べるではなく、それぞれにその個性を愛して、誇りにして、自分に自信をもって成長していってほしい。




さて、それを親としてどう振る舞うべきなのか……しばらくの課題だなと思う。



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こにゃ*小学生のハハ
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