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【Wikipediaを読む】「イケア効果」に考えさせられた資本主義経済の歪みとその解消の難しさ
イケア効果という言葉をwikipediaで調べてみると「消費者は部分的にでも自分で作ったものを不当に高く評価するという、認知バイアス。」と説明されている。
言葉のあやであることはわかっているが「不当に」という表現に少し引っかかってしまう。わざわざ「不当に」なんて言わなくたっていいじゃないか。そんなの、捉え方次第では自分で作ったものに対する評価の方が正当であり、他人が作ったものを不当に低く評価しているということもできる。
そちらの立場に立てば、本当は市場価格の方が不当な安値であり、ひいてはその価格を実現するために低賃金で働かされた家具工場の人が割を食っているだけということができるかもしれない。消費者は自分の手で物を作るという体験を通して正当な対価の感覚を取り戻したのであり、その感覚によって感ぜられた価格こそ「正当な価格」と言われるべきものとも考えられるのではないか。
市場原理によって付けられた価格より「その感覚」に付けられた価格の方が正当なものだとする価値観で考えるならば、当然すべての物の値段が高騰することになる。その商品に携わる人の数が多いほど高騰の程度は大きくなるだろう。しかし、それと同時に、ものづくりにエッセンシャルに関わる人の給料も高くなるので末端の作り手を経済的に優遇する方向の変化になるだろう。もしかしてこのアイデアは資本主義による富の偏在を解消できるのではないか。
しかし、このアイデアには大きな問題がある。それは社会的な合意形成の困難さだ。ものを作ることでしか獲得できない価値観を社会の全員に浸透させることは現実的でない。では市場原理によらない真の値付けをするにはどうしたらいいのか。やはり、自分の作ったものの値札は自分で書くことに尽きる。というか筆者はこれしか思いつかない。
ここまで書いてきて思ったが、筆者は自営業になった方がいいと思う。