僕と職場などでの人間関係
僕は職場で雑談をしない。そのため職場での人間関係はビジネスライクを絵に描いたような様相を呈しているが、それは僕が望んでそうしているわけではない。僕は飲み会は苦手だが本当は同僚と飲みに行きたいし、雑談にも気軽に混ざりたい。しかし僕にはそれができない。それは僕の能力不足によるところが大きい。僕の処理能力のキャパシティを10とすると、同僚のキャパシティはみんな15くらいはあるように見える。日常業務をこなすのに必要なキャパシティはたぶん12くらいなので、普通の人は残りの3を雑談に回せるが、僕は既に限界を突破しているので雑談どころではない。同じ職場で同じ仕事をしているのが嘘みたいだ。周りは普通の事務作業をしているのに、何故だか僕だけ突如として出現したゴジラに対処しなければならない自衛官のような緊迫感で仕事をしている。
ちなみに僕が一般的な「楽しい雑談」をするのに必要なキャパはおよそ8といったところだろう。だから雑談をしていると他の事をするキャパは2しか残らない。なので例えばマッチングアプリでマッチした女性とLINEを交換して通話することになったら、まずは部屋を薄暗くしてベットに横になり天井の一点を漫然と眺めながら体をリラックスさせて相手の声と自分の声以外のインプットとアウトプットを極力制限しなければならない。そうしてやっとの思いでデートに漕ぎ着けても残りキャパが2の状態では満足のいくデートにはならない。映画やプラネタリウムの前に「お手洗いとか大丈夫?」のような声かけをし忘れることはよくあるし、相手の靴を褒めていながら、その靴が歩きにくそうであることまで気が回らず、ちょっと長く歩かせてしまっていたことに後から後悔したりする。社会人になりたての頃、1年ほど付き合っていた2人目の彼女の家ではマツコデラックスの出演する「月曜から夜更かし」の録画を観ながら2人で晩御飯を食べるのが恒例だったが、キャパ2ではマツコのトークには到底ついていけないのだった。