「行き詰まり」から抜け出した先人たちの事例を知り、「確実に成果を出す」~膨大な「発明の生データ」が発明塾の強み
こんにちは。TechnoProducer 株式会社 CEO の楠浦です。
今日、お話しするのは、ずばり
「なぜ、企業内発明塾では、結果(成果)が出るのか」
です。
弊社は、企業内で定期的に企業内「発明塾」を開催し、そこで(主に)技術者の方に、新規事業や新規の研究開発テーマを企画立案いただき、社内提案していただくことを
「支援」
しています。企業内で、新規事業提案の場を運営する、そんな感じですね。まさに「塾」です。
成果が出る理由は、実際にはいろいろあるので、今日は
「その一つ」
の、ご紹介になります。
どれだけ準備しても「行き詰まり」は避けられない~模範解答を学んで憶えても、あまり意味がない
先日、4半期ごとぐらいで、e-Patent の野崎さんとご一緒している「本を語る会」で、以下の本を紹介しました。
非常に長い本であり、割と難解な本ですので、忙しい皆さまに、わざわざ読んでいただく必要はありません。ご参考のためにだけ、掲載しておきます。
この本の、主題の一つが
「行き詰まり」
です。
行き詰まりを乗り越える中で、対象についての理解が深まる、としています。オートバイのエンジンは、多くの部品が絶妙に組みあさった、非常に複雑な製品であり、それを理解するには
「マニュアル」
では足りない、実際に分解や修理を行い、その際に感じる
「行き詰まり」
のを乗り越えていくしかない、としています。
元オートバイのエンジン設計者として、全く同感です。
行き詰まりは、
「小さな失敗」
と言い換えてもよいでしょう。学生さん向けの発明塾では、この本を推奨しているのですが、その理由は
「発明も、まったく同じ」
だと、僕が感じているからです。どれだけ、発想法や発明法を学んでも
「どこかで行き詰る」
「躓く」
ことは避けられず、それを乗り越える方法を知らなければ、発明に至ることはできません。
「きれいな模範解答」
を見て、憶えても、あまり役に立たないのです。途中までは役に立つけど、行き詰ったらそこで終わり、というイメージですね。行き詰った状況では、模範解答は助けになりません。
「膨大な、発明の生データ」の蓄積と、そこから生まれた教材~発明のビッグデータが発明塾の強み
過去10年以上にわたって500回以上開催した学生さん向けの発明塾では、数百の発明が生まれています。それら発明が生まれた経緯は、すべて記録されています。
また、僕自身も現職になってから、投資ファンドの依頼で数百の発明を生み出しており、その経緯も、ごく初期のものを除き、すべて記録しています。
どれ一つとして
「すんなりと生まれた」
発明はありません。そして、毎回
「躓く点」
「行き詰るポイント」
は、異なっていました。
いや、異なっていると思っていました。実は、データがあまりに膨大過ぎて、これまで、系統立てて分析することが、できていませんでした。
昨年から、発明塾のOBの一人に、過去の発明データの整理にあたってもらいはじめました。すでに、2つの発明については整理が終わり、今は、3つ目の整理に入っています。他の発明や、楠浦の過去発明の過去データも参照しながら、整理されたデータを見ると
「行き詰まる点」
が、ある程度明確になってきました。その行き詰まりから
「どう、抜け出したか」
のデータもありますので、
「どういうところで、行き詰りやすく、そこからどう回復できるか」
具体的な事例で、明確に説明できるようになってきました。これまでは、楠浦の過去の記憶だけに頼っていましたが、それが
「データで、示せるようになった」
ということです。
2つの発明事例を用い、行き詰りからどのように抜け出すのか、抜け出す支援をするのかを詳細に解説した動画セミナーが、以下にあります。ぜひ参照ください。
やはり「行き詰まりは必要」である~行き詰まりが、自身の企画の「確信度」を深める
こういうと
「その行き詰まりを、回避できるんですね」
と思う方が居られるでしょう。
そう簡単ではないようです。
これも、既にデータがあります。
前半、スムーズに進んだ方は、後半、行き詰ります。
前半、行き詰った方は、後半、スムーズです。
単調に進むと、考えが深まらないのでしょう。
「確信」
が深まらないのだろうと、僕は考えています。
前半順調な人は、後半に
「ブレる」
傾向にあります。これは、特に企業内発明塾で顕著に現れます。
「どこかで行き詰り、それを乗り越えることで、思考と確信が深まる」
のだと、僕は考えています。
僕の経験も合わせて考えると、これでほぼ正解だろうと思っています。
まとめ~学生さんとOBOGの「行き詰まり」と「乗り越えた経緯」を知ることで、「安心して、躓ける」のが発明塾
結局のところ、
「それらすべての行き詰まり」
を、目の当たりにし、解消する手助けをしてきたのが、僕ですので、これまでは
「楠浦さんがいるから、発明が出せる」
という状況が、どんどん強化されてきました。
「楠浦さんがいないと、抜け出せないから、楠浦さんを呼ぼう」
「やっぱり、楠浦さんがいると発明が出るから・・・」
これの繰り返しですね。
おかげで僕は、
「最強の、発明助っ人/発明請負人」
になりましたが、OBOGが、あまり育ちませんでした。
これまでは・・・、です。
ちょうど1年がかりで、過去の発明データを整理しつづけた結果
「楠浦の支援で発明を出したことがあるOB・OG」
が、初めて発明塾式の発明に取り組む人を支援できる状況が、生み出せるようになりました。
「致命的な行き詰まりが、いつ、どういう形で起こり、それを、どう乗り越えるのが正しいのか」
が、可視化されたからです。現在、上記についての
「的確な助言を含む資料」
を、企業内発明塾参加者の方に利用いただけるように、なっています。
まだ、すべての行き詰まりを網羅はできていませんが、感覚的には、起こりうる、8割程度の行き詰まりは、カバーできているのではないか、そう思っています。
こういった事象は、いわゆるロングテールであることが予想されますので、100%カバーするのは難しいでしょうから、その部分は、引き続き
「僕を含む、エキスパート」
が、担うことになります。
発明のような、高度に知的で、非常に複雑な作業も、
「膨大なデータ」
と
「それを、一つひとつ読み解く作業」
を通じ、適切に導くことができることが分かってきました。
皆さん、ぜひ、企業内発明塾で
「安心して行き詰まって」
下さい。それが
「成功への王道」
であると、僕は考えています。
楠浦 拝
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