特許は「発明の論理づけ」が大事~「寄せ集めは特許にならない」のウソ
こんにちは、楠浦です。何名かの知財系の方とやりとりして盛り上がったので、こちらに備忘録を残しておきます。さらっとお読みください。法律の話はしません、したがって、この手の話につきものの「進歩性」の話とか、「寄せ集めで進歩性(特許性)が認められた判例(腐るほどあります)」とかそういうのも、今回は取りあげませんので、お気楽に流し読みください。
「寄せ集め」は特許になる?ならない?
ことの発端は、以下のツイートです。
ちなみに NAKAGAKI さんは、弁理士さんとのことです。お会いしたことはありませんが、ちょいちょい
「それそれ、そうなんですよ!」
ということをおっしゃるので、フォローさせていただいております。
よく、研究者(発明者)の方が
「既存技術の組み合わせでは、特許にならないんですよね」
とおっしゃいます。
「え、それ、どこで習ったの?」
という感じです。
結論から言うと
「寄せ集めであろうがなかろうが、適切に論理づけすれば、特許にできる」
というのが、僕の発明者・技術屋としての結論です。
NAKAGAKIさんは、以下のようにも仰っています。
寄せ集めた結果として出来上がったモノが、斬新であれば良い、というご意見ですね。専門家の間では、課題や効果、の視点から議論される部分だと思いますが、それも今回は割愛で。
「特許になるか」と考えず「特許にできるか」と考える
「既存技術の組み合わせでは、特許にならないんですよね」
という言葉を、再度取り上げます。まず僕が、
「もったいないな―」
と思うのは、
「特許になる」
のではなく
「特許にする」
のだということです。
「権利は勝ち取るもの」
です(ドヤ―
「特許」になるように、どう「論理づけるか」の勝負
意識してないかもしれませんが、特許になる(特許査定)の時に
「特許にしない理由が無いから、特許にします」
という通知が来るんです。業界用語では、拒絶の理由を・・・って言いますが、僕はわかりづらい専門用語が嫌いなので、今回は置いておきます。
最初、わかりづれーなぁ、何言ってんだ審査官こいつ(ブツブツ・・・)って思ってましたけど、、、これですよ、これ!
実は、特許が取りたいなら
「特許にできない理由がない」
状態をつくること、これが大事。
「特許になる理由をつくる」
のではない、ってことです。
意外に皆さん、理解してなかったりします。
「寄せ集めたいと思う人いねーだろ、これ!」って言えれば、あなたの勝ち!~無事特許権獲得ですー
なので
「寄せ集めかどうか」
は、論点ではありません(エッヘン
機械とか電気で発明したことある人ならわかりますが、ほぼ 99.9% 寄せ集めです。
そこじゃなくて、
「他の人も、そういう風に寄せ集めたいと、明らかに思うかどうか」
が論点で、その立証責任は
「審査官」
にあります。なので
「いえいえ、普通、これとこれを寄せ集めいる人はいませんよね」
「どこに、これとこれを寄せ集めたいって思う人がいますか?証拠だしてくださいよー」
と反論していくことで、審査官を理詰めで追い詰め(おっとシツレイ・・・)ていけば、良いわけです。
面倒ですか?
ちょっとした
「証明問題」
「論理的思考」
「ディベート」
だと思って、トレーニングがてら取り組めばよいんです。
審査官に
「論理」(ロジカルシンキング)
勝てたら、気分はサイコーですよ。お酒も進みます!
そういうの誰か教えてよ!って方に~発明提案書の書き方
最後は宣伝です(笑
ある化学系の企業の方からの強いご要望により、弊社の
「発明提案書の書き方」
講座の中に、
「寄せ集めを、寄せ集めって言わせない論理づけをする」
「技術的には難しくないでしょうけど、こんなこと普通は思いつかないでしょ!と説得する」
テクニックを教える章があります。
「そこまで教えます?」
私は最初に聞きました。僕は熟知してますけど、一般の技術者の方にはまだ早いのでは、、、あーそうですか、いえ、なんでもありません、、、というやりとりを経て、入れました。
「せっかくの発明なのに、特許にできないなんて、もったいなさすぎるから、特許にできる論理を、よく考えてほしいんですよ!」
ガッツある知財部の方に、感謝しております。
紹介動画をどうぞ。
お申し込み、および、講座詳細は、以下よりお願いしますm(__)m
もっと初歩の部分から、ちょっとした発明をガッツリ特許にするための論理づけのテクニックをあれこれ詳細に解説しているのが第3章、専門用語を交えて補足しているのが第5章です。
楠浦 拝