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TPNとPPNの違い

静脈栄養には、腕などの末梢静脈から投与する「末梢静脈栄養(PPN)」と、心臓に近い太い血管である中心静脈から投与する「中心静脈栄養(TPN)」があります。食事ができない期間が1週間~10日までの場合はPPNが行われ、それ以上の長期間にわたると予想される場合はTPNが選択されます。


中心静脈栄養輸液(TPN)


エルネオパNF1号輸液1000ml(開始液)
パントール注射液100mg
→(パントテン酸欠乏症の予防又は治療)
プリンペラン注射液10mg(メトクロプラミド)

TPNは、急に投与を開始したり、急にやめたりしてはいけません。通常は慣らし期間が必要で、血糖値などをみながら2~3日かけて徐々に投与量を上げていきます。まず糖濃度の低い開始液から始め、その後維持液を用いて1日必要量を投与します。

なぜ24時間かけて投与するのか。
TPNは1日に必要な栄養素を投与するため、糖濃度の高い液となります。高濃度の糖液を急速に投与すると、高血糖になる恐れがあります。投与した栄養素が十分代謝されるように、通常24時間かけて一定の速度で投与します。


ビーフリード輸液 500mL (本来は抹消から投与して使う)
ヒューマリンR注100単位/mL(インスリン)→高血糖予防
ファモチジン注射用20mg
リンデロン注4mg

ビーフリード輸液は、添付文書上は末梢静脈内に点滴投与すると記載されています。しかし、浸透圧が高く、末梢静脈から投与すると、一定の頻度で静脈炎が生じます。
抗がん剤を投与する場合、抗がん剤の血管外漏出のリスクの回避などを目的として中心静脈カテーテルを留置し、中心静脈から薬剤を投与することがあります。
中心静脈カテーテルが留置されている患者の場合、ビーフリード輸液を投与するためには、敢えて末梢ルートを確保して末梢静脈から投与する必要がありますが、静脈炎のリスクを高める可能性があるので、ビーフリード輸液を中心静脈から投与することがあります。


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