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最初の「エイリアン」が別格な理由

( ↓ 前半は、たぶんよく言われてること)
 1979年の映画「エイリアン」はヒットして、その後たくさんの前日譚、後日談、スピンオフを生んだけど、あたしが最初の1本が別格に好きなのは、エイリアンの被害にあってるのが、ほんとうに「そういう世界」とは関わり合いのない貨物の運搬の人たちだから。
 ほんと気の毒でしょうがない。
 彼らが愛おしい。
 また名優がちゃんと演じてるから成り立ってるのかと。

 ひょんな事で船にエイリアンを乗せちゃったから、しょうがなくありあわせで武器みたいなものを作って闘うけど、結局やられちゃう。
 そこも救いようがなくていい。

 ただ、ここまでならあの映画が好きな人は口を揃えて言ってることだと思うけど、あたしはなにより、エンディング曲が好きなのです。
(これも、こすられてる意見だろうけど)

 劇伴のジェリー・ゴールドスミスの曲ではなく、まったく映画と無関係な作曲家ハワード・ハンソンの 『ロマンティック』(の部分)という、なんともやさしい曲なのです。

 ただただ気の毒な乗組員の、命からがらたったひとりだけ残ったかわいそうな航海士がやっとのことでシャトルからエイリアンを追い出して、安眠に着く。
 やれやれ・・
 そこに、宇宙がオーバーラップしてフワ…ッとこの曲がかかりはじめると、1本の映画をじゅうぶんに楽しんだ満足感にもみたされるし、亡くなった登場人物たちへの哀悼も感じられる。

 この音楽の使用に関してはジェリー・ゴールドスミスが怒ったというような逸話も聞くが、監督リドリー・スコット(この作品がデビュー)には不義理してでもこの曲を使いたいというこだわりがあったのかと思うと、またひとしお。

 テレビの前にラジカセを置いてエンディング曲だけ録音して、何度も何度も寝しなに聴いたものです。
(ちなみに今もそうだが、テレビ放送ではエンディングロールはカットされるので、ビデオの再生時に録音している。
 ただ、昭和時代の当時はレンタルビデオが存在せず、渋谷のすみやで何万円も出して輸入ビデオを買いました。)

 なんでサントラ盤に入ってないのか、インターネットが普及するまでナゾを抱えていた。
 いろいろ明らかになって、あらためてハワード・ハンソンの 交響曲第2番『ロマンティック』をフルで聴いてみると、ちょっと思ってたのと違った。

 あの「部分」が良かったのですね。

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