【ファッション アイテム探訪②】ネクタイの魅力を知る人は少ない
年々ニーズが少なくなっているネクタイ市場。シルクといえど見た目ただの細い布ですから、「そもそも首を締めつけるやっかいな布切れなんていらない。」と思うのは、自然なことかもしれません。
しかし、個人的にはそんな布切れが数々のファッションアイテムの中でも最も好きです。なぜならネクタイ選び方、締め方はまさに千差万別。ビジネススタイルの中で最も人となりが出るものであるため見ていて楽しいからです。
また、選ぶ時には、全体の調和を大切にしながら、ベストを探さなければならず、気が抜けない、ややこしいものでもあります。知れば知るほど、なかなか奥深いなあと思わせるものでもあります。そこに洋服屋魂の琴線に触れるものがあり、私は大好きなのです。
ネクタイの歴史をみるとそれらしきものが登場する時代は古く、相当過去に遡らなければならないです。難しい歴史などみなさんの関心は薄いでしょうから、ザックリ簡単に話すと、装飾品だったり、防寒だったり、団体の象徴だったりしたものが広まって今の文化を形成するに至っています。
つまり、決して、管理するための首輪のようなネガティブなものではなく、人間の肉体の大事な部分である首を覆うシンボルのようなポジティブなものなのです。それゆえに、現代社会においては、ネクタイはその人のアイデンティティを表す重要なものとして認識すべきだと思います。
やや難しい話が続きました。
では、どのようなものを選べば良いのか?
そこでネクタイ大好き人間の私がオススメするものを紹介したいと思います。
ポイントは4つ
1.実はネクタイにはシーズンがある
2.色ではなく素材にこだわる
3.ネイビーにはじまりネイビーに終わる
4.ソリッドを制するものがネクタイを制する
具体的には、以下がオススメです。
春夏向き(シルクもしくはコットンやリネン混)
・ネイビーソリッドニットタイ
・ブラックソリッドニットタイ
通年向き(シルク)
・ネイビーソリッドタイ
・ネイビーピンドットタイ
秋冬向き(ウールもしくはカシミヤ)
・ネイビーソリッドウールタイ
・ブラウンソリッドウールタイ
・ブラックソリッドウールニットタイ
日本人は童顔です。ネクタイに遊び心を加えてしまうと、幼稚な印象になります。女性からのアドバイスを真に受けて、ピンクやイエローなどのパステルカラーを選んだり、フェラガモなどのカワイイモチーフのプリントタイなどを選ぶ前に、ベーシックカラーの無地のものを選んでください。
また、赤やサックスブルーなども基本からは外しておくことをオススメします。別に大統領に立候補する訳ではないと思いますので。
さて、気づいた方もいるかもしれませんが、レジメンタル(ストライプ)が入っていません。それは、英国においてストライプは元来クラブタイであり、所属を表すものだからです。自分の所属している団体のシンボルカラーが施されたレジメンタルタイ以外はあえて選ぶ必要はないでしょう。
どうしてもと言うのであれば、アメリカンスタイルの右下がりのストライプを選ぶといいでしょう。よく安倍首相がアメリカのブルックスブラザーズのレジメンタルタイを締めています。
いずれにしろ、とにかくストイックに装うことがとても重要です。
もう一つ重要なことがあります。
結ぶ方をもう一度見直してください。どんないいネクタイでも下手に結ぶと台無しです。数多くあるネクタイ結びの動画の中でベストなものを貼り付けておきます。
いかがだったでしょうか?
もちろんシャツやスーツ、靴との相性など細かい部分もありますが、基本的な知識としては十分だと思います。是非参考にしてみて下さい。