組織運営の技術
組織運営の技術と教育
組織運営の技術を実践するためには基礎を学んでおくことが必要です。組織を運営する立場のポストに就くことは個別の組織における人事に関わることなので、一般的な話で説明することは困難です。しかし、組織を運営するポストに任命されるときに、組織運営の技術の基本を身につけていることが必要条件であることは明らかです。
では、組織運営の技術の基本となる要素はどのようなものがあるでしょうか。基本中の基本は記録です。学校では授業のノートを取ります。仕事では毎日の業務にノートを使います。ノートを使って説明したり、打ち合わせ内容をノートに書きつけたりします。日々の出来事を書き留める個人的なノートがありますし、チームの作業内容を記録する業務日誌がありあます。このように毎日の出来事、電話、面会、訪問、会議、購入、受け取り、思いつきなどをノートに書き留めておきます。事実を記録するばかりではなく、思ったことや考えを書き込めば日記といえるかもしれません。
組織運営の技術に必要な記録は個人のノート、チームの日報、会議の議事録(ミニッツ)や抄録(ノート)、作業の完了確認書(Inspection Sheet)などです。それぞれの記録は誰が、いつ、何を、どのように記録すればいいのかを示す標準があります。いろいろな記録の取り方について、各自に任せるだけでは不十分で、標準的な様式と文章表現を学ぶことが必要です。学校の授業の一環として生徒の一人ひとりにノートの取り方を学んでもらうことは、同時に自分を表現する手段としての文章の書き方を身につけてもらうことでもあります。なぜならば、ノートに書くことで何をどのように考えているのか、その時の気持ちや意見がまとまってくるからです。いつか読み返すことがあれば、記録として残っている自分の成長の跡が見えます。
何かの折にノートのページをさかのぼっていつ、誰と、何をどうしたのかとか、ヒントや発想を探す時に見つけられなくて、あの時ノートしておけばよかった、という経験は誰もが一度はあります。メモをしなかったことにがっかりします。その時はたいして重要なことだと思えなかったからノートしなかったのです。しかし、重要だと思えなかったことが、時がたつと必要になってくることが往々にしてあります。組織運営の技術で求められる記録も同じです。記録してあったからわかることは多くあります。記録を参照することで将来の計画がより具体的にできるようになります。想定範囲内で組織を運営する技術のもとが記録だと言える所以です。
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