II – 3 会議(Meetings)
出席者(Attendance)
一人ひとりがそれぞれの団体や組織を代表して参加する国連や国会の会議は多くの人が参加する。家族代表が集まる町内会も同様に多くの人が集まる。プロジェクト遂行のために開催する定例会議や委員会、専門家会議にはプロジェクトのスタッフと関係者(Stakeholder)が出席する。会議の出席者は各部門を代表して、あるいは関係組織や団体を代表して会議に参加している。
組織内会議の場合は各部門の長が参加して会議後に決定事項を部門内で伝達する。関係する組織を招集して開催される外部会議には、各代表は副を伴って複数(2~3人)で出席ことが必要だ。複数で会議に臨むのは、不測の事態発生に備えるとともに誤解を避けるためだ。
通常、プロジェクトの部署が10を超えることはない。部署が10を超えるプロジェクトの作業担当部署を一人で統括するのは、各作業の責任を一人で負うことになるので困難といえる。作業担当部署が10を超えるプロジェクトチームでは作業部署をいくつかのグループにまとめてそれぞれに統括者を置く必要がある。まず、プロジェクトを直接部門と間接部門と管理部門の3部門に分けて、作業部署をそれぞれの部門に所属させ、各部門には統括者を置く。作業担当部署の統括者(Section Manager)はプロジェクトの責任者と直接指示・報告関係にあるので副責任者といえる。
プロジェクトの特定作業に関係する専門家の専門分野も通常10を超える専門分野が関係するプロジェクトの作業はない。プロジェクトの関係団体についても同様に、10を超える団体が同時に関係するようなプロジェクトの作業は少ない。したがって、プロジェクトの会議が必要とする出席者は、それぞれの責任を伴う代表者に限るとすれば10人を超えることはない。
大きな組織では部門が20を越え、一人でそのすべての部門を総括することがある。総括を可能とするのは各部門長が部門内の業務を委嘱されており、部門内の業務に対して全責任を負うことが義務付けられているからだ。したがって、組織の全体会議では全部門長とその副職が出席するので、50人を越える大きな会議となる。
多数の人が参加する大きな会議では前列には各部門を代表する人が着席し、後列には多数の関係者が着席している。後列の人が発言することはないので、前列の人たちと同じ立場で会議に参加しているわけではない。後列の人たちは出席する必要が本当にあるのだろうか、会議の議事録に出席者として記録されるであろうが。会議は責任を持つ関係者が集まり問題解決への方向を協議する場なので、討議に参加しない後列の人の多くは出席の責任もなくただ参加しているだけといえないだろうか。
上司から出ておいたほうがいいと言われ、各部門から多数が出席する会議がある。かかわりのありそうな部下に会議への出席を求めるのは、上司としての責任を果たしていない証拠といえる。あいまいな立場で会議に出席する人が発言することはない。出席しているだけだから、会議が終わると「時間の無駄だった」という発言となる。会議には担当部門の責任者が出席すればよく、会議に出席した責任者が会議の決定事項報告や指示を部下に伝えればすむことである。
伝統的な多人数が出席する会議に生産性の低さが表れているといえないだろうか。