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1月11日(木) 天気:晴れ 山羊座新月

久しぶりの快晴。それだけで心躍る。今日は母親の大腸内視鏡検査の日。検査後1時間ほど安静にしていなければならないということで、私が送り迎えすることに。行きの車は二人ともそわそわしていた。とりあえず笑顔で送り出したが、気が気じゃなくてその足で近くの大好きな神社に向かう。初詣で訪れたときにはこんなことになると思ってなかったから、あのときとは違う心持ちで参拝した。「神はいない」と思わされるような出来事が続いているが、それでも神に祈るしかないときもある。参拝の最後、「それが運命なら受け入れます」と自然と言葉が上がってきて、覚悟は決まったように思う。

迎えの時間までは一時間以上あった。当初は一度家に戻る予定だったが、気が変わったのでこのまま近くを散策することにした。小さい頃からもう何度も来たことのある慣れ親しんだ町だけど、改めてゆっくり歩いてみると違う県に来たかのような新鮮さがあった。私の求めていた景色は意外と近くにあるのかもしれないと痛感した。いつもはやることなんかに囚われてじっくり見る余裕がないだけで、探し求めているものは案外近くにずっとあって、気づいてないだけだ。
見慣れないおむすび屋さんがあったので立ち寄り、おむすびを持ち帰りにしてもらい近くの防波堤に腰掛けて食べた。目の前に広がる波のゆらめきと光のきらめきをただぼーっと眺めながらおむすびを食べる。「ああ、幸せだなあ」と心から思った。
明らかに私は生きるのにも働くのにも向いていない。両親は高齢なのに、何年も休むことなくずっと働きに出ている。かたや私はもう何度も休みを経験している。今だって憧れの職を辞めて無職だ。そこと比べて、自分はなんてだめなんだと思う日もある。でも、こういう景色を眺めながら幸せだと思えるこの時間は何にも代えがたい。このゆとりを得るためにも、次の仕事は本腰を入れすぎないものにしよう。思い返すと、一昨年校正の仕事をしていたときは毎日日記を書く余裕も運動をする元気もあった。正社員じゃなくても、毎日小さな幸せを感じられる仕事を見つけよう。
帰り道、ちょうどスタッフ募集の張り紙がしてあるお店があったので心に留めておく。

母親の検査結果は、異常なしだった。ポリープは見受けられたものの、摘出する必要はないというものだった。ひとまずは安心だ。当たり前の日常はすぐ壊れるという可能性を実感させてくれたこの年始の出来事はある意味目を覚まさせてくれたように思う。

帰宅後、ここ数日は大好きなビールも飲む気になれなかった母親がようやく元気を取り戻してケンタッキーを買ってお祝いがてら食べる。いつ何があってもおかしくないし、まだまだ嫌いなところもたくさんあるけど、それでもいま一緒にいることはなにかの運命だと思って日々過ごしていく。
明日は美容院に行くぞ。

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