[一語一会 #17] 宝くじ

自分のお金で絶対に買わないもので，仮にランキングを作った時に，五本の指に入るのが，違法薬物，タバコ，パチンコ玉，お酒，そして宝くじである．これだけで性格がちょっとわかりそうなランキングなので，やってみてもいいと思うのだが，現実的には「ない」ものという否定で入ると，当てはまるものが相当数あるので，あまり厳密なランキングとは言えないかもしれない．

一応理由的なものを説明するとすれば，以下の通りになるだろう．
まず，違法薬物は違法なので絶対に手を出さないようにしたい．
そして，タバコは身体，特に喘息に悪いし，周りにも迷惑をかけるのでやらない．
お酒もまたしかりだが，こちらはおいしいとも思わないのでそれよりはスイーツ等にお金をかけたい．
パチンコ玉と宝くじはギャンブルなのでやらない．
以上である．

と言い切ってしまうのも宝くじに申し訳ないので，もう少し言葉を加えることとしよう．

パチンコやカジノなどがギャンブルであること，したがって，プレイを繰り返せば，基本的にはプレイヤーが投下した分を儲けることはできない仕組みになっていることは，疑う余地はないだろう．なぜなら，もしそうでなければ運営側が儲からないからだ．確率的な考え方を適用して，期待値と呼ばれるものを求めれば，一目瞭然である．

私はこの論理が，宝くじにも当てはまると思う．すなわち，ギャンブルの一種なのだと思う．(こちらでも期待値を計算すればいいだけである．)

一方で，宝くじでロマンを買っているんだ！という人もいる．
なるほど，確かに一度大金が当たれば，個人としてみれば(普通は)大儲けであり，いいのだ！ということなのだろう．

この対比を見たときに(そして前述のランキングに出てくるものを見たときにも)，私の性格が浮かび上がってくると思うのだが，要は安定志向で現実的なタイプなのだ(と思っているのだが…もし違ったら教えてほしい)．

宝くじを含めてギャンブルは大金持ちになれる可能性よりも，マイナスになるリスクが大きすぎるように感じるのでやらないと心に決めている一方で，株式投資はやっている．
株式投資は，もちろんデイトレードやベンチャー投資などハイリスクハイリターンでギャンブル性の高いものもあるが，中長期投資として自分の資産に対する割合を決めておくなど，ある程度頭を使ってやれば(特に日本の銘柄は)それほどリスクは大きくないし，少なくとも銀行に預けるよりは儲かる話だと認識している．何より自分の頭を使いつつ実際にお金を動かすことは面白い．

もちろん，リスクや冒険が好きな人に，安定を強要するわけではない．(依存かもしれないということは置いておいて)そういう行動そのものに価値を感じたりするのであれば，それはそれで合理的であると思う．

ただし，少し頭をひねって考えればわかることなのだから，ここ三十年あまり経済成長していない日本で，人生百年時代を迎えるにあたって，もう少しお金の使い道に関しても考えてみて，合理的かつ計画的に(貯蓄という選択肢も含めて)勝負をしていくこともよいのではないかと個人的には思っている．