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『ちいかわ』草むしり検定の難易度を真面目に考察!

『ちいかわ』を初めて読んだとき、筆者は「不思議なグルメマンガだなあ」と思っていました。
コミックスの第1巻に、食べ物や飲み物がたくさん出てくるからなんだけど、「飲食物が出てくるからグルメマンガ」という短絡的な発想はどうなんですかね、自分!?

空想科学研究所に新しく入ったさなえさんに「もっとよく読みましょう」と、読書感想文を直される小学1年生みたいに指摘されて、第2巻、第3巻……と読み進めるうちに、おお、ようやくわかってきました、『ちいかわ』の魅力。
かわいいし、楽しいではないですか。

主人公の「ちいかわ」は、「なんか小さくてかわいいやつ」を略した名前で、ハムスターのような違うような、ちょっと正体不明の生き物。
すごく臆病だけど、優しくて、些細なことで喜んだり、落ち込んだり……。
意外とクジ運がいいみたいで、「むちゃうまヨーグルト」の懸賞で当たった家に住んでいる。
とっても友達思い。

友達の「ハチワレ」はネコに似ているけど正体はナゾで、洞窟に住んでいる。
その出入り口に扉はなく、明かりはランタン1個で、布団は粗末なゴザで、机は古い段ボール箱。
でも、部屋にはいつも花が飾ってあるし、趣味はカメラだし、友達には惜しげもなくコース料理をふるまう。
人見知りのちいかわの気持ちを汲んで、他の人に伝えてあげたりすることもある。

もう一人の友達の「うさぎ」は、その名のとおりウサギ。
食いしん坊で、テンション高め。
言葉は話せなくて、「イ~ヤァアッハァ~~ゥラララララ」と、歌うように奇声を発するけど、「討伐」では活躍するし、草むしり検定3級だし、トランプの扱いはうまい……など、いろいろ隠れた能力を持っている。
個性的で頼りになるヤツだ。

この3人のつましい日々を、心のヒダをくすぐるようなエピソードで描くのが『ちいかわ』なんですね。
彼らとときどき接する優しい鎧さんたちや、「討伐」№1のかっこいいラッコや、ちょっと困ったモモンガ……などなどのキャラも味わい深い。

と書くと、ひたすらカワイイ世界みたいだけど、決してそうではないところが、この作品の面白さでもあり、筆者がココロ惹かれるところでもあります。

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