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英語コーチングのスモビジは稼げないので調査段階でやめた話

スモールビジネスの教科書という書籍を読み、英語コーチングでスモールビジネスの立ち上げをできないか?と思ったものの、稼げないと判断してやめた話です。

色々調べたこともあり、せっかくなので供養です。

素人の分析なので、ご了承ください。ご意見はとてもありがたいです。

結論として、マンツーマンの英語コーチングはスモビジで1人でどんなにあがいても年間売上1,000万円を超えないのでは?という所感です。

そして、この分析は筆者の超推しである大手町のランダムウォーカー様の書籍から着想を得ました。この書籍のおかげで、素人でも有価証券報告書等のIR資料にストレスを感じなくなりました。

筆者は推しすぎて5冊持っています。


きっかけ

「プログリット」を筆頭に、大手の英語コーチング会社は3ヶ月のマンツーマンの英語コーチングを約60万円で提供していることを知りました。

コース・料金

3ヶ月で60万円、高くないか?

マイナーチェンジ版を安く提供すれば、プログリットのような高価格サービスにお金を支払うことができない層に売れるのでは?

と思い、下記の教えに従い調査を開始しました

「儲かっているプレイヤーが捨てたゴミを拾いなさい!」

スモールビジネスの教科書

立ち上げの判断基準

立ち上げの判断基準を決め、英語コーチングのスモールビジネスがこれらを満たし、立ち上げる価値があるかを判断するために、調査を開始しました。

調査方法

主に下記になります。

Xで募集し、ありがたいことに多数の応募をいただきました。クラウドソーシングサービスも使いました。


判断基準1. 自分の能力でマイナーチェンジ版であれば提供できるか?

サービス内容と講師の質を調べることに加え、自分でもテスト的にサービスを提供してみて、能力的に問題が無いかを確認しました。

サービス内容

英語コーチングは、マンツーマンコーチが受講者に対して下記を例としたサービスを提供します。

・学習目標設定
・毎週の打ち合わせで学習進捗やスケジュール設定
・毎日のシャドーイング添削や質問、学習管理
・サービスによっては専用学習アプリ

アプリ以外の部分の有料テストサービスを顧客に提供してみた結果、自分でもできることがわかりました。

講師の質

プログリットの募集要項では、入社後はTOEIC950以上が必要のようです。

募集要項

筆者は
・学生時代の専門が応用言語学
・腐っても論文なるものを一応書いている(質が良いとは言っていない)
・上司が外国人で日々英語を使う
・TOEIC970
ということもあり、問題無しと判断しました。

結論

アプリ以外は提供可能、募集要項の講師の条件も満たしていることがわかり、今の自分の能力でマイナーチェンジ版であれば提供できると判断しました。

判断基準2.  副業で開始できるか?

結論

調べるまでもなく、スモールに始めるのであれば稼働時間は本業に影響を与えないため、副業で開始できると判断しました。

判断基準3. 英語コーチングが本業になった場合、会社勤めより稼げるか?

ここは非常に重要です。今より稼げなければ意味がないからです。

大手のプログリットをベンチマークとして公開情報から調査しました。プログリットのおこぼれを狙うためです。

プログリットのサービス

プログリットは、大きく事業を2種類提供しています。

  1. 英語コーチングサービス

  2. サブスクリプション型 英語学習サービス(以下サブスク)

2024年8月期 第1四半期 決算説明資料

2つの事業のうち、1の英語コーチングサービス事業の売上を、正社員数で割り、一人当たりの売上高を試算します。

データは有価証券報告書やプレスリリースから用いました。

2のサブスクは英語学習アプリ+契約社員のシャドーイング添削サービスです。下記の図の通り、アプリの開発以外は契約社員のマンパワーで売上が立つため、今回の試算からは除外しました。

2023年8月期有価証券報告書

一人当たり年間売上高

英語コーチングサービスの売上を、正社員174人で割りました。

大手ブランドで最も高価格帯サービスを提供していても、正社員一人当たりの年間売上高は1,202万円です。

2023年8月期有価証券報告書

開発やバックオフィスの従業員を除いた、純粋なコンサルタント数120人で割った試算でも、コンサルタント一人当たり年間売上高は1,744万円です。

ちなみに、プログリットは講師をコンサルタントと呼ぶそうです。

2023年8月期有価証券報告書

個人の英語コーチングは費用がほぼ発生しないことが想定されるため、売上=ほぼ利益になることを考慮しても
・スモールビジネスは大手より安くサービスを提供する
・プログリットはブランドによる高単価サービスを提供できている
・プログリットの英語コーチング事業の売上はBtoBの売上も含んでいるため一人あたり売上高がBtoCのみの場合より大きくなる
という理由から、年間売上(利益)は1,000万円を超えそうにないのでは?感じました。

結論

会社員でいた方が良いため、立ち上げの価値が無いと判断をしました。

英語コーチングサービスの購買決定要因

結論として立ち上げは無しになりましたが、せっかくなので購買決定要因を調査しました。

顧客セグメント

喫緊で仕事において英語が必要になったものの、効果的な英語学習の方法がわからないビジネスパーソンです。

上記顧客セグメントが持つニーズ

とにかく短期間で英語力を最大化して、英語力が原因で仕事に悪影響を及ぼすことを回避することです。

購買決定要因

このサービスであれば結果が出るであろう、という信頼性だと考えました。

信頼性の構成要素は下記だと考えました。
・結果が出ることが想起されるブランド
・ブランドにより正当化される高価格なサービス

公式HP

ブランド

例として、本田圭佑氏が公式アンバサダーとして起用されています。本田圭佑氏といえば、努力、コミットメント、等々が想起されます。

本田圭佑氏が推しているサービスと知り、中途半端なサービスだとは思わないでしょう。

値段

高価格にすることで、購買者に対して下記のような思考をさせることができると思います。

・後には引けない状態に自分を追い込むことができそう
・高ければ高品質に違いない
・よって、結果につながるだろう
という思考です。

スモールビジネスが購買決定要因を満たせない理由


個人の英語コーチングが高価格の値段設定をしても、誰も購買しないと思います。

ブランドが無いから当たり前です。対抗するには大谷翔平を起用するしかないです。

ライト層は市場にいない

下記の教えに従い、ライト層へのサービス提供も考えました。

儲かっているプレイヤー、つまり購買決定要因を満たしているプレイヤーとどうやって戦おうかと不安になってしまうと思うが安心して欲しい。儲かっているプレイヤーは最も儲かる顧客セグメントに注力し、収益性の観点から次点になる顧客セグメントの優先度を下げるため、そこには攻撃の機会が必ず存在する。

スモールビジネスの教科書

趣味、長期休み、旅行が控えている、等々で英語を学習したい層は、喫緊で英語力を上げる必要がないです。これらの層をまとめてライト層と定義します。

ライト層は短期間で英語力を上げる必要はないため、安く英語コーチングサービスを提供したとしても、購買されないでしょう。

ライト層向けの英語コーチング市場は存在しないのだと思います。

仮にこの分析が間違っていて万が一市場が存在していたとても、収益性の観点から参入はしないです。

稼げそうな英語コーチング

マンツーマンの英語コーチングサービス以外であれば、可能性はあるのか?と考えてみました。

1. グループ英語コーチング


単純に、マンツーマンより時間単価が上がります。

Garibenというサービスがグループ英語コーチングを提供しているようです。

2. 英語コーチング情報商材


一般社団法人英語コーチング協会なる団体があるらしいです。英語コーチの卵に全8回の講義と資格を2ヶ月間で25万円で提供しているようです。

Zoomを使いグループ講義をしているようで
・時間単価が高い
・物理的な教室等は不要で固定費無し
・同じカリキュラムに沿って何度も教えるため、提供者側の負担が少ない
という、素晴らしいビジネスです。

3. 英語コーチングの営業元請け

自社ブランドを使い英語コーチング案件を獲得し、契約社員に案件を流すスタイルであれば、自らは稼働せずにマージンで稼ぐことができます。

しかし、案件獲得のためのブランドが必要であるため、スモールビジネスには難しいと思います。

まさに、プログリットのサブスクサービスがこれに当てはまります。プログリットのブランドを使って、サブスク案件を獲得しています。

サブスクは実質シャドーイングのコーチングで、契約社員が指導するため、プログリット本体が稼働する必要がなく、低コストでサービスを提供してマージンで稼げます。

終わりに

英語コーチングのスモールビジネスを思いついてから、下記3つを同時並行で実施し、2週間でやめる決断をしました。

スモールビジネスの審美眼があればもっと早い決断をできていたと思うので、精進です。

最後に、、、英語のマンツーマンコーチングのスモビジはやめておきなさい!

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