MongoDBのDBaaS売上比率の上昇から、xaaS転換が原価率に与える影響を考える
昨年こんなニュースがありました。MongoDBのDBaaSであるAtlasはいろんなクラウドで動かせるため、どこかのクラウドが落ちても大丈夫な機能を追加したことが話題になりました。
MongoDBのマネージドサービス「MongoDB Atlas」を提供しているMongoDB社は、MongoDB Atlasの新機能としてAWS、Microsoft Azure、Google Cloudにまたがるマルチクラウドクラスタ構成の実現を発表しました。(引用:MongoDB AtlasがAWS/Azure/GCPにまたがるマルチクラウドクラスタ構成をマネージドサービスでサポート。特定のクラウドが全部落ちても影響しない運用が可能に)
本記事は、DBaaSの売上が伸びているMongoDBの原価率がなぜ微増したかという内容です。
最初に結論を言いますと、従来の商用データベースソフトウェアライセンスのサブスク売上に加え、2016年に開始したデータベースクラウドサービスのサブスク売上高と売上比率が年々上がっている状況であるため、クラウドサービス提供にAWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformを基盤として使うことから、それに伴い原価率が少し上昇しているといった内容です。
息切れしますね、、、はあ疲れた。
駄文で恐縮ですが解説していきます。技術者ではないので大目に見てください。
そもそもデータベースって
データベースの意味
データベースとは、データを1つの場所に集約し、保管・管理だけでなく、参照したいデータを簡単に抽出できるようにする「箱」のようなシステムです。(引用:IDCフロンティア)
このnoteのユーザー情報も記事もなんらかのデータベースに格納されているはずですね。
世の中にはいろんなデータベース管理をするソフトウェアがあります。通称DBMS (Database Management System) を提供する会社があり、有名なのがOracleです。MongoDBもそのうちの1つです。
従来はユーザーが主導権を持ってサーバーの上でDBMSを使いデータベース管理するのが一般的でしたが、新しく出てきたのがDBaaSですね。
DBaaSの意味(Database as a Serviceの略)
Database as a Serviceの略。ネットワークを経由し、データベースをサービスとして利用するクラウドコンピューティングサービスの一種。(引用:東京エレクトロン株式会社 用語集)
要はユーザー企業ではなく、MongoDBのようなサービス提供企業がDBMSでデータベースを管理し、ネットワーク越しにソフトウェアを使えますということですね。
ざっくり説明したところで、本題です。
MongoDBの売上内訳
MongoDBはDBMSを提供している会社で、売上の9割はそのサブスクです。残りの1割はデータベースのデプロイをするサービスです。
デプロイとは簡単に言えば、対象のシステムを利用可能にすることです。
今回は売上の大半を占めるサブスクの中身を見てみます。
サブスク売上の構成要素は2つです。
①商用データベースソフトウェアライセンス
商品名:MongoDB Enterprise Advanced(EA)
ユーザー企業が使っているクラウドやオンプレの上で動かすことができるDBMSです。従来はこれ一本でした。
②DBaaS
商品名:MongoDB Atlas (Atlas)
AWS、Microsoft Azure、Google Cloud PlatformでMongoDBがDBMSを管理し、ネットワーク越しにDBMSの機能を提供する。
DBaaSのAtlasがどんどん伸びています。
DBaaSにパブリッククラウドを使うため原価に影響
MongoDBは従来通りのDMBSのソフトウェアライセンスに加え、2017年1月期にパブリッククラウド3強のAWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformを基盤にしたDBaaSを提供し始めました。
MongoDBがサービス基盤としてパブリッククラウドを使うということは、パプリッククラウドに利用料を払う必要があることを意味します。
利用料は原価に入ります。
その影響もあり年々微増ではあるものの、サブスク売上の原価率が5年前と比較して7%上がっています。
先日のCFOコメントでは、インフラ部分(クラウド利用料)が影響して粗利率が落ちているとのコメントがありました。しかしそれは承知の上で、結果には満足しているようです。
Overall, we were pleased with our gross margin performance, which is negatively impacted by Atlas becoming a bigger portion of our revenue. As you know, Atlas has lower gross margins than Enterprise Advanced because of its infrastructure component. (抜粋:MongoDB's (MDB) CEO Dev Ittycheria on Q4 2021 Results - Earnings Call Transcript)
2020年1月期の決算でも、原価率が上がる可能性があるとの記載がありました。
We expect that the growth of MongoDB Atlas may reduce subscription gross margin due to the third-party cloud infrastructure costs we incur associated with our DBaaS offering.(抜粋:MongoDB Form 10-K)
まとめ
おわりです。ありがとうございました。