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セルフライナーノーツ「BlueMonday」

こんにちは。
表題にあるとおり、突然だけど自分の今までの作品について語りたいなと思う。

前説

自作を自分で解説することは恥ずかしい。
そもそも自分を語ることに恥があるし、自分と表裏一体でもある創作について語ることもイコール恥だと思っていた。
そもそも、自作を語ったとしても、誰も興味ないだろ・・・自惚れるな・・・とセルフ虚無に陥ってしまうため、あまり語らずにいた。
ただ、くるりの岸田さんのセルフライナーノーツを読むと、「あぁ~そういう感覚で作ってたのね」「そういう情緒で作ってたから、こんな歌詞になるのね」とか、新たな発見もあり且つ面白い。これは、自分も書いてみたい!と思うようになった。
俺は、主人公に自分の思いを乗せまくる系の漫画描きなので、漫画自体が日記としての性格がある。もちろん基本フィクションだけど、感情をストーリーに乗せているので、なんでテメェの感情をこのストーリーに乗せたのか?何でテメェの感情をこのラストにして語ろうとしたのか?そういったところは自分しか知らないし、ブラックボックスになっている。
ただ、そのブラックボックスも経年劣化で記憶が亡失しつつある。完全に亡失するまでに、記憶を辿って、自分のためにも記録として残す必要があるなと。すみません自己満です。

Blue Monday

2019年1月作成。25歳頃に描いた初ストーリー漫画。

当時、日々の鬱屈とした思いをお気持ち表明4コマとして描いてはTwitterに挙げ、2いいねくらい来ては狂喜していた時期。一方で、社会人3年目の俺は、今後社会の歯車として漫然と生きて、振り子のように満員電車に揺られ、歴史に名を遺すこともなく、死んでいくんだろうなと緩い絶望をしていた頃。ただ、俯瞰してみるとそこまで絶望でもなく、彼女もいるし、友人もいるし、金曜日は仲のいい同期と飲んで、はたから見たら幸福の日々なんだけど、そこはあえて目を瞑って「俺は緩い絶望状態なんです」と被害者ぶっていた時期だったと思う。

同時期に、大学の先輩がバンドでアルバムを出したり、ライブでめっちゃいい演奏をしていたりするのを見ていた。
ライブ会場でギターを弾いて歌う先輩と、それを見てノッたり一緒に歌ったりしている観客を見て、「俺もなんか創らないと」「俺も歴史に名を遺さないと」という青臭い感情がふつふつと沸いた。
俺は、緩い絶望に打ち勝って、確固たる自分の碑みたいなものを野毛のもつ焼き屋に打ち立てるしかない!・・・漫画を描くしか・・・!
ただ、今まで物語を作ったことがなかった。
どういう風に描いたらいいのか分からない。
どこから考えればいいのかわからない。
漠然としたイメージはあるものの、それを具体化して漫画に落とし込むことまではなかった。俺は、なかなかストーリー漫画を描けずにいた。

そんな中で、レニちゃんというVtuberの楽曲のジャケットを描く機会があった。
コミティアで初めてレニちゃんの運営的な人物に会って、軽く挨拶をした後、こう言われた。
「くそごりさん、ストーリー漫画描いてくださいよ!」と。
そんなことを面と向かって言われたことはなかった。
今まで、お気持ちをヌルヌル描いているだけで、ストーリーなんか描けるわけがないと、勝手に枷をはめていた。
「あぁ、、、おれも物語作れるんかな」
そんなことをゆりかもめ線の電車に揺られながら思い始めたら、新橋に着く頃には、もうストーリー漫画を描くことしか考えられなくなってた。
描かないと!これ描いて死ね!みたいな。

ただ、実際何を描こうか。物語・・・・
俺、何描きたいのかな・・・
当時、俺は社畜で、憂鬱な通勤時間を如何に過ごすか。
満員電車に揺られながら聴く音楽が唯一の救い。
そしてその時は、ずっとNew OrderのCeremonyを聴いていた。

 この曲を延々ループ再生して、京浜東北線の新橋から桜木町の区間を凌いだ。単純に沁みる。俺の葬式にはこれを流すと決めている。
そして偶には、他のNew Orderの曲を聴いてみる。プレイリストを順に。
流れてくるのは「BlueMonday」。New Orderと言えばこの曲だ。おそらく、中学生くらいの時にNew Orderの楽曲を初めて聴いた曲もこれだ(もしくはtemptation)。
もう何年も聴いてなかったけど、やっぱり改めて聴くと・・・

さほど良くねぇ・・・

なんか、ダサいよね?俺だけ?いや普通に好きだけど。
曲ができた経緯とか、Joydivisionからの繋がり、BlueMondayというタイトルのカッコよさ、その全てが心の芯を食うような音楽かと思うよね。
でも、初っ端のダサいディスコ音・・・なんだこれは・・・
(いや当時は先進的だったんだと思う)

さほど良くねぇ・・・
さほど良くねぇ・・・

これだ!結末が見えた!
主人公にBlueMondayを聴かせて「さほど良くねぇ」と言わせよう、そして次の日が憂鬱な月曜日だ。そのためには、女の子に振られよう。女の子に振られてBlueMondayを聴いて、次の日が憂鬱な月曜日だ。なんて美しい物語なんだと思った。

そんな感じで、桜木町駅で下車して、アパートに帰って描いた漫画がこれだった。気がする。

p.s途中で飽きたので一旦ここまでとします。書きたくなった追記します




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