最後は直感だ。と言われた日から
人は一日に9,000回もの選択をしている。
いや、調べてみると3万回とか6万回という説もあるそう。
選択の機会はそんなたくさんある一方で、一日に決断できる回数には上限があるようだ。生きるって大変。
そう言われたところで日々の行動が大きく変わるわけでもないのだけれど…。
学生だった私は、第一志望だった企業に内々定を頂いてからも就活を継続していた。
この会社で働くことを憧れていたことは面接でも伝えていたので、内定者イベントで人事の方に会っても、就活を続けていることを打ち明けることができなかった。
ただ単に、自分が知らない世界を見て回れることに楽しさを感じたり、客観的な視点で、これから働くこの会社の良いところを見つけておこうと思っていたが故に、いろんな会社を見ていただけのつもりだったのだが。
同じく内定者の中には、まだ他の企業と迷っている人がいたのだろう。
採用担当者に向けて、「なぜこの会社を選んだのか」という質問が内定者から飛んだ。
会社の魅力を語ったあと、『結局、最後に頼れるのは直感だ。』
と、さらりと付け加えた。
3ヶ月ほど経った頃、別の企業から内々定を頂いた。
既に目的を果たしていた就活だったが、思わぬ吉報に心が揺れ動いた。その企業に魅せられていたから。
第一志望だった企業に電話をかけると、いつもの人事の方から辞退する理由を聞かれた。
直感ですね…。
と本心で答えると、少し間をおいて
それなら仕方がない。と言ってくださった。
直感で選んだ方に入社して7年目を迎えた。
もちろん、違う選択をしていたらどうなっていたかは誰にもわからない。
が、恵まれた環境で過ごせているな、と感じている。
きっと、あのときの人事の方はすべて見抜いていたんだろう。
自分が採用する立場になると、そう思う。
些細な一言だけど、今となっても忘れない言葉に自分の思いも加えて、
最後は自分の直感を信じて大丈夫ですよ。
と学生には伝えている。
そんな無責任なことを言われても…と思っているかな。
毎日いろいろな選択がある。
すぐには決められず迷うこと、自分ひとりでは決めづらいこともある。
それぞれのメリット、デメリットを列挙し終える頃には大抵こう思う。
最後は直感でいこう。
それがその瞬間のベストな答えなのではないだろうか。
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