ChatGPTが苦手とするもの
ChatGPTを役所が仕事で試験導入するなど、なにかと話題が尽きませんが、具体的な地名や人名についてはかなり怪しい説明をすることが挙げられています。
こちらはChatGPTの話ではありませんが、AIが終電を逃した時の対策についてウソをついたという記事が掲載されていました。
終電を逃したのでAIに聞いて近場の宿泊地を探したら衝撃の結末
http://blog.livedoor.jp/qmanews/archives/52305766.ht
こちらの記事に掲載されていることと同様なものをChatGPTに質問してみました。
『こんにちは。現在、北千住駅にいるのだけど、終電を逃してしまったので始発まで時間をつぶすにはどうしたらいいでしょう?』
結果はこんな感じです。
こんにちは!北千住駅で終電を逃してしまったとのことでしたね。始発までの時間をつぶすには、以下のいくつかの選択肢があります。
駅ナカで過ごす:北千住駅には24時間営業の店舗が多数あります。コンビニエンスストアや飲食店、書店などがあり、時間をつぶすのに適しています。
駅周辺を散策する:北千住駅周辺には、商店街や公園、スポーツジム、カラオケ店、映画館などがあります。これらの施設を訪れて、時間をつぶすことができます。
インターネットカフェで過ごす:北千住駅周辺には、24時間営業のインターネットカフェもあります。個室でネットサーフィンや映画を観たり、漫画を読んだりすることができます。
タクシーで帰る:始発までに時間があまりない場合、タクシーで帰ることもできます。ただし、タクシーの利用料金は高くなるため、事前に料金を確認してから利用することをお勧めします。
以上の選択肢の中から、ご自身に合った方法を選んで、時間を有意義に過ごしてください。
意外と簡素な対応でした。そこでさらに突っ込んで質問をしてみます。
『お勧めされた3番目のインターネットカフェで過ごそうと思うけど、お勧めのお店はありますか?』
すると返ってきた提案は……
北千住駅周辺には、24時間営業のインターネットカフェが数多くあります。お勧めのお店としては、以下の2つを挙げておきます。
マンボー北千住店:広々とした個室が特徴的なインターネットカフェです。無料で使えるシャワー室もあります。また、漫画や雑誌、ゲームなどの娯楽も充実しているので、時間をつぶすのに最適です。
ジョイフル北千住店:駅から徒歩5分程度の場所にある、広い店内が特徴的なインターネットカフェです。個室にはマッサージチェアや大型モニターが備わっており、くつろぎながら過ごすことができます。また、ドリンクバーが無料で使えるのも魅力的です。
どちらのお店も、24時間営業であるため、終電を逃してしまった際には便利な場所に位置しています。ただし、深夜時間帯は混雑することがありますので、早めの利用がお勧めです。
ふむふむ……。
じゃあ、そのお店にしてみるかと検索したところ、そんなお店はどちらも存在していません。
存在していないよと文句を言うと、
『申し訳ありません、私が提供した情報が古くなっている可能性があります。北千住駅周辺には、多くのインターネットカフェがありますので、他にもお勧めできる店舗があるかもしれません。現地にいらっしゃった場合は、周辺を散策して、看板などを確認してみることをお勧めします。
また、北千住駅周辺にインターネットカフェがない場合は、コインロッカーやカフェ、24時間営業のファミリーレストランなどで時間を過ごすこともできます。どちらにしても、身の安全には十分にご注意ください。』
と謝罪してきます。
つまり、問題の記事のAIと流れこそ違えども結果は同じということです。
現在の対話型AIの問題点としては、今現在の情報が手に入りづらいということ。
今現在に限らず、質問事項についてはかなりウソをつくということがあちこちから聞こえてきます。歴史についても、有名な戦争については解説できますがマイナーな戦争についてはウソをつくことが言われています。
ちなみにChatGPTが苦手とする歴史情報は、以下のようなものが挙げられます。
未だに解明されていない歴史的謎や議論の的となっている問題について、確定的な答えが存在しない場合。
地域的な文化や言語に関する専門的な知識が必要な場合。
歴史的な細かい事実や日付、人物の名前など、詳細な情報を必要とする場合。
複雑な政治的・軍事的な事件に関する情報を必要とする場合には、ChatGPTがそれに対応することができるかどうかは、情報の性質によって異なります。
専門的な質問に答えることは出来ないということです。また、現状でAIは『答えられない』とはあまり言いません。それこそ様々な質問を繰り返し実験してきましたが、軍事用語を使用する特殊な場合にのみ、『知識がないため答えられない』ということを明記してきました。
これらのことを踏まえて考えて行くと、ChatGPTが苦手なものは下記のものとなるでしょう。
現実世界の今についての対応。
現実世界の具体的な地名などの情報。
知らないことを知らないと言えない。謝ったら負けと同等レベルで、なんとか持っている知識をフル活用してテキトーなことをぶっ込んでくる。
人名なども知らないとは言えないので、テキトーな情報をつなげてくる。
こうして考えると決して万能ではないことが分かってきます。
どうも、ChatGPTにロクに触れずにもうAIの時代だ、ゲームのシナリオライターはいらないなどと大騒ぎしている方々がいて、中にはシナリオライターから転職すら考え出す人もいるようですが、正直、そこまで深刻になる性能はまだ持ち合わせていないと思います。
ただし、制作のアシストツールとして使うとかなり効率的に進めることが出来ると思います。