オタク作家は分譲マンションの夢を見るか3
Phase3:今度こそ新築マンションのモデルルームに突っ入ぅ!
今回はフェイズ・タイトル通りの内容で書こう。
いつまでも物件サイトだけを見ていても仕方がない。気になった物件を2、3ピックアップして内見をしてみようということになった。同時に、豊島区ではないが文京区豊島区寄りに中規模建築会社が建築予定の新築物件の情報があり、3900万~4900万という見出しがあったので、恐る恐るモデルルームの内覧をさせてもらうことにした。
正直、ドキドキである。その場で無理矢理ハンコを押させられてしまうのではないか? とか色々と思いながら、内覧の日を待つ毎日だった。
モデルルームがあるのは大塚。駅から歩いて10分くらいの距離。貸しビルのワンフロアを丸々借りてモデルルームにしている所だった。
ハッキリ言おう。広告で3900万~4900万とうたっていたとしても、実はそれ以上の物件があることがほとんどらしい。特にこの物件は様々な間取りのものが用意されており、正直、他の部屋の間取り図を見せてもらうと3900万の部屋はとても選べないという状況だった。なによりも、50平米ないので住宅ローン減税を受けることができない部屋だったりした。
でもって、隣家の騒音で悩まされて転居を考えているわけでしょ? そうなってくると角部屋がいいじゃんとかとなってくる。さらに欲を出すなら上からの騒音を気にしなくていい最上階がいいじゃんとか考えてくる。そもそも、今住んでいる物件は、隣にキチ○イが住んでるんじゃね? と思うくらいの騒音がある上に、さらに上にはクソうるさい歩き方をする住人がいる最悪の状況。こういう部分に神経質になっても仕方がないだろう。しかも、気に入ればずっとそこに住む予定なわけだから、少々お金がかかっても仕方ないと思ってしまう。そして、営業のお姉さんもそこにつけ込んでくる。
モデルルームって恐ろしい所バイ!
モデルルームで見るものは、代表的な間取りの部屋と、構造についての説明。そして建築予定地の現地案内である。新築物件で難しいことは、必ずしも自分が欲しい部屋がモデルルームで見られるわけではないというもの。設備などはそこについているものなので分かるが、間取りが異なると本気で想像力を働かせるしかない。
で、幸か不幸か、モデルルームの間取りは、買おうかとかんがえていた部屋のものだった。それだけに、逆に不満も見えてくる。間取り図では明らかに使いづらいと思われる位置にあったクローゼットが、モデルルームでは取り払われてスライドドアに変わっていた。このオプションはええな! と思えるもの。収納を減らしてもそのドアにすれば間取りは使いやすくなる。
そうやって悩んでいる時、ピンと閃いた。
どう考えても、募集されている間取り以外の間取りがあるということに。他にないんですか? と訊ねたら、出てくる出てくる不思議な間取りの部屋が大量に!
目に留まったのは全体的に部屋の形が矢印のような変な形をしている部屋。お値段は5000万台後半。ちなみに、計算すると住宅ローンの借りられるシミュレーションの範囲内である。
角部屋の上に最上階ではないが、上階は建築の法律上日陰を作らないために部屋がない部分。隣家との間には大きめのウォークインクローゼットがあり、防音効果も期待出来た。イケる行けるぞ!
なにより、ルーフバルコニーもついていて、環境的にサイコー! な感じ。前回同様に、ワンコがルーフバルコニーを駆け回ってしまう姿が脳裏をよぎっていく。
最上階かココにしようと言うと、嫁さんは笑いながら即答で『バカじゃないの?』と言ったが、明かに乗り気な様子。その声を聴いたすぐ隣のテーブルに座っていたご夫婦がポカンとしている感じだった。
おそらく、そのご夫婦はサイトで公開されている間取りしかないと思っていたのだろう。公開されている間取り物件には最上階の部屋はなく、余計に不思議そうな顔をしていた。
ちなみに聞こえてきた話し声から察すると、ご夫婦共働きで年収450万くらいらしい。少なくないか? と思ったら、旦那さんは契約社員で奥様はパートなご様子。それだと仕方がないのかな? と思いつつ、平均年収が400万台というのは今の日本では当たり前のような話がどこかのニュースサイトで流れていた。どこが景気良いんだろうね?
それにしても、契約社員で年収が僕よりも低い彼らの方が、おそらく住宅ローンは通りやすいという今の日本もおかしくないか? という感じはする。契約社員とフリーランス。立場的にはあまり変わりは無いと思うのだけど……銀行的にはそこに大きな差があるらしい。
他のご家庭のことは置いておいて、ウチの問題。そもそも、新築物件の場合は表示価格のまま買えるわけじゃない。最低限のプランであり、ある程度間取りなどを変更できるのも新築物件ならではの楽しみのひとつ。
つ・ま・り、表示価格に対して、オプションパーツ代がかなりかかることになる。
当初考えていた4900万くらいの物件に色々足すと、明らかに5000万台中間になってしまう。それだとその半ば最上階の矢印部屋と近いお値段となる。ちなみに矢印部屋はオプションパーツをわざわざ考える必要がなかった。せいぜい壁紙を選べるくらい。
だったらその部屋でいいんじゃね? という結論に達して、とりあえずそこを押さえてもらい数日後に問題の住宅ローン申し込みを行うことにした。
そしてモデルルームを出て、実際の建築予定地をもう一度ゆっくり見ようとそこに行ってみることにした。ちなみに、この内覧は14年4月末の連休直前のお話。入居可能予定月は15年3月上旬のお話。
改めて現地を見て、ンんーっ!? と思ったこと。残り約10ヶ月前後しかない。であるにもかかわらず、工事現場の衝立の内側を覗き見たら、まだなにひとつ手を着けていない状態だった。
ただの更地! 掘ってもいないし、杭も打っていない。なにひとつしていない更地なのである!
土壌改良とか杭を打っているとかという様子もなにもない。もちろん、連休中だから工事現場の人たちはお休みということもあるだろう。だが、たった10ヶ月前後で10階の60戸級のマンションを建てられるのか? いや建てられるだろうが、そんなマンションで大丈夫なのか?
6月に入ってからだけど、住友不動産が建てた横浜の物件の土中支柱が一本足りなくて傾いたって話があったじゃない。ああならないって保証はあるの? 同じコトを思ったのか、嫁さんも家に帰るなり、その不動産会社をネットで確認してみた。
すると、出てくる出てくる問題物件の山! 中には建築違反と知りながらマンションを建ててしまい、周辺住民の反対から調査が入り、建築停止命令までくらった物件まであることが判明……。
もちろん、この手のヘイトサイトはどこの建築物でもある。だがしかし、ここまでひどいのはどうだろうか? という会社だった。さすがに、根も葉もない噂の域を超えている建築会社だとどうなのよ?
そして改めて思う。5000万台後半まで出していいのなら、大手建築会社の物件だって狙えるんじゃねえ? と。
区役ション(豊島区役所の上に建つ現在建築中の高級高層マンションのあだ名)はもう完売だから無理だけど、大手建設会社が建築中の物件なんて結構あるじゃない? 一度モデルルームに行ったせいで、ある程度ノリが分かってきたせいだろう。大手建築会社の物件内覧にも行ってみる気が湧いてきた。
とりあえず、この物件はお断りしようということで、メールでごめんなさい。やっぱりやめますと送ったら、引き留めのメールも電話もなく、意外とすんなり承知したという返事が届いた。結構引き留められたり、他の物件の案内をされたりするという噂がネットでは囁かれていたけど、ここでそれがないって……なぜなの? なぜなの?
コレってオタクな小説家だと絶対ローンは通らないと思っていたから、簡単にキャンセル承知して引き留めもしなかったってことなのか!? 恐ろしい可能性に震えながら、数日後に待ち受けている大手不動産のモデルルーム内覧の日に備えるのだった……。
Coming Soon!!
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