スパゲッティがピースしてくれる関係
▼「文化的処方とわたし」投稿企画に参加しています。
大好きなスパゲッティ屋さんがある。
「パスタ」というよりも、「スパゲッティ」のほうが合っている。
なので、ここでは“スパゲッティ屋さん”と表現してみる。
10年ほど通い続けている。
10席程度しかないけれど、この街では人気のお店である。
普段は存在感がない自分でも、さすがに10年も通えばシェフとも顔なじみになる。
シェフは、ぼくの名前を知らない。
ぼくも、シェフの名前を知らない。
お互い余計なことを話しかけることもない。ただ、会釈をするだけの関係。お店に入るとき、注文を頼むとき、お会計をしてお店から出るときに後ろを振り返って軽く会釈をするだけの関係だ。
この”会釈関係”から、踏み込むんだ関係になることだってできる。
だけど、ぼくにとっては、会釈するだけの関係が居心地がよいのだ。
名前も知らない、けれど、つながっている。
自分の居場所であると感じられる場所。
僕がいつも頼むのは、トマトソースの海の幸のスパゲッティ。
トマトのしっかりとした味付けに、海老やアサリ、ホタテなど具だくさんで食べごたえがある一皿だ。
そして真ん中のカニは、いつも僕に向かってピースをしてくれているようにそびえ立っている。
スパゲッティがピースしてくれる関係。
シェフと会釈をするだけの関係。
そんなスパゲッティをすすりながら、ぼくは思う。
名前を知らないけれど、確かにつながっている。
会釈だけの関係に、言葉以上の温かさがある。
スパゲッティのピースが教えてくれるのは、人と人がつながる方法があるということ。そして、この居場所は、これからもずっと変わらずここに居場所があるという安心感を教えてくれている。
社会的処方EXPO 2025開催記念
「文化的処方とわたし」をテーマに写真を投稿してみませんか?
「薬で人を健康にするのではなく、人と地域とのつながりを利用して人を元気にする仕組み」である社会的処方(Social Prescribing)。
世界に蔓延しつつある「孤独・孤立という病」に対する切り札として、イギリスで発祥した社会的処方は今や世界全国に広まっています。
そして毎年3月は、社会的処方の発展を祈り、それを実践する方々への感謝の思いを表現する「Social Prescribing Week」が設定されています。
日本でも、世界の流れに乗り、毎年3月に「社会的処方EXPO」という社会的処方に関する日本で最大のイベントを開催してきました。
2023年は東京。
2024年は京都。
そして2025年は川崎・武蔵小杉にて3月9日(日)に開催します!
今年度の社会的処方EXPO2025は、「社会的処方のはじめの一歩」がテーマ。
社会的処方ってなんか良さそう!とは思っていたけど、「でも、どうしたらいいか分からない・・・」というあなたへ、今回のEXPOでは「写真」をツールにして、まずはまちに出ていきましょう!と伝えていきます。
会場のウェルカムボードを写真で満たしていく参加型アート、
写真家・幡野広志さんの写真のワークショップ、
そして会場で手に取れる「文化的処方ツールブック」にも、「カメラを持ってまちに出てみよう!」の文字が。
そこで、今回この社会的処方EXPO、そしてSocial Prescribing Weekを盛り上げていくために、皆さんから「文化的処方とわたし」をテーマにnoteへの投稿を集めていきます。
あなたにとって、身近にある「文化的なもの」って何でしょう?
普段から力をもらっている、このまちの文化ってありますか?
それらを改めてまちに出て探してみて、写真を撮って、自分とその写真との関りを言葉に残してみませんか?
詳細は、こちらのnoteをご覧ください!