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SNS医療のカタチTVから考察するこれからのコミュニケーション戦略【だから、ぼくはヒーローになれない episode 30】

こんにちは、イイジマケンジ|kushamiです。

少し時間が空いたが、そろそろ記事公開が落ち着いてきたので、所感をまとめようと思う。

8月23日(日)、SNS医療のカタチTV「やさしい医療の世界」というイベントが開催された。

SNS医療のカタチTV「やさしい医療の世界」
有志の医師が主催する、
日本で初めての、
医療を取り巻くすべてのコミュニケーション・エラーを解消していく
7時間生放送の
イベント

修飾語が多い。それだけすごいイベント、という意味だ。

このnoteでは特にイベントの内容がどうこうというよりも”コミュニケーション(PR)”の観点からいかに画期的なイベントだったかを解説してみる
イベントの中身については、ぜひログミーBizさんの記事ヤンデル先生のnoteを読んでみると臨場感が伝わると思う。

ちなみに、僕は、PR担当として今回のイベントに携わっていたが、全ての戦略を立案したフィクサーだったわけではない。
(このnoteも自分がやったことを自慢する目的ではない)

そもそも、SNS医療のカタチとは?という方は、過去のnoteをぜひ読んでみてください。

【こんな人におすすめのnoteです】
・コミュニケーション戦略に興味を持っている方
・医療情報の発信について検討している医療関係者
・医療や福祉、健康関連の情報発信について興味を持っている方
・SNS医療のカタチについてもっと知りたい方
・とにかくイイジマケンジに興味を持ってる稀有な方

答え合わせをしない”Make Conversation”なイベント

今回のイベントは”答え合わせ”をするようなものではなかった。

前提として、これまでの情報発信は(医療分野に限らず)
「●●といったお悩みをお持ちの皆さんに向けて、お悩み解決にぴったりの解決策を提示する→自社製品・サービスの情報を売り込んでいく」
という流れがあるんだけど、もうこの流れは通用しないと理解したほうがいい。

もう僕たちは、”答え合わせ”を求めていない。僕たちはもうその流れに飽き飽きしている。
答え合わせの情報発信は、一方通行な情報発信にすぎず、味気ない。
求められているのは双方向なコミュニケーションができる機会の提供である。

世界最大の広告祭であるカンヌライオンズでも、「Make Conversation」(=議論のきっかけを提示すること)がコミュニケーションの役割のひとつとしてPR部門の審査基準として明言されている。

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今回のSNS医療のカタチTVでは、正解を提示する(答え合わせする)イベントではなかった。今回のイベントは、医療コミュニケーション・エラーの解消について考える機会を提供する「Make Conversation」(=議論のきっかけを提示すること)の良例である。

医療分野に追いて「Make Conversation」が重要である理由として、「医療情報は正解は一つではない」(※)ことが挙げられる。
医療を取り巻くコミュニケーション・エラーによって引き起こされる問題を解消していてくためには、答えを提示するのではなく、コミュニケーション量を増やすことが一番の近道である。医療情報について接する機会が増えれば増えるほど、より適切な情報を受け取れるようになる。ひっくるめて医療リテラシーの向上ということである。


医療分野においては、企業のマーケティングPRとは様相が異なる。例えば、Aという薬はスズキさんには適切な処方ではあるけれども、サトウさんにとっては適切ではない。医療情報の発信はそこらへんが難しい。一方、「議論のきっかけを提示する」ことを目的に、行き過ぎた表現や世間からの反応を見誤ってしまうと”炎上案件”になりかねない。(ex. 人生会議ポスター問題など)
医療分野に関する情報発信は、医療とコミュニケーション両分野のプロフェッショナルによる監修が十分に必要である。

医療イベントなのに主語は医師ではない企画設計

今回、司会者の浅生鴨さん含めて、登壇したのは合計15名いた。そのうち、医師は5名だった。(SNS医療のカタチメンバー4名+中山裕次郎先生)
登壇者の3分の2は非医療従事者だった。
普通に考えてもらえればその違和感ってすごい。(語彙力)

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特定のイベントなのに、主語がその業種の専門家ではないのだ。

この設計は、SNS医療のカタチらしさが溢れているなあと感じた。
医師側から一方的な講演スタイルになってしまうと、上記の「Make Conversation」にはつながらない。そして、視点の違いが見えなくなり、それこそコミュニケーション・エラーが生じてしまう。

だからこそ、患者さん側の立場(矢方美紀さんや幡野広志さん)や、他分野(おかざき真里先生や飛鷹全法和尚、シャープさん、タニタさん)など異なる視点から医療が語られるように設計されているのだ。あくまでもSNS医療のカタチは”コーディネーター”という立場を貫いた。

この設計の仕方はチャレンジングだ。
専門家じゃない人が話し続けると、議論が深くならないリスクも生じるからだ。ファシリテートが非常に重要になる。そこで、今回は元NHKディレクターの浅生鴨さんや、編集者のたらればさんがMC、ファシリテーターとして各セッションに参加して、議論を広く、深くなるように施されている。こりゃあ、すごい。

非医療者が多く登壇することには他のメリットもある。社会とのタッチポイントを増やせたこと。
SNS医療のカタチを知らずに、糸井重里さんが登壇するからという理由だけでイベントを視聴しようと思った方もいるだろう。おかざき真里先生の「阿・吽」を読み、マンガの裏側を知りたくてセッションを見た人もいるだろう。そうやって、普段医療情報について接することがない人でも、今回のイベントへ参加する”理由”や”きっかけ”、つまり、タッチポイントを増やすことができた。

情報拡散させるイメージを設計し、情報拡散の”着火点”となりうるポイントを複数用意する。こうやって、少しずつ「やさしい医療」の輪は広がっていった。

視点の違いを”見える化”するSNS活用

今回のイベントは、YouTube Liveで配信され、放送されているコンテンツと同時にチャット欄でコメントも見れるようになっていた。

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ここで、生でコメントを見ながら、コンテンツで話している内容と、各視聴者の様々な意見をみながら「自分だったらどう考えるんだろう」と能動的にイベントに参加することができた

チャット欄、さらには、Twitterでハッシュタグ「#やさしい医療」を追いながらイベントに参加することで、それぞれの立場での視点の違いに気付くことができる。

このYouTube Liveのプラットフォームは今後、大いに活用できそうだ。映像みていると、横のコメントみながら新たな気づきが生まれるのだ。

まとめ:なによりもSNS医療のカタチの真摯な活動があったからこそ

以上が、今回SNS医療のカタチTVをPRの担当として参加して得た気付きである。

SNS医療のカタチTVが画期的なイベントだった3つのポイント

・答え合わせをしない”Make Conversation"
・医療イベントなのに主語は医師ではない企画
・視点の違いを”見える化”するSNS活用

医療分野以外においても、今回のイベントで成立されていたコミュニケーション戦略は見習うべきポイントがたくさんある。SNS時代を迎えて、コミュニケーションはより複雑に、多様性をもつようになった。だからこそ、「共感を生むコミュニケーション」を発想として、手段として、両面から考えていく必要がある。それこそPR発想。

最後に、なによりも言いたいこと。
それは、ここまで大きなイベントになったのは、SNS医療のカタチのみなさんの長年のたゆまぬ努力とそこから生まれた信頼、共感があったからこそである。

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僕自身、こんなに使命感をもって活動されているSNS医療のカタチに共感し、PR担当としてイベントに携わることとなった。

SNS医療のカタチのみなさんの活動を通して、医療をより身近に感じてもらうきっかけに少しでも寄与できたならこれ以上に嬉しいことはない。そして、これからも社会と医療のより良い関係構築に向けて携われるような仕事をしたいと心から思えた。本当にありがとうございます。

これからも、また日曜に定期開催されるSNS医療のカタチOnlineを楽しみにしてみよう。(ゲストが各回すごいし、勉強になるからぜひ)

最後に(宣伝だけさせてください)

これからもSNS医療のカタチのPRはお手伝いしようと思っています。さらに、これまでもヘルスケアやデジタル、テクノロジー分野を中心としてPRのお仕事をしてきました。

もしヘルスケアやテクノロジー、スタートアップのPR戦略などでお悩みの方、それ以外の業界でもPRやマーケティングで相談などあればどしどしご連絡ください!(TwitterのDMやFacebookなど、なんでも大丈夫です)

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最後は結局、完全に自分の宣伝になってしまいました!!笑

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イイジマケンジ|kushami(PRパーソン)
いただいたサポートは、年間でまとめて報告してどう使うか考えて記事にします!(500円までは、自分の甘やかしのためにコーヒー代に消えるかもしれませんがそこは許してください…)