【茨城】の誤読
私は茨城県という単語を読むときに、毎回のように二択で迷う。
「いばらき」or「いばらぎ」
大抵、最初に頭に浮かぶのは「いばらき」である。実際それが正解であり、茨城県は紛う事なき「いばらきけん」である。ここで終われば何も問題はない。
だが、その後すぐに、私の中に潜む魔物が耳元で囁いてくるのである。
「“いばらぎ”の可能性もありますゼ」と。
ここで私が断固として己を信じて、「そんな可能性は微塵もないッ」と言い切ってしまえればいいのだが、現実はそうもいかない。なぜなら、私には己を信じるということができないからである。
己を信じ切ることのできない未熟な私は、ついつい魔物の言葉に耳を貸してしまい、熟考の末に「それも一理ありますねぇ」と納得してしまう。
そして、そのまま脳内では「茨城=いばらぎ」という誤った式が確立してしまうのである。嗚呼、無念。
今までの二十数年間で、どれだけこの愚かな過ちを繰り返してきただろうか。そして、これからの数十年間でどれだけ繰り返していくのだろうか。先が思いやられる。
どうして私は己を信じることができないのだろう。どうして魔物の戯れ言を信じてしまうのだろう。私という人間の芯の無さに辟易するばかりである。
いつの日か、茨城県という単語を「いばらきけん!!」と自信を持って言えるように、精進して参りたいと思います。
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