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【最終報告】指定企画:海外ワーケーション in タイ

この記事は「新しい働き方LAB」の指定企画:海外ワーケーションの研究員として半年間活動した結果をまとめた報告書です。


実験の背景と目的

背景(生涯現役で働く準備)

私は30年ぐらいIT業界で働くサラリーマンです。「定年」がどんどん近くなってきて、世にいう「第二の人生」について真剣に考える世代のアラフィフおじさんです。

そんな私が、ここ数年退職後の準備として取り組んでいるのが、過去の職歴と親和性が高く、かつ本業と被らない「副業EC」です。(参照:「働き方実験~副業物販の可能性~」)

特に、年をとっても自分のペースで働けるような「小さな商売(自社EC?)」を軌道に乗せることを目標として活動しています。

そんな時に「新しい働き方LAB」の研究員制度で始まったのが「指定企画:海外ワーケーション in タイ・ベトナム」。小さな商売に必要となる独自性の高い商材を探していた私は「何か面白いお宝が見つかるかも?」という、軽い気持ちでこの働き方実験に参加することを決め、「働き方実験【海外ワーケーション】副業サラリーマン!超短期ワ―ケーションで越境ECのお宝探し?~タイ編~」をはじめました。

目的(検証したいと思っていたこと)

このワーケーションの参加を決めたとき、ワーケーションの目的は「副業EC」で販売する商材を仕入れることにしようと考えていました。
ただ英語が苦手で輸出入の経験がない私が、本業でお休みをとれるほんの数日でやれることは限られるため、海外ワーケーションの目的を以下のように「タイ⇔日本の越境ECの可能性を検証すること」に設定しました。

<実験の目的>
タイ⇔日本の越境ECの可能性を検証すること

具体的には以下のような調査を行った結果を「ビジネスチャンス報告書」としてまとめ、検証報告すること。
1.越境ECに適した商材の有無
2.越境ECに適したビジネスフローの検討
3.越境ECに必要な法律・税金の調査
4.越境ECを支援してくれる組織・団体・個人などの調査
5.タイからの輸入だけでなく、日本からの輸出も視野に入れて検証

働き方実験【海外ワーケーション】副業サラリーマン!超短期ワ―ケーションで越境ECのお宝探し?~タイ編~|くすくす(kuscs) (note.com)」より

この調査・検証の結果として、タイ⇔日本間で越境ECが「できない or できそう」かの判断と「できそう」だったら、どのような活動をすれば良いかを明確にすることができればいいなと考えていました。

研究活動の概要

活動の大スケジュール<実績>

今回の検証では研究活動期間を大きく「事前準備」「ワーケーション活動」「ビジネスチャンス報告書作成」の3つの期間に分けて活動しました。

もう少し詳細な活動内容と活動時期は以下のとおりです。当初の予定を薄い色の線で、実績を濃い色の線で比較できるようにしてみました。(赤い「×印」はやらなかったもしくは途中で挫折した作業になります。)

活動の大スケジュール<実績>

それぞれの期間の作業実績を簡単にまとめると以下のようになります。

【活動期間1】事前準備

事前準備では以下のような作業を行いました。

  • 「渡航の準備」・・・パスポート・保険・grab・eSIMの準備など

  • 「予備知識の獲得」・・・商材調査、ビジネス調査、会話スキルアップ

  • 「行動計画」・・・行程検討、飛行機・ホテルの予約

特に問題もなく、一番スムーズに予定したことができていた(つもりだった)のがこの期間でした。ただ実際に現地に行ってからこの期間で調べたはずの「商材調査」と「ビジネス調査」が全然足りなかったたことに気づきました。

ちなみに会話スキルアップには海外ワーケ in ベトナムでホストをされた「UCさん」から提供頂いた「スピトレ」を利用させて頂きました。


【活動期間2】ワーケーション活動

今回のワーケーションでメインとなるワーケーション活動が「タイ訪問現地調査」になります。前半にタイ北部チェンマイの調査を1日だけ入れて、残りは首都バンコクの調査に当てました。5日間の活動内容は下図の通り。「黄色」が調査、「オレンジ」が遊びや観光、「グレー」が移動で、「緑」が休息や準備に使った時間です。

ワーケーション活動詳細スケジュール<実績>

5日間で訪れた場所の詳細は今後ゆっくり記事にしたいと思いますが、主な活動のみ箇条書きしておきます。

1日目>バンコク

圧倒的な物量の衣料品が集まる「プラトゥーナム市場」と食べたかった「スイカのスムージー」

<2日目>チェンマイ

チェンマイ一押しのプライベートブランド「VILA CINI」と安くておいしい「カオソーイ」

<3日目>バンコク

「イースタングラス」と「水上マーケット」と「中華街のバー」、、、バンコクは魅力が一杯

<4日目>バンコク

市場では自前のECサイトで販売する照明器具の素材が気になった

<5日目>バンコク

  • 屋台で発酵生食品とさとうきびジュースの朝食

  • ベース基地「アイ-サヌークバンコク」をチェックアウト

  • プラカノン郵便局から「ePacket発送」

  • バンコク郊外にあるプールのステキな友人宅訪問

  • プロンポン「Imchan Thaifood」でランチ

  • チャトゥチャック市場アートエリアを重点探索

  • ドンムアン空港のファストフードで最後のタイ飯

  • バンコク(ドンムアン)から福岡にフライト

教えてもらったタイグルメと重点的に見て回ったチャトゥチャック市場のアートエリア

今回のワーケーションでは5日間という短い期間でバンコクとチェンマイをできる限り歩いて見て回り、接してくれた人と可能な限り話をして、タイの雰囲気や交通手段を知ることができました。これは私のタイに関するイメージを大きく変えるものとなり大きな収穫になりました。

一方で、納得するまで練った行程計画が、予定した施設が閉まっていたり、交通手段にうまく乗れなかったり、疲れてスケジュールの見直しができなかつたりと、ワーケーションの後半になればなるほど崩壊していきました。特に後半の2日、貴重なタイでの時間を上手く使えなかったのがとても残念でした。

今回できなかったこと、行きたかったけど行けなかった場所も沢山あるのでまたの機会があれば是非訪れてみたいです。

行きたかったけど行けなかったところ


【活動期間3】ビジネスチャンス報告書作成

8月末のワーケーションから帰国後から12月までの間、今回のワーケーション活動で行った調査をまとめる期間がありました。一番長い時間があった活動期間なのですが、そこは副業サラリーマンの悲しさ、空いた時間には副業がバンバン入り忙しくなるもので、ビジネスチャンス報告書の執筆がずるずる後回しに、適した商材の調査は片手間で進めたものの本格的に調査報告書の執筆を開始できたのが11月の後半に入ってからという惨状でした。
が、ともあれ、先日執筆は完成し「越境ECビジネスチャンス報告書」で報告することができました。

ふり返り:自己評価65点

ふり返りとして、実験の計画段階で考えていた測定方法にそって、結果点と努力点を自己評価してみました。

<結果点>越境ECビジネスチャンス報告書の内容
・発掘した商材の数・・・0商品、4カテゴリ ⇒ 〇
・ビジネスフローの数・・・3フロー ⇒ 〇
・売り上げ予想規模・・・予想立たず ⇒ ×
<努力点>無理のない範囲でしっかり活動できたか?
・毎日1時間活動できたか(7月~12月)・・・平均1時間以上 ⇒ 〇
・SNSの発信数・・・39/173発信 ⇒ ×

「働き方実験【海外ワーケーション】副業サラリーマン!超短期ワ―ケーションで越境ECのお宝探し?~タイ編~ 実験の測定方法」より

<結果点>越境ECビジネスチャンス報告書:67点

越境ECビジネスチャンス報告書の結果を要約すると以下のような収穫を得て、越境ECビジネスチャンスの足掛かりが出来たと認識しています。

<タイでのECビジネスチャンス調査結果>
EC商材を仕入れることはできなかった。
②「取り扱うべき商材カテゴリー」「ビジネスモデル」「ビジネスフロー」「物流方法」「税金・費用・法律」に関する大枠の知見を習得できた。
③越境ECビジネスには現地バイヤーさんとのつながりが大事であること、双方向での越境ECを検討すべきであることを認識できた。

越境ECビジネスチャンス報告書

ただ、3つの評価項目のうちのひとつ「売上げ予想規模の見積もり」が全くできなかっので、33.3%原点で、自己評価は67点としました。

<努力点>無理のない範囲でしっかり活動できたか:62点

努力点の自己評価として「毎日1時間の活動」をあげていました。結果からいうとこの項目は「〇」としました。ただ実を言うと毎日かかさず1時間の活動はできませんでした。本業+副業ではもともと余裕な時間が少なく、副業が少しでもオーバーワークとなると、たった1時間が作れないというのが原因です。一方で副業に余裕ができたときは、ここぞとばかりに3時間程度は軽く作業していることも多々あり対象期間を平均すると毎日1時間19分!よく踏ん張った賞として自己評価「〇(100点)」にしました。

もうひとつの努力点として「SNSの発信数」をあげていました。具体的な発信数の目標は決めていなかったのですが、1日1発信できれば良いかなとざっくり考えていました。結果は対象期間173日で39発信と言い訳できず、自己評価は「×(23点)」。あらためてSNSの発信力強化が私の課題であることを認識する結果となりました。この二つの評価点を合わせ努力点は「62点」としました。

総合の自己評価は先ほど出した結果点「67点」と努力点「62点」を合わせて、「65点:これからの発展を期待する」としました。

気づき

当初考えていた評価方法に沿った「ふり返りの評価」はさておき、今回の海外ワーケーションでは、自分が思っていた以上の成果として、3つの知見を得ることができました。

【知見1】商材調査やビジネスモデル調査はPB単位ですべき!

今回の海外ワーケーションでは具体的な商材を見つけることができませんでした。その一番の敗因が準備段階で計画したざっくりとした商材やビジネスモデルの調査計画にあります。(今回はあまりにもタイの知識が不足していたため仕方がないとも言えるかもしれないのですが、、、)
しっかりとした商材調査やビジネスモデルの調査を行うためには、もっと具体的にこんな商材をこういうビジネスモデルで販売していきたいというレベルまで掘り下げたうえで、同様の商材とビジネスモデルを持つPB(プライベートブランド)をベンチマークすべきだと痛感しました。

【知見2】「双方向の越境EC」を目指すべき!

「指定企画:海外ワーケーション」に参加した当初の私は「タイやベトナムからの輸入販売」の実現を考えていました。その後実際にタイへのワーケーションの準備を進めるにつれて具体的なビジネスモデルを考え出すと「日本からタイへの輸出」が自分の頭から抜けていることに気づくことができました。そして実際にタイへ訪問しバイヤーさんと話す中で日本とタイのバイヤーの交流の中でお互いやりたいことを支援する余地があることに気づきました。
お互い現地人の地の利を使えば商売がしやすくなるし、なにより人が増えることによりやる気と成長速度が上がる。それを実現するために「双方向の越境EC」の実現を目標に掲げて来年は計画を立てたいと思いました。

【知見3】人生初の大遅刻で確信できた人のやさしさ!

私は今まで人を待たすということは殆どありませんでした。別に威張るつもりではないのですが「自分がされて嫌なことは人にはするな」という教えを守れるように(いや人に嫌われないようにともいうべきか?)知らず知らずのうちに行動していたと思います。
ところが今回人生初となる大遅刻をタイのワーケーション初日にやってしまいました。それも初対面のバイヤーさんを紹介するために友人がセッティングしてくれた晩餐の席への大遅刻でした。正直『ぐうの音も出ない』この状況で友人がかけてくれた優しい言葉が、私の心の奥深くにある人への不信感を溶かしてくれました。「人に対する優しい心」タイにいた数日その友人の所作を見て、色んな優しさを感じることができました。商売は人と人の信頼のうえに成り立つもの、自分のライフワークも「人に対する優しい心」を届けられるものにしたい。タイを離れる日、空港の待合室でマンゴーのドライフルーツを食べながら、一人そんなことを考えていました。

タイの友人たちとの大切な時間


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