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広重浮世絵の世界④ 神奈川
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今回は江戸を発って3つ目の宿場となる神奈川宿(横浜市)です。前回の「川崎」とよく似た構図ですが、「川崎」の水は六郷川であるのに対し「神奈川」の水は現在の東京湾の海原であり、帆掛け船の姿が見えます。
現在「神奈川」といえば大都市横浜を擁する県名としての印象が強いのですが、江戸時代は隣村「横浜村」より栄えた宿場町・港町でした。
「東海道五拾三次」の多くのシリーズで「神奈川宿」は「台の茶屋」と言われた海を見下ろす高台の旅籠や茶屋の家並みを描いていますが、本シリーズでは画面左が「台の茶屋」の端にあたり、横浜村方面に向かいやや坂を下ったあたりを描いたものと思われます。
次回は、東海道4番目の宿場、保土ヶ谷宿(横浜市)です。