見出し画像

広重浮世絵の世界① 日本橋

当館SNSでもう1年ほどぼちぼち続いている、館長による歌川広重の浮世絵紹介シリーズ。
せっかくなのでこちらにもリバイバル掲載いたします。
最新記事をご覧になりたい方は、Facebook、X、もしくはInstagramをご覧ください。
ちなみに最新号は第21回、鞠子宿まで進んでいます!



歌川広重「東海道五拾三次〈狂歌入東海道〉日本橋」(草津市蔵)


突然ですが今回から、歌川広重が描いた浮世絵を順次紹介してまいります。広重の東海道でもよく目にされる「保永堂版」ではなく、草津市が揃い物で所蔵している佐野喜(さのき)版「狂歌入東海道」を江戸から京都まで1点ずつ紹介していきます。デフォルメの少ない自然な描写が特色です。

今回は、東海道の起点「江戸日本橋」です。大名行列の先頭を行く鋏(はさみ)箱・槍持ちが橋の中ほどまで進んでおり、対岸からは棒手振りの魚屋が渡って来ます。橋の向こう側の河岸には蔵が軒を連ね、水面には船が並ぶ様子がみられます。背後には富士山と江戸城がみえ、魚市が賑わう前の早朝の様子でしょうか。

次回は、東海道最初の宿場、品川宿です。