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言い訳の先にあるもの

空港に迎えにきた君を見て

ああ、幸せだなって。




吐きそうなくらい

ひどく揺れた飛行機のせいで最悪だった気分も


夜中便で寝不足の疲れも


約1年ぶりに会う君に

吐きそうなくらい緊張している気持ちも


全部全部


一瞬で飛んでいく。


「ああ、いた」


そっけなく言い放つ君に

少し痩せて、

歳をとったように見える君に

マスク姿だけど、

ニヤッと笑った顔になる君に


「ひさしぶり!」


と、この5文字を吐き出すことが精一杯で。







「付き合おうって言ったら帰ってくんの?」

電話越しに聞いた君の弱気な声に根負けした。


好きなんだもの。

ずっとずっと、私の方が。

ずっとずっと好きで、ずっとずっと、傷つくことを恐れていた。



だから、認められなかった。

認めたくなかった。

付き合ったら、迎えてしまう

「終わり」を

君とは迎えたくなかった。




チケットを取った後も

日本へ帰ってしまったら、


この飛行機に乗ってしまったら、


このゲートを出てしまったら、



君と会ってしまったら、



たらたらたらたら、


ひたすらに、想像して、弱音で頭の中がいっぱいになって。


だけど、ただただ、


会いたかったんだ。


君に会いたかったから、帰ってきたんだよ。


そう素直に伝える強さはまだないけど、

君の顔を見て、君の姿を見て


幸せだなと思った。



出会って5年目の友達は、


将来を見据えた彼氏になった。




会いたくて仕方なかったぬくもりが


ただ隣にあって、


会えなくて、会いたいけど会いたくなくて、泣いた涙は


会えた喜びを伝える涙になった。



いつかくる「終わり」が、

何十年も先でありますように。


君のおじいちゃんになる姿を


一番近くで見れますように。



君の笑顔をつくる人は私で


わたしの笑顔をつくる人が君でありますように。

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