見出し画像

新たな『イ・サン』


テレビの韓流ドラマ『イ・サン』が終わった。がっくりしていたら新たに始まった『赤い袖先』。見ていてすぐに気が付いた。
『イ・サン』の話だ~と。

演じる俳優も違うし、脇役のキャラもまったく違うが、歴史的に知られた事件。父親を祖父に「米櫃に閉じ込められて飢え死にさせられた」という事実が発端になっているからすぐにわかる。

大人気だった前作ではイ・サンが人情ある、ちょっとお人よしみたいな、いかにも優しい善人というキャラだったが、今回のイ・サンはもっと複雑なものを秘めている。

祖父は、前作では息子を殺したという罪の意識と葛藤がにじみ出ていたが、新作では(今のところ)激情型で残酷な恐ろしい老人に感じられる。祖父に怯えるサンの幼年期の孤独と惨さが前作より強烈だ。

とくに大きく違うのは、サンの初恋の人であり、のちに側室になる少女の描き方。前作ではl華憐で清楚で控えめで、心の清らかな女性として描かれていて、死ぬ場面では(三度目の視聴だったのに)泣いてしまった。

今回の作品では、少女のころから野心家で積極的で、控えめなどではない。宮中で官女として生きるために、少女ながら画策して、王子のころのサンに近づく。

事実は本人しか分からない。多くの側室の中にサンの初恋の人がいたとしても不思議ではないし、彼女が積極的にサンに近づいたこともありうる。
前作ではその女性があまりに綺麗に描かれていた。今回は「一筋縄ではいかない積極的な少女」としての描かれている。今後に興味津々だ。

イ・サンにしろ、サンの友人にしろ、恋人にしろ、宮中で生き抜くために綺麗ごとではない戦いをしたことは事実だと思う。

前作は「友情と純愛の青春ドラマ」という雰囲気だったが、今回はもっとドロドロした「綺麗ごとではない男女関係。綺麗ごとではない宮中。そして綺麗ごとではない肉親関係」が前面に出るのかな……。

秋を迎え、それだけでも嬉しいのに、テレビを見る楽しみが続いて嬉しい限りです~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?