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ヘレーネという女性

10月23日付け朝日新聞、『天声人語』欄でオランダの富豪ヘレーネ・クレラーミュラーという女性の存在を知りました。

記事によると、ヘレーネは憑かれたようにゴッホの絵を集め、生涯に270点余りを集めたとか。

「自分が死んだらゴッホの画を棺桶に入れてくれ」と頼むほどゴッホに魂を奪われたと伝えられているそうです。

彼女の目的はゴッホの画を自分のためだけに集めるのではなく、一般に公開すること。そしてその思いは実現したのです。

この秋、東京で開催される『ゴッホ展』の画はヘレーネが生涯をかけて収集したものだとか。

『天声人語』では、こうまとめていました。

「ヘレーネがいなければ、この秋、東京でまとめてゴッホの名作を鑑賞する機会は得られなかっただろう。彼女の情熱と執念、そして財力に感謝した」   

私は、『金持ちジュリエット』が贅沢三昧してお金を使いまくるお話を書きました。ジュリエットはある意味、金持ちとしての義務を果たしたのです。お金をばらまくという形で。そういうストーリーにしました。

でも、ヘレーネのことを『天声人語』で知り、思いました。これぞまことの大富豪、なんというスケール、なんという価値ある生き方、と。

私の書いたジュリエットはフィクションで、ただの金持ち。それだけ。でもヘレーネは実在の人物。そしてお金の使い方が違う!

まさに「事実は小説より奇なり」、というか「事実は小説を超越している」のですね。

ヘレーネの財力は永遠に形となって残ったのです。ゴッホの画が散らばったり、消失しなかったのはヘレーネのおかげです。

ヘレーネという女性はどんな人だったのか、いろいろ想像しました。そして大きなユリの花にたどり着いたのです。きっとこんな人だ……

で、トップ写真に使わせていただきました。

朝いちばん、この記事を読んでとってもさわやかな気分になりました。


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